ナスカの地上絵はなぜ消えないの?神秘的な世界遺産

ナスカの地上絵はなぜ消えないの?神秘的な世界遺産生活・趣味

ナスカの地上絵は、1930年代終わりにアメリカの歴史家、ミラー博士が航空機での旅行中に偶然目にしました。

乾いた土の中に作られた200以上の不思議な絵は、後に世界の歴史的遺産として保護されることとなりました。

ナスカの地上絵は、約2500年前に描かれたとされていますが、なぜ消えずに残っているのか、その秘密についてご紹介します。

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ナスカの地上絵が存在し続ける5つの理由

ナスカの地上絵が今も残っている理由には、いくつかの要因があります。

極端に乾燥している

最も重要な要因は、ナスカ地域の雨が非常に少ないことです。

平均的な降水量は年間わずか4mmです。

そのため、ナスカの住民は普段、雨具を使用する必要がありません。

また訪れた者は容易に感じ取ることができますが、その周りは乾燥した土地と砂漠が広がっており、緑の植物は見当たりません。

多くの人が想像する砂漠とは異なり、ナスカは砂だけでなく、土や岩が混ざり合った場所です。

ただ最近では気候変動の影響で降水量が増加し、これらの図の維持が難しくなってきているとの声も上がっています。

風や雨に強い構造

地上絵はペイントやインクのようなもので描かれているわけではなく、地面の表面にある小石を移動して絵かがれています。

表面の砂や石が取り除かれ、下にある白く石灰質の土が露出されます。この石灰質の土は湿気と混ざり、固くなる性質があります。

表面の石は太陽の照射を受けて酸化し、黒く変色。これが白い土と対比して、より鮮明に見えるようになっています。

野生動物の影響が少ない

地上絵には様々な動物の姿が見られますが、これは他の地域との交流を反映したものと考えられています。

実際のナスカ地域は人々が住んでいましたが、野生の動物が活動して土地を荒らすことはほとんどありませんでした。

このため、多くの地上絵が今日まで維持されています。

砂がたまるのを防いでいる

この地域の平均気温は約25度です。日中の気温は、25℃から30℃にもなり、かなり高温です。

太陽の強い光が地面や岩を照らし、地表の温度を上げます。その結果、地表から約1メートルの高さまで、暖かい空気の層が形成されます。

この地域には南から北へ向かう風が存在します。この暖かい空気の層が地面を守るカーテンのように働き、砂がたまるのを避ける役目をしています。

リーマン氏の保全活動

ドイツ出身の学者、マリア・リーマンと彼女の妹は、若い頃からナスカの地上絵に魅了され、その研究と保護のために尽力しました。

彼女たちは地上絵が損傷しないように日々の管理を行い、観察できるように展望台の建設にも関与しました。

マリア・リーマンはすでにこの世を去りましたが、彼女の願いを受け継ぐドイツの機関が現在も活動を続けていると言われています。

これらの努力も、地上絵が今も存在する大きな理由の一つです。

現在も、観光客のための特殊な靴の使用や立ち入る場所の制限、車の立ち入り禁止などのルールが設定されています。

ナスカの地上絵がある場所は?

ナスカの壮大な絵は、南アメリカのペルーの特定の地域、具体的にはナスカ川とインへニオ川の間にある領域に位置しています。

この乾いた高地には、さまざまな幾何学的な形や、動物や植物を基にした模様が地面に描かれています。

ナスカの地上絵はいつの時代に描かれたの?

この絵は、約2500年から3500年前に作成されたと考えられています。

ただし、様々な推測が存在し、正確な時期については明らかにされていない状態です。

以上、ナスカの地上絵がどうして今も存在しているのか、その秘密についてご紹介しました。