小学生の頃、夏休みになるとやっていたラジオ体操。子どものやるものだと思っていたら大間違い!大人がやっても十分「運動」としての効果があるのです。
え、あんな短い運動で効果があるの?と思うかもしれませんが、今そのダイエット効果に注目が集まっています。
1日のどのくらいやればいいのか、ラジオ体操のダイエット効果やその他の健康効果についてもあわせてご紹介します。
ラジオ体操を続けることで期待できる効果は?
ラジオ体操は第1と第2がありますが、それぞれ約3分の運動です。2つ合わせても所要時間6分。これだけの運動でどのような効果が期待できるのでしょうか。
ダイエット効果
私たち女性が一番気になるのがこのダイエット効果でしょう。ラジオ体操は短時間のエクササイズですが、意外とカロリーを消費する運動なのです。
体重50kgの人が15分ラジオ体操をすると57kcalの消費になり、これは毎分90~100mでウォーキングをした時と同じ消費カロリーになります。
時速6kmだとやや早めに歩くペースになりますが、それと同じカロリーを家の中で消費できるというわけです。
仮にラジオ体操を15分行ったとし、「主な運動の消費カロリー量」(四訂・日本食品標準成分表より作成)をみると、速いペースのウォーキングと同じ消費カロリーなのです。
引用元:全国ラジオ体操連盟 よくある質問
血行を促進して冷え性改善
やってみるとわかるのですが、ラジオ体操はかなりキビキビとした動きが多く、短時間でも身体が温かくなってきます。手足の先まで血流が促進されて、血行を良くし、冷え性を改善します。
身体冷えてると感じたら3分やるだけでかなり血行が促進されます。
頭もスッキリ
血行が良くなるのは身体だけではありません。首を回したり、状態を後ろにそらす動作は頭への血流を増やし、脳を刺激して頭をすっきりさせる効果があります。デスクワークが多かったり、1日同じ姿勢でいることの多い人には特におすすめです。
むくみの改善
その場でジャンプするなど足もしっかり動かすラジオ体操は、リンパの流れも促進します。
足の筋肉を動かすことでポンプ作用が働き、リンパや静脈血をしっかり流してくれるので、足のむくみの改善にも役立ちます。夕方のむくみやすい時間にやると効果的です。
肩こり、腰痛の改善
ラジオ体操は腕や肩、腰周りなどを効率的に動かすことが出来る全身運動なんです。腕を回したりすることで肩周りの筋肉もほぐれますし、腰をひねる運動で腰の筋肉をほぐします。
ただし、椎間板ヘルニアなど、腰を動かしてはいけないとされている人には逆効果の場合があるので、痛みがある場所の運動は無理にしない方がいいでしょう。
便秘の解消
ラジオ体操では、左右に身体をひねる運動が多く、それがお腹(腸)への刺激となって、便秘の解消に役立ちます。ラジオ体操をするだけでお腹をマッサージしたのと同じような効果がえられるのです。
ボディラインを整える
ひねる運動は腰回りの贅肉を落とし、動かしている筋肉を意識しながら行うことでヒップアップや美脚効果も期待できるのです。
全身の筋肉をまんべんなく動かす運動ですから、バランスよく鍛えることが出来てボディラインも自然と整ってきます。また、内臓の位置を正しい位置に戻し、ぽっこりお腹も解消してくれます。
体幹を整え姿勢が良くなる
正しい動作で体操を行うことで、骨格筋を鍛えてボディラインが整うと同時に適正な位置に筋肉がつくようになります。
また、ラジオ体操はどの動きも左右対称に行いますから、体幹を整える効果もあり、インナーマッスルも鍛えられるので姿勢が良くなるのです。猫背ぎみの人には特におすすめです。
柔軟性のアップ
身体が硬い人でも無理なく進められるような構成になっているので、毎日続けることで身体の柔軟性もアップしていきます。
自律神経のバランスを整える
ストレスが感じているとうつむきがちで呼吸が浅くなっていることが多いものです。胸を開いて深呼吸をする運動は、たっぷり身体に酸素を取り入れてリラックスさせる効果もありますし、自律神経のバランスを整えてくれます。
免疫力の強化
血行が良くなって身体の隅々まで酸素や栄養素が行き渡ることや、便秘を解消して腸内環境を整えることで、免疫力の強化にもつながります。
実際、ラジオ体操を始めてから風邪を引きにくくなったなど、ダイエット以外の効果を感じている人も多いようです。
美肌効果
姿勢が良くなったり、便秘の解消、血行促進効果などで身体の巡りが良くなれば、当然顔やお肌にも良い効果があります。
顔の歪みやむくみが取れたり、血行が良くなることで隅々まで酸素や栄養素が行き渡り、肌のくすみを解消するのにも役立つでしょう。
ラジオ体操の時間帯による効果の違いは?
ラジオ体操は朝のイメージがあると思いますが、やる時間帯によっても得られる効果が違ってきます。目的別に時間帯を変えてやってみてください。
朝やると身体が活動モードに
起きてすぐに軽い運動をすることで自律神経の交感神経を優位にし、体温が上がってからだが活動モードになります。起きてすぐのぼーっとした頭をスッキリさせてくれて、全身の血行も良くなります。低血圧など朝が苦手な人には特におすすめです。
朝やることで代謝のいい身体を作ることにもつながりますから、太りにくくなる効果も期待できます。
昼にやると眠気もスッキリ
お昼休みにラジオ体操を導入している会社も増えてきたようです。お昼を食べた後の眠気を飛ばして、午後もがんばろうという活力になります。
夕方やるとダイエット効果
16時~18前後は、人の体温が1日の中で一番高くなる時間帯です。つまり、夕方やることで消費カロリーがアップする、ということですね。太りにくい身体を作るのに役立ちますから、ダイエットのために行うなら夕方が一番です。
夜やると安眠効果
夜にやると適度に筋肉が伸び、血行も良くなって寝つきが良くなる安眠効果が期待できます。ストレッチ効果もあり、疲労回復にも役立つでしょう。
ただし、寝る前にあまり激しい運動をすると逆に目がさえてしまうので、やるならラジオ体操第1だけにしておきましょう。
ラジオ体操を効果的に行うコツは?
ラジオ体操の効果を高めるには、リズムに乗ってテンポ良く行うことと、正しい動きをすることが大切です。
実際にやってみましょう。こちらの動画を参考にしてください。
正しい動作をマスターすること
ラジオ体操は時間が短いので、どの筋肉を動かしているのかをしっかり意識して行う必要があります。適当にやっていても効果は出ません。
真っ直ぐ立っている時は、横から見た時に耳、肩、膝、くるぶしが一直線になるように意識してみてください。足は腰幅に開いて背筋を伸ばして軽くあごを引きます。この姿勢を意識することで、重心が安定してインナーマッスルも鍛えられます。
また、おかしなところに力が入らないので、疲れずに体操をすることが出来るのです。
足首や膝、股関節など不要な力が入らないように少しゆるめます。動きがスムーズになり、体重移動が楽にできるようになります。
身体を前後、左右に曲げる運動の時も、膝がピンと張った状態だと上体の動きを妨げてしまいます。膝をゆるめることで足に無駄な力がかからず、腰にも負担をかけずに状態を動かすことが出来ます。
各動きのポイント
それぞれの動きには注意するポイントがあります。それを意識することで、ラジオ体操の効果を高めることが出来ます。誰でもやりやすい第1の方の動きのポイントです。
足は肩幅よりもやや広めに開くと安定します。手の平をしっかり返し、指先まで伸ばすことを意識しましょう。できるだけ指先を遠くに持っていくようにすると自然に胸が開きます。胸を開く時に首も一緒に後ろに動かします。
ただし、そらし過ぎは腰を痛めますから気をつけてください。
慣れるまでは8割くらいの力で
ラジオ体操は思っているよりも激しい運動なのです。ですから、最近全く運動をしていないという人がいきなり力を入れてやりすぎると、かえって関節や筋肉を傷めてしまう場合もあります。
動きをマスターするまでは8割くらいの力でやってみてください。
ダイエット目的でラジオ体操を行う際のポイントは?
健康維持だけでなく、ラジオ体操でダイエットしたい!という人のために、ダイエット目的で行う時のポイントをまとめました。
1日3回やる
ラジオ体操第1か第2、どちらか一方でかまいません。1回3分、これを1日3回やります。もしできるなら、もちろん両方やった方が効果的です。
第1と第2を使い分ける
たとえば、ラジオ体操第1は誰でも出来るように、比較的簡単な動作が組み込まれた運動です。運動強度もそれほど強くはありません。全身の筋肉400カ所を動かせる運動なので、体全体をバランスよく使えるような構成になっています。
それに対して第2は青年層・壮年層を対象に作られているので、第1よりも運動強度が強く、主に筋力を鍛える構成になっています。
ダイエットで脂肪を燃やすためには、適度な筋肉が必要ですが、女性はどうしても筋肉量の少ない方が多いです。筋肉量が少ないといくら有酸素運動をしても脂肪が燃えにくいのです。
まずはしなやかな筋肉をつけて脂肪燃焼の効率を高めるために、ダイエット目的で行うなら第2を中心にやっていきましょう。
有酸素運動と組み合わせる
例えばウォーキングなどは有酸素運動は筋トレと組み合わせると脂肪燃焼効果が高まりますから、ウォーキングの前には第2を、整理運動として第1をやってみてはいかがでしょうか。
第1と第2をやみくもにやるよりもダイエット効果がアップするでしょう。
ウォーキングのやり方については、下記のページでも紹介していますので参考にしてみてください。
→ ウォーキングダイエットで痩せない理由は?痩せる為のやり方を紹介
ダンベルを持ってやる
ある程度慣れたら、ダンベルを持ってやるとかなり負荷を高められます。ダンベルがなければ500mlのペットボトルに水を入れてダンベル代わりにしてみましょう。
倍速でやる
ラジオ体操の正しい動きもマスターし、運動の強度にも慣れて物足りなくなってきたら、倍速でやるという方法をおすすめします。
テレビのラジオ体操を録画しておき、それを倍速で再生して一緒にやってみましょう。元々音楽が早めですから、それがさらに早くなるので格段に負荷が強まるはずです。
アプリを使ってみる
スマホのアプリを使えば消費カロリーもチェックできます。スマホを持って体操すると、動きごとのスコアなども記録されるので、やる気につながります。
ダイエットは続けるのが何より難しいので、アプリで自分の努力を視覚化できればモチベーションを維持しやすいでしょう。
継続して行うこと
ラジオ体操は短時間の運動なので、続けることで筋肉や関節が柔らかくなったり、徐々に筋肉を鍛える効果が期待できるものです。また、せっかく鍛えても3日休むと身体が元に戻ってしまうそうです。
短期間で劇的に痩せる方法ではありません。毎日継続して行うことで効果が出ますから、1日15分程度取り組んでみてください。
まとめ
子どもやお年寄りが朝やる体操だと思っていたら、驚くほどの効果があったラジオ体操。特に食事制限もせず、ラジオ体操を続けて体重が数キロ落ちた、という口コミも多く見かけます。
1日15分程度の運動で健康的に痩せられるなら、毎日続けてみたくなりませんか。家事の合間にやってもいいですし、朝起きたとき、仕事から帰ってきた時など、自分なりのタイミングでぜひ続けてやってみてください。