業務スーパーでオリーブオイルのようなものがあってチェックしてみると、オリーブポマスオイルと書かれていました。
パッケージにはオリーブオイルのような絵が描かれていて、揚げ物にピッタリとのこと。
はじめて知った商品でしたので、どのようなオイルでエキストラバージンオリーブオイルと何が違うのか、実際に使ってみた感想などをまとめてご紹介しています。
オリーブポマスオイルとは?
バージンオリーブオイルを抽出した後のオリーブ果実のしぼりカスを、さらに専用の溶剤、または他の物理的な方法で処理をして抽出したオイルのことです。
食品以外の使い道もあるので、もったいないから抽出しておこうという感じでしょうか。
さらに食用として商品化させる為に、以下のような工程を行います。
1.食用レベルに精製
抽出したオリーブポマスオイルから色や臭い、酸素などを除去して食用レベルになるように精製して純度を上げます。
2.バージンオリーブオイルと混ぜる
精製したオリーブポマスオイルと食用のバージンオリーブオイルを混ぜ合わせて、食用商品として販売します。
バージンオリーブオイルとの違い
原材料は同じですが、上のオリーブポマスオイルができるまでの工程で紹介した通り、加工などが加えられているか、いないかが大きな違いかなと思います。
そして、バージンオリーブオイルと比べると、オリーブオイル独特な風味は加工の際に乏しくなります。
オリーブオイルの規格
IOC(国際オリーブ協会)という40ヶ国以上の国が参加している国際連合組織では、オリーブオイルに関する国際規格を設けています。
食品用としてのエキストラバージンオリーブオイルとオリーブポマスオイルについて以下のように定義されています。
グレード | 酸度 |
エキストラバージンオリーブオイル | 0.8%以下 |
バージーブオイン・オリル | 2.0%以下 |
オーディナリーバージン・オリーブオイル | 3.3%以下 |
グレード | 酸度 |
オリーブポマースオイル | 1.0%以下 |
※酸度とは、酸化を促進させる脂肪酸がオイルの中に何パーセント遊離しているかを示しています。
酸度だけ見ると、オリーブポマースオイルはすごく低く感じるかもしれませんが、専用の溶剤などを使った化学処理によって酸度を下げることで、オリーブオイル独特な風味や色まで消えてしまいます。
要するに、エクストラバージンオリーブオイルのように、風味を楽しむためにサラダにかけるというような使い方には向いていないというわけです。
ちなみに、もっともグレードが高いのが、エキストラバージンオリーブオイルです。
一番搾りされたオイルで酸度が0.8%以下、かつ厳格な検査に通過したオイルのみがエキストラバージンオイルとして認められています。
オリーブポマスオイルの危険性は?
もちろん、IOC規格やJAS規格などの食品基準に基づいて製造された商品なので、すぐに何かが起こるということはないでしょう。
ですが、抽出時に溶剤が使われるなど、危険性が100%ないのかといえば、なんとも言えません。
これといった健康被害が出ているわけではないので、その辺りは自己責任で利用するしかなさそうです。
オリーブポマスオイルを使ってみた感想
まずは、エクストラバージンオリーブオイルとどのような違いがあるのか、開けて比較してみることにしました。
エクストラバージンオリーブオイルとの比較
色はエクストラバージンオリーブオイルの方がかなり濃くて、オリーブオイル独特な風味があります。
それ対してポマスオイルは、エキストラバージンオリーブオイルが15%配合されているということで、薄いながらも黄色っぽい色をしていますが、風味は消えて、ほぼ無味無臭のオイルでした。
確かにこれでは、そのまま食材にかけるといった使い方はできませんね。
揚げ物用オイルとして使ってみた
オリーブオイル独特な風味が精製されて消えている分、揚げ物や炒めものなどの料理に合わせやすいとのこと。
業務スーパーのポマスオイルの裏にも、揚げ物にぴったりと書かれているので、今回は天ぷらを作ってみることにしました。
かぼちゃを揚げてみると、いつも使っているキャノーラ油と違って、ガスっぽい臭いがたまにしてきます。
その臭い以外は気になった点はなく、キャノーラ油で揚げる時よりも、結構カリッと揚がっているような。
調べてみると、オリーブオイルで揚げると、揚げているものに熱を早く通す性質があるようで、これによって 油っぽくならないのだとか。
それで、天ぷらもビチャベチャした感じにならないんですね。納得。
利用の際の注意点
業務スーパーのポマスオイルは遮光されたケースに入っていないので、封を開けて長期保存していると酸化が進む可能性があります。
保管の際には冷暗所に置いて、早めに使い切るようにしてください。
まとめ
業務スーパーのオリーブポマスオイルは、天ぷらを揚げる際に発生していた臭いは少し気になりましたが、揚げ物として使うならカリッと揚がるので使ってみる価値はあるのかなと思いました。
ただ、揚げ物用として使うのであれば、キャノーラ油の方が価格は安いので、おそらく次はないかなとは思いました。