ムクドリの鳴き声の意味と生態|騒がしい時の対応策と行動特性

ムクドリの鳴き声の意味と生態|騒がしい時の対応策と行動特性雑学・豆知識

都市部でよく聞こえるムクドリの鳴き声は、さまざまな種類があります。

これらの鳴き声には特定の意図があるのでしょうか?また、ムクドリの生態や騒がしい時の対応策についても知りたくなりますよね。

今回は、ムクドリの様々な鳴き声やその意味、そして騒がしいときの対処法についてご紹介します。

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ムクドリの特徴的な鳴き声

【鳥の鳴き声】 ムクドリの鳴き声 さえずり 【wild birds sounds】

ムクドリの鳴き声は、「キュリリリ」「キュルキュル」「ギェギェ」「ケケケ」「ヒーィヒーィ」「ヒィヒィヒィ」といった様々な音色を持っており、その多様性は言葉では表現しきれないほどです。

ムクドリの鳴き声_2013.5.23

リズミカルで『キュリリリ』と聞こえるムクドリの鳴き声は、他のムクドリとのコミュニケーションのように聞こえます。

自然が豊かな山間部で聞くと美しい響きを持ちますが、大量に鳴くとその音量に圧倒されることもあります。

ムクドリの鳴き声

個々のムクドリが鳴くときは、口をほとんど開けずに小さな声でさえずります。

この鳴き声は比較的静かで、急いで鳴く雀のように感じられることがあります。

ムクドリの鳴き声の意味

ムクドリが出す鳴き声は、主に他のムクドリとのコミュニケーションのために使われます。

特に早朝や夕方に鳴くことが多く、電線などに群れが集まるときの『ギャーギャー』という鳴き声は、喧嘩している時のものだと考えられます。

ムクドリの発する音は、大きく4つのカテゴリーに分類されると言われています。

鳴き声の種別

ムクドリの雄が縄張りを主張したり、求愛行動の際に発する声は春から夏の繁殖期に特に多く聞かれます。

その鳴き声には、複雑で長いものや、単調で同じような声を繰り返すものがあります。

日常的な鳴き声

ムクドリの日常的な鳴き声は、群れの中でのコミュニケーションや警戒時に使われ、季節や性別、年齢に依存しません。

主に短い「キュル」や「ギュ」といった音が聞かれます。

ドラミング

ムクドリが求愛や縄張りを示す際に発する威嚇音は、通常の鳴き声とは異なりますが、やはり鳥の発する音の一種です。

たとえば、キツツキが木を叩く行動がこの威嚇音に相当します。

クラッタリング

鳴くことができない鳥種、例えばコウノトリが、くちばしを激しく打ち合わせてコミュニケーションを取る行動を「クラッタリング」と言います。

これは主に求愛や威嚇の際に使われます。

ドラミングと似た状況で使われることがありますが、鳥の発する音としては、ドラミングとクラッタリングは別のカテゴリに分類されます。

これら4つのカテゴリーでムクドリの鳴き声を分類することができます。

夕方のムクドリの行動パターン

夕方になると、ムクドリは安眠のための木を探し、そこへ集まるために活動をします。

これは単に群れを作ることだけではなく、眠りの場所としての木の安全性を確認している行動とも解釈されます。

木に群れが集まると、約30分から1時間ほど鳴き声を続けることが一般的です。

この鳴き声は、他のムクドリを呼ぶためだけではなく、他の鳥類が接近しないようにする警告信号の役割も果たしている可能性があります。

夜になると、ムクドリは静かに休むようになり、鳴き声も自然と収まります。

ただし、時には夜通し鳴き続けることもあります。

ムクドリとは

見た目の特徴

ムクドリは、スズメ目の鳥で、体長は約24センチメートルです。

頭部は灰色がかった黒褐色、体は黒に近い褐色をしており、目の周囲や頬には白い斑点が散見されます。足とくちばしは鮮やかな黄色です。

大きさはスズメとハトの中間ほどで、見た目はとても可愛らしいです。

生息環境と食事

ムクドリは地上でエサを探すことが多く、草の中で虫を捕食します。

雑食性で、もともと椋の実を好んで食べることから「椋鳥」と呼ばれるようになったとされていますが、実際には木の実だけでなく虫や幼虫、種子、果実などを食べることもあります。

生息域は主にアジア大陸の中緯度や温帯地域で、日本では九州から北の地域に広く分布しています。

北海道では主に夏鳥として見られ、冬には南下します。

低山地や平地を好み、繁殖期は人里近くの林などで活動が見られます。

繁殖期後は群れを形成し、都市部にも姿を現します。

駅前や街路樹などを巣とすることが多く、時には数万羽にも及ぶ大群を形成し、その鳴き声や糞によって迷惑視されることもあります。

しかし、農地では害虫を捕食することで役立つこともあります。

群れ形成と都市生活への適応

繁殖期が終わるとムクドリは、数百から数千羽にも及ぶ大規模な群れを作ります。

これは外敵から身を守るための行動ですが、都市部では鳴き声や糞による被害の原因にもなっています。

毎年同じ場所に戻る習性があり、一度解消された被害が翌年に再発することがよくあります。

かつて自然環境に生息していたムクドリは、開発による生息地の減少を背景に都市部へ移動してきています。

都市部では天敵が少ないため、ムクドリにとって比較的快適な生活環境を提供しています。

春から夏にかけては繁殖期で、ムクドリは建物の軒下や樹洞に巣を作ります。

彼らは一度の産卵で4~7個の卵を産み、雌雄共同で抱卵し、約12日で孵化させます。巣立ちまでには約23日かかり、その後も約1ヵ月間は親鳥と行動を共にします。

短い繁殖期間と高い繁殖率がムクドリの特徴の一つです。

ムクドリの騒音問題とその対処

ムクドリは特に早朝や夕方に活動が盛んで、群れで鳴き続けることが多いため、騒音として捉えられることがあります。

このような状況にどう対応すれば良いのか、考えてみましょう。

ムクドリによる騒音被害に対しては、様々な対策が試みられています。

たとえば、群れが集まる木にネットをかぶせる、または天敵の鳴き声を録音し再生する方法などがあります。

これらの対策により、特定の木への集合は減少するものの、問題が別の場所に移動することもあります。

どの対策も完全な解決には至っていないのが実情です。

特に効果が見られるとされるのが、ムクドリの鳴き声を大音量で録音し流す方法です。

これを試した結果、ムクドリがその場を離れる効果が確認されています。

しかし、全体の数が減少するわけではないため、他の場所で同じ問題が起こる可能性があり、根本的な解決には至らないことが多いです。

まとめ

ムクドリはそのリズミカルで多彩な鳴き声を通じてコミュニケーションを取り、特に夕暮れ時には群れを形成し安全を確保するために活動します。

しかし、その鳴き声や糞の被害は都市部において問題となることもあり、様々な対策が試みられています。

鳴き声を利用した対策は一定の効果を示していますが、完全な解決には至っておらず、今後も様々なアプローチが必要とされています。

ムクドリは繁殖期には特に活発になり、その後の群れの形成や行動パターンが都市環境に影響を与えることが明らかになりました。

この鳥の生態をより深く理解することは、共存するための一歩となるでしょう。