簡単に手に入り、しかも、美味しく食べられるヨーグルトに、口臭予防の効果があるということを最近よく耳にするようなりました。
しかし、整腸作用や美肌効果で知られているヨーグルトに、口臭予防の効果があるなんて、ちょっと信じられないような気もしますよね。
それに、「ヨーグルトならどれでも良いのか」ということも気になるところです。
ここでは、ヨーグルトで本当に口臭予防ができるのか、その真相を解明します。また、口臭予防におすすめのヨーグルトや食べる際の注意点についてもお伝えします。
ヨーグルトは口臭予防に効果あるの?
テレビで取り上げられたことがキッカケになり、ヨーグルトが口臭予防に効果的だという説が一気に広まりました。しかし、それには、口臭の種類やヨーグルトの種類が大きく関わってくるのです。
口臭を予防するヨーグルトの乳酸菌
ヨーグルトが口臭に効くのは、ヨーグルトに含まれている乳酸菌の働きによります。ただし、一般的なヨーグルトに含まれているビフィズス菌や乳酸菌で口臭予防ができるのは、その原因が腸内環境にある場合に限られます。
口内に口臭の原因がある場合には、特定の乳酸菌でしか口臭予防は見込めません。
腸内環境を整えて口臭予防
ヨーグルトに含まれている乳酸菌には整腸作用があり、腸の中で善玉菌を増やし、悪玉菌を減らします。善玉菌が増えると腸内環境が整い、全身の免疫力が高まります。
免疫力が高まることで歯周病になりにくくなり、その結果、口臭予防につながります。
便秘が続くと、便臭のような口臭を引き起こすといわれています。
便が腸内に長く滞留すると、悪玉菌が増加して便の腐敗が進み、腸内に悪臭を放つ有害物質が発生します。その有害物質が血液内に溶け込んで全身を回り、肺から呼気として排出されるため口臭となります。
乳酸菌によって腸内環境が整い、腸が健康になることで便秘が改善されるため、口臭も改善されるのです。
口内細菌を退治する特別な乳酸菌
乳酸菌にはたくさんの種類がありますが、口臭の原因となる口内細菌の抑制効果があり、なおかつ、ヨーグルトとして発売されている乳酸菌は、以下の2つです。
- L8020菌(正式名:ラクトバチルス・ラムノーザス・KO3株)
- ロイテリ菌(正式名:ロイテリ菌プロテクティス:ロイテリ菌DSM17938株)
ちなみに、歯周病の原因となる「ジンジバリス菌」に非常に有効な「LS1菌」という乳酸菌がありますが、これはタブレットなどの販売のみで、ヨーグルトとしては発売されていません。
賛否両論「無糖ヨーグルト歯磨き」
ある歯科医師がテレビで紹介したことで、「無糖ヨーグルト歯磨き」が歯周病予防になり、口臭対策につながると評判になりました。それは、ヨーグルトに含まれている乳酸菌が、歯周病菌の繁殖を抑制するという考えに基づいています。
テレビで紹介された「ヨーグルト歯磨き」とは、普通に歯磨きをした後に、歯ブラシに無糖ヨーグルトをつけて、再度歯を磨くというものです。
そして、その歯磨きでは、磨いた後に口をすすがず、口の中のヨーグルトは、吐き出してもかまわないが飲んでも良いとされています。
疑問視する医師たちの観点
特定の乳酸菌が歯周病予防に効果があることは認められていますが、口をすすがないことで、乳酸菌の強い酸が歯のエナメル質を溶かしてしまう可能性があると懸念され、多くの医師が「ヨーグルト歯磨き」を疑問視しています。
人は寝ている間には唾液の分泌が少なくなるため、特に、就寝前にヨーグルト歯磨きをすると、唾液による中和がなされないまま、酸が口の中に残ってしまうことになります。その結果、むし歯になるリスクが高くなるといわれています。
さらに、歯周病などの予防に効果があるのは一部の乳酸菌のみであるため、それ以外の乳酸菌を含むヨーグルトで歯磨きを行ったとしても、効果には期待できないと考えられています。
口臭予防には逆効果
ヨーグルト歯磨きは、口臭を発生させてしまう恐れがあるともいわれています。
なぜなら、口内の細菌は、タンパク質を分解してニオイ物質を生成するからです。
つまり、タンパク質でできているヨーグルトや牛乳、チーズなどの乳製品が、口の中に長く残っていることで、口臭が発生しやすくなるのです。
乳製品を食べた後には、水で口をすすぐなど口内をケアすることが大切です。
口臭予防におすすめのヨーグルトは?
ヨーグルトに含まれている乳酸菌のほとんどは、腸内環境を整える働きはあっても、口内細菌を退治することができません。しかし、口臭は、お腹の中よりも口内に原因があることの方が断然多いのです。
したがって、「口内細菌を退治できる乳酸菌を使用したヨーグルト」なら、腸内環境と口内環境の両方を整えて口臭を予防することができます。
出典:e-rakuren.jp
「8020ヨーグルト」は、らくれんと広島大学歯学部との共同研究により開発された「L8020菌を使用したヨーグルト」で、全国のスーパーなどで発売されています。
L8020菌入りのヨーグルトを食べると、次のような効果があることが実験により明らかになっており、口臭予防に非常に期待できます。
- 生菌が生きたまま腸に届く
- 虫歯菌(ミュータンス菌)を殺菌し減少させる
- 歯周病菌(ジンジバリス菌)を殺菌し減少させる
- カンジダ菌の発育を阻止する
「8020ヨーグルト」には砂糖が含まれていますが、砂糖は「L8020菌」の栄養源となります。ヒト試験において、砂糖入りであっても「8020ヨーグルト」で、虫歯菌や歯周病菌が減ることが検証されています。
「ロイテリヨーグルト」は、ロイテリ菌を使用した日本初の機能性表示食品ヨーグルトで、2017年9月17日にオハヨー乳業から発売されました。(現在は関東エリア先行発売で、今後は来春をめどに全国展開予定)
1個の「ロイテリヨーグルト」に、なんと2億個のロイテリ菌が含まれています。
ロイテリ菌は、ヒトの母乳から発見された乳酸菌で、「ロイテリン」という抗菌物質を作り出すことにより、有害な菌を抑制します。
さらに、ビフィズス菌などの有益な菌に対しては、ダメ―ジを与えることなく共存するために、菌全体のバランスを良好に保つ働きがあります。
また、ロイテリヨーグルトには、「お口から、カラダのこと。」というキャッチコピーがあり、健康への強いこだわりから、砂糖ではなくキシリトールを使用しています。
ロイテリ菌入りのヨーグルトには、口臭予防につながる次のような効果が認められています。
- 生菌が生きたまま腸に届く
- 腸の働きを助けて、便秘や下痢を改善する
- むし歯の原因菌であるミュータンス菌を減少させる
- 歯周病菌やプラーク(歯垢)を抑制する
- 歯茎を健康に保つ機能がある
口臭予防でヨーグルトを摂る際のポイントは?
効果的に口臭予防をするためには、ヨーグルトを食べる際のポイントや注意点があります。
生きたまま腸に届く乳酸菌を選ぶ
乳酸菌の多くは胃酸に弱い特性があり、生きたまま腸まで届かない場合があります。口臭予防でヨーグルトを食べる際には、「生きたまま腸に届く」と記載のある強い乳酸菌を選びましょう。
歯磨き後に食べる
らくれん8020ヨーグルトの公式サイトでは、歯磨き後の摂取を推奨しています。
歯磨きによってプラークが壊されるため、L8020菌の作用がより効果的になるからだそうです。
ただし、夜の場合は、ヨーグルトが口内に残ったままにせず、食べた後にも歯磨きを忘れないようにとの記載があります。
また、ロイテリヨーグルトの公式サイトでも、ブラッシング後のロイテリ摂取が勧められています。
1日1個がおすすめ
8020ヨーグルト、ロイテリヨーグルト、どちらの公式サイトにも1日1個(110g)を食べることが勧められています。「8020飲むヨーグルト」であれば、1日1本(110ml)です。
大量に食べても効果が倍増するわけではないため、口臭予防には適量を継続することが大切です。
ヨーグルトとオリゴ糖はとても相性がよく、整腸作用に即効性のあるヨーグルトと持続性のあるオリゴ糖が補い合うため、良好な腸内環境を維持できます。
無糖ヨーグルトでは食べにくいと思う人は、砂糖の代わりにオリゴ糖を少し加えてみましょう。
まとめ
ヨーグルトには、整腸作用からの口臭予防効果が見込めます。また、「8020ヨーグルト」や「ロイテリヨーグルト」であれば、お腹とお口の両方からアプローチして口臭予防ができます。
口臭ケア商品はたくさんありますが、ヨーグルトならデザートとして食べられるので、口臭予防が楽しみになりそうです。ただし、食べた後のお口のケアは忘れないようにしてくださいね。