脇汗の黄ばみが気になって、薄い色の服が着られない!とお困りではありませんか。脇が黄ばんでしまうのにはいくつか原因があります。
その原因と落とし方などの対処法、黄ばみがつかない為の予防のやり方についてまとめました。
脇汗で服に黄ばみができる原因は?
汗は全身にかくのにどうして脇だけ黄ばみが出来てしまうのか、その原因には主に5つあります。
汗に含まれる色素
汗が出る汗腺には2種類あります。全身にあるさらっとした汗が出るエクリン腺と、脇の下など特定の部位にあるアポクリン腺です。
アポクリン腺から出る汗にはたんぱく質やアンモニアなどの他に、「リポフスチン」という色素が含まれているために黄ばみが出来てしまうのです。
このリポフスチンによる色のつき方には個人差があるので、薄い黄色もあれば、茶褐色に近い色もあります。
脇が黄ばんでしまうと「ワキガかな?」と心配になるかもしれません。確かにワキガの人はアポクリン腺から出る汗が多く、また、臭いも強いのが特徴ですが、黄ばみは必ずしもワキガだとは限りません。
黄ばみの原因は汗に含まれる色素ですから、ワキガでなくても汗の量が多ければ黄ばんでしまうことはあるのです。
アポクリン腺はもちろん両方の脇にありますが、利き腕の方がアポクリン腺の数が多く、汗も多く出るという特徴があります。
片方だけ黄ばみが出来る人は、アポクリン腺の数の違いが原因です。
制汗剤の成分
制汗剤には様々な成分が使われています。その成分が自分の汗と混ざることで、様々な反応を起こし、黄ばみを作ってしまうことがあります。
つまり、どの制汗剤がいけないかというのではなくて、自分の汗と相性の合わない制汗剤を使ってはいけないということです。黄ばみを作る制汗剤は人によって違うのです。
制汗剤は化学反応を起こすだけではありません。制汗剤を乾かさずに服を着たり、1日何度も使っていると、制汗剤が布に染み込んでいきます。
生地についた制汗剤が洗濯で落としきれず、黄ばみの原因になることもあります。
汗腺機能の低下
エクリン腺からの汗が全くシミにならないかというとそんなことはありません。1日中エアコンの効いた部屋にいたり、運動不足などで汗をかかないでいると汗腺の機能が低下します。
汗をかくとき、体内のミネラルは血液に再吸収され、水分だけを排出するのですが、汗腺の機能が低下しているとミネラルまで一緒に排出してしまうため、汗に色がつきやすいのです。
精神的な発汗
緊張したり、不安やストレスを感じたりすると脇汗がドッと汗が出ませんか。自律神経のバランスが乱れ、交感神経が活発になることで大量に汗をかくことを「精神的発汗」と呼びます。
汗の量が増えると排出される色素も増えますから、黄ばみも出来やすくなるのです。
皮脂
脇からは汗だけではなく皮脂も出ています。その皮脂が衣服について酸化すると臭いも出ますし、雑菌が繁殖して黄ばみやすくなります。
皮脂は汗と違って通常の洗濯では落としにくいため、少しずつ生地に蓄積されて落ちにくくなっていきます。
脇汗による服の黄ばみの落とし方は?
黄ばんでしまった服も、一工夫すれば落とせます。捨てる前に、あきらめずに黄ばみ落としをしてみましょう。洗う時のポイントは、冷たい水よりもお湯を使って洗うことです。
重曹を使う
お豆を煮る時に使う重曹は洗濯にも使えます。皮脂は酸性なので、アルカリ性の重曹を使うことで中和し、黄ばみを落とすことが出来るのです。
洗面器などにお風呂と同じくらいのお湯を張って、重曹を大さじ1入れてよくかき混ぜます。
衣類を浸けておくと、黄ばみも臭いも落とせます。つけおき時間は30分~2時間程度、しっかりと浸けましょう。その後は普通に洗濯機で洗濯します。
粉末の酸素系漂白剤と重曹を1:1で混ぜて、水を少し加えてペースト状にします。それを黄ばみが気になるところに塗って、こすり洗いをしましょう。
古くなった歯ブラシでこすってもいいでしょう。ただし、生地を傷めないように優しくこするようにしてください。その後は普通に洗濯機で洗濯します。
クレンジングオイルを使う
ファンデーションなどのメイク製品には油が入っていますから、クレンジングオイルには油分を乳化させて落とす働きがあります。
オイルを黄ばんでいるところにつけて優しく揉み込んで、その後は普通に洗濯をするだけ黄ばみが落とせます。
酵素入り洗剤を使う
洗剤はどのようなものを使っていますか?
皮脂は油ですから水洗いでは落とせません。リパーゼ(脂質分解酵素)入りの洗剤を使うと、皮脂による黄ばみを落としやすくします。
台所用洗剤を使う
部分洗いには台所用の中性洗剤、もしくは固形石鹸も使えます。食器の油汚れを落とすのですから、皮脂も落とせるというわけです。
黄ばんだところに洗剤をつけて、もみ洗いをするか、歯ブラシなどでこすってみてください。
煮洗いをする
煮洗いとは、大きな鍋で洗濯物をグツグツ煮ることです。黄ばみも臭いも取れる方法です。
- 6リットル以上入るお鍋を用意します。吹きこぼれないようにお湯は半分くらいまでにします。
- お湯が沸騰したら弱火にし、粉末の洗剤と漂白剤を入れて20分~1時間ほど煮ます。
- やけどをしないようにお湯を捨ててから、洗剤なしで普通に洗濯機で洗いましょう。
黄ばみがそれほど濃くない時は、漂白剤を入れて1時間ほどお湯につけ込むだけでも十分です。漂白剤は50度以上のお湯で使う方が効果が高いのです。
ただしこれは、木綿や麻など丈夫な生地にのみ使える方法です。化繊、シルクなどの素材には向いていません。
オシャレ着はクリーニングへ
シルクなどの繊細な生地は、自分で洗濯をするとしわになったり縮んだりして、2度と着られなくなってしまうことがあります。
専門店の染み抜きコースで洗ってもらった方が、生地を傷めず長く着ることが出来ます。
脇汗による黄ばみを予防する方法は?
汗を完全に押さえることは難しいので、黄ばみが出来ない工夫をしていきましょう。予防する方法をご紹介します。
制汗剤を変えてみる
もしも今使っている制汗剤が原因で黄ばみが出来ているとしたら、いったん今のものを中止してみて、もし黄ばみが薄くなるようならその制汗剤は使わないようにしましょう。
やめてみても変わらない場合は、制汗剤以外の原因があると考えられます。
ベビーパウダー
服を着る前に、黄ばみやすいところにベビーパウダーを薄くはたいておきましょう。
パウダーの素材はコーンスターチでできたものがおすすめです。油分や水分を吸収して黄ばみを防いでくれます。タルクでできたパウダーは吸着力は低いため、黄ばみ防止にはあまり向いていません。
防水スプレー
汗をはじいてくれるように、あらかじめ防水スプレーをしておくのもおすすめです。スプレーはフッ素系の撥水スプレーがいいでしょう。
シリコン系のスプレーは防水効果が強すぎるため、全く汗を通さなくなってしまうと衣服の中が蒸れてしまいます。かえって肌に良くないので、おすすめできません。
脇汗パッドを使う
汗そのものが使いないように、脇汗パッドで衣類を保護するのもひとつの方法です。
パッドには、下記のようなタイプがあります。
- 衣服につけるタイプ
- 身体に装着するタイプ(繰り返し使える布タイプ)
- 脇に貼付けるシートタイプ
黄ばみが目立たない服を選ぶ
どうしても黄ばみが気になる人は、黄ばみが目立たない服を着るのもおすすめです。
- ボーダーや花柄などの柄物
- フレンチスリーブなど脇そのものが目立たないデザイン
- サテンなどの光沢のある生地
- 汗をすぐに乾かす速乾性のある生地
このような服であれば、少々の黄ばみなら目立ちません。
汗を気にしないようにする
脇汗の量が多くて黄ばんでしまう人は、出来るだけ「汗」のことを忘れることが大事です。
人と会う時や人前で話す時など「汗をかいたらどうしよう」と思うほどに、精神的な発汗は増えてしまいます。そんな時は深呼吸をしてリラックスすることを心がけてみてください。
まとめ
脇汗の黄ばみが気になって、着たい服も着られなかったという人は、ぜひ今回ご紹介した方法で黄ばみを綺麗にしてみてください。
黄ばみがあまり濃くなってしまうと落としにくくなるので、汗を多くかいた日は、できれば黄ばみが出来る前にしっかり浸け置きしてみて下さい。
これで黄ばみも気にせず、お気に入りの服を着て楽しく過ごすことができるでしょう。