オーストラリアは日本よりも紫外線が強いといわれますが、実際はどうなのでしょうか。
紫外線対策は、日焼け止めを塗るだけで十分なのか、日本とは違った対策をしないといけないのかなど、オーストラリアに行く際の紫外線対策の注意事項についてまとめました。
これからオーストラリアに旅行される方は、ぜひ参考にしてみてください。
オーストラリアの紫外線はどのくらい強いの?
オーストラリアの紫外線は日本と比べるとどのくらい強いのでしょうか。オーストラリアでは紫外線の被害が深刻なため、子供はもちろんのこと、大人からペットまで、徹底した紫外線対策がとられています。
オーストラリアの紫外線が強い理由
例えばアフリカ諸国のように、赤道に近い熱帯地方の方が日差しが強いイメージがありますが、オーストラリアがそれらの地域に匹敵するほどの紫外線量になってしまうのには、いくつかの理由があります。
オゾン層とは地表から20~30kmほど上空にある層のことで、紫外線から地球を守る役目があります。
1980年代に南極でのオゾン層破壊が確認され、それ以降「オゾンホール」が広がってきています。南極に近いオーストラリアはその影響が大きく、日本よりもオゾン層が薄くなっているため、紫外線のダメージを受けやすくなってしまっているのです。
オーストラリアは世界でも最も降水量の少ない地域であるといわれていて、晴天に恵まれている日が多いのは嬉しいことなのですが、それは日差しが強く紫外線が降り注ぐ原因になってしまうのです。
例えば同じくらいの緯度にあるアルゼンチンのブエノスアイレスは、雨が多く平均気温も低いために夏の紫外線量は日本とほぼ同じくらいです。
ケアンズやダーウィンなど雨季と乾季がはっきりしている地域であっても、日本の梅雨のように1日中雨が降ることはありません。スコールのようにドッと降って止む、という雨なので、あがれば紫外線が強くなります。
紫外線のピークは11~2月
オーストラリアは南半球ですから、日本が冬の時に夏を迎えます。時期としては11~2月くらいが紫外線量がピークになります。
よって、寒い日本を脱出して南半球で夏を満喫しよう!というときが一番注意しなければいけない時期だということです。
日本と比べて1.2〜1.3倍
放射線のレベルを数値化したものがあります。例えば、WHOが出している世界の各都市のUV数値を比較してみると、一番紫外線が強い時期の数値は日本の1.2〜1.3倍ほどになることが分かります。
参考:WHO UV Index
「オーストラリアの紫外線は日本の5倍」もしくは「6〜8倍」と記載されているウェブサイトも多いのですが、それは日本の紫外線量が少ない冬の時期とオーストラリアの夏を比べているからだと思われます。
同じ「夏」という季節の数値を比べれば、そこまでの差はありません。ただ、過度に神経質になる必要はありませんが、日本よりも強いのは確かですから、しっかりとした紫外線対策は必要です。
オーストラリアは国土が日本の21倍とかなり広いですから、場所によって紫外線量も変わってきます。
例えばシドニーの1月の紫外線量のピークは12〜13ですが、ダーウィンだと時には16くらいまで高くなることもあります。
パースは10〜12くらいなので、日本の真夏(9〜10くらい)と比べるとやや高めという感じです。ですから、一口にオーストラリアといっても行く場所によってこれだけの差があるので、事前の下調べが重要でしょう。
紫外線のダメージを受けやすい場所
オーストラリアがん評議会の調査によりますと、下記の3つが紫外線のダメージを受けやすい場所だとされています。
- バーベキューやガーデニングをしているとき
- ビーチやプールで遊んでいるとき
- 屋外でスポーツなどをしているとき
また、ワーキングホリデーなどでオーストラリアに行く方は、外での農作業などをすることもあるでしょう。そういった時にも紫外線には十分気をつけましょう。
皮膚がんの心配は?
紫外線が日本の5倍もないことはわかりましたが、実際にオーストラリア政府は国をあげて紫外線対策を推奨しています。それはオーストラリア人の3人に2人が70歳までに皮膚がんを発症するといわれているというのも理由の一つです。
そんな国に行って紫外線を浴びたら、自分も皮膚がんになるのでは、と心配される方もいるかもしれませんが、旅行をしたくらいではそのような心配はありません。
日本人はモンゴロイドと呼ばれる有色人種ですが、オーストラリア人はヨーロッパ系の移民が中心の国。先住民のアボリジニを除けば、圧倒的に白人が多いわけです。
元々メラニン色素が少ないオーストラリア人は、私たち日本人よりも紫外線の影響を受けやすく、シミやそばかすが出来やすい肌をしています。
肌の違いが皮膚がんの発症率と関係しているとする専門家もいます。
それなのに、日中でもタンクトップにショートパンツなどカジュアルな格好をしている人も多く、政府の取り組みとは正反対に、紫外線に対する意識が低い人がいるのも事実です。
日焼けしても黒くなりにくい白人は、小麦色の方が健康的に見えるとわざわざ日焼けしたがる人もいるくらいで、それらが相まって皮膚がんの発症率を高めている可能性は否定できません。
日本では、電車の中でも日焼け止めを塗る女性が問題になるほど、紫外線対策については意識の高い国です。実際、夏になるとそのような女性をたくさん見かけます。
ですから、必要な紫外線対策をしっかりしていれば、旅行に行ったくらいで皮膚がんになる心配はありません。
オーストラリア旅行に行く際の紫外線対策は?
オーストラリアの真夏に行くなら徹底した紫外線対策が必要であることはもちろん、冬の時期に行く場合でもしっかりと紫外線をカットするためのアイテムを持っていきましょう。
オーストラリアでは「サンスマートプログラム」が導入されていて、スリップ・スロップ・スラップ・ラップ」というスローガンのもと、国をあげて紫外線対策が行われています。
特に影響を受けやすい子供に対する紫外線予防指導は徹底されており、学校などでは日焼け止めを塗ることが義務づけられているところも少なくありません。
- 長袖を着る(Slip on a long sleeved shirt!)
- 日焼け止めを塗る(Slop on some sunblock!)
- 帽子をかぶる(Slap on a hat that will shade your neck!)
- サングラスをかける (Wrap on some sunglasses!)
この4つがオーストラリアで最も基本的な紫外線対策です。
オーストラリアでの紫外線対策で気をつけること
それではオーストラリアでの紫外線対策で気をつけたい点についてご紹介します。
日焼け止めはSPF50のものを使おう
日本で普通に暮らしていればSPF20程度で十分なのですが、観光でオーストラリアに行くということは海や山、もしくはショッピングなどあちこちを歩き回ることが多いと思います。
普段の暮らしよりも紫外線を浴びる時間が長く、かつ紫外線の強い地域に行くわけですから、日焼け止めは数値の高いものを選びましょう。
今は肌に負担をかける紫外線吸収剤を使わずに、紫外線を跳ね返す紫外線散乱剤を使っていても数値が高い日焼け止めが出ています。
SPF40〜50くらいのものを、2時間おきに塗り直すようにしてください。塗りムラが出来ると日焼けしますから、やや厚めに塗ることを心がけましょう。
日焼け止め以外に、飲む日焼け止めサプリも併用すれば、紫外線が強いオーストラリアでも安心です。
→ 飲む日焼け止めって本当に効果あるの?副作用の心配は?選び方を紹介
Tシャツよりはポロシャツ
Tシャツですと首周りが隠れないので紫外線をまともに浴びてしまいます。できればポロシャツなど襟付きのシャツの方がいいでしょう。
Tシャツやカットソーを着るなら、UVカットできるストールを巻くことをおすすめします。
衣類は素材にもこだわりましょう。UVカット加工されているもの(UPF表示のあるもの)なら安心です。
UPFの数値は少なくとも15以上が良いとされていて、水着などは最高値の50+がおすすめです。
もしくは、オーガニックコットン100%の衣服もおすすめ。紫外線のダメージを95%防いでくれることが分かっています。
ポリエステルにも紫外線を吸収する作用があるのですが、残念ながら通気性があまり良くありません。通気性を良くしつつ紫外線をカットするには、コットンとの混紡素材がおすすめです。
帽子のつばは8〜10cm
日本でも「女優帽」と呼ばれるつばの広い帽子がありますが、なるべく大きな帽子の方が紫外線を防げます。
キャップやキャスケットのような形のものはNG。360度紫外線をカット出来るように、全体的につばの広い帽子を選んでください。
髪や頭皮にも日焼け止めを
オーストラリアで帽子は必須ですが、髪の長い方はそれだけでは紫外線を防ぎきれないことがあります。
スプレータイプの日焼け止めがあれば、髪や頭皮も紫外線のダメージから守ることが出来ます。
下記のページでは、髪や頭皮に使えるおすすめの日焼け止めスプレーをご紹介していますので、参考にして頂ければと思います。
→ 髪・頭皮の紫外線対策!髪に使える日焼け止めスプレーランキング9選
サングラスは紫外線透過率が低いものを選ぶ
サングラスは色が濃い方が紫外線をカットしてくれそうな気がしますが、決してそうではありません。大事なのは紫外線をどのくらいカットできるかを明記しているかどうかです。
というのも、紫外線をカットする目的ではなく、ファッションのためにかけるサングラスは逆効果になることがあるからです。
色の濃いサングラスをかけると瞳孔が開きます。その状態で紫外線を浴びると、開いた瞳孔にたくさん紫外線を取込むことになってしまいます。ですから、雑貨店などで売っている千円程度のサングラスでは紫外線をカットするどころか、目に悪影響を及ぼします。
サングラスを選ぶ時には、紫外線カット率の高いものか、もしくは紫外線透過率が低いものを選びましょう。
紫外線透過率とは紫外線がどれほど透過するかを示す数値なので、低いほど優れているということになります。
折りたたみの日傘も持っていこう
雨も降っていないのに傘をさすなんておかしいと感じる外国人は多く、日本人女性にとって必須アイテムである日傘も、海外の女性はほとんど使っていないようです。
でもそんなことを気にしている場合ではありません。日傘は紫外線対策としてとても役に立つアイテムですから、折りたたみのものを1本もって行くと便利です。
下記のページでは、日傘選びのポイントやマナーについてご紹介しています。
→ 日傘に紫外線対策の効果は?選び方&確認しておきたいマナー7つ
紫外線対策は組み合わせが大事
紫外線をしっかり防ぐには、日焼け止めを塗るだけでは足りないですし、サングラスや帽子だけでも足りません。
大事なのはいくつもの対策を組み合わせて、全方向からの紫外線をカットすることです。
まとめ
オーストラリアの紫外線は確かに強いですが、基本的な紫外線対策をしっかりしていけば、それほど心配することはありません。
日本のビーチなどでも日焼け止めを塗ったりラッシュガードを着たり、日傘をさすなどの紫外線対策をすると思います。
それと同じようにしっかりとした紫外線対策を心がければ、オーストラリアでのレジャーも安心して楽しめるでしょう。
下記のページでは、6~8月のオーストラリアはどのくらいの気温なのか、おすすめの服装についてご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。