「赤ら顔」「赤鼻」ともいわれる酒さの症状に悩んでいる方の治療に、ヨーグルトの乳酸菌が役立つのではないかと注目されています。
乳酸菌の種類は何でもいいのか、ヨーグルトを食べるだけでいいのか、酒さとヨーグルトの関係についてまとめました。
酒さになる原因は?
酒さは1度発症すると何年も治療に時間がかかり、大変な思いをされている方も多い病気です。酒さとはどのような病気なのか、何が原因で発症するのでしょうか。
酒さの根本的な原因は、実はまだ分かっていないのです。発症するのは中年以降が多いといわれるものの、体質的な病気とされているため、若くても発症する可能性があります。
- ビロリ菌の感染
- 末梢血管の拡張
- 化粧品かぶれ
- 顔ダニ
- ストレス
- 免疫システムの異常
など、原因については色々な説があります。
軽症の場合は乾燥肌やニキビ肌などと混同しやすく、酒さを発症していることにも気づかないこともあるのです。
どの成分が酒さの原因になるのかは特定できていないものの、肌にあわない化粧品を使うことが酒さの原因の一つと考えられています。
肌が乾燥しているから、と保湿効果の高い化粧品を使ったらさらに乾燥したという経験はないでしょうか。その場合は、実は酒さが関係していた、ということが多いのです。
例えば紫外線を浴びたり、気温の寒暖差が激しい時など、外的な理由でも酒さの症状が出たり、悪化させることもあるのです。
特に高温と湿度は酒さに良くありません。お風呂の温度が高すぎたり、エアコンが効きすぎていて冬でも半袖でいられるような室温は酒さを悪化させます。
酒さの症状
まず、症状としては顔のほてりが出てきます。鼻を中心に、あごや頬、額などにも出ます。
酒さはその症状の程度によって3段階に分けられています。その程度によって治療法も違ってきます。
女性に多く見られる症状で、肌荒れなどと混同されやすいのが特徴です。顔の赤みが出て、数時間で消えることもあれば、数日続くこともあります。
赤みに加え、ヒリヒリとした痛みを感じることもあります。
酒さ性座瘡(ざそう)も女性に多い症状です。紅斑性酒さに加え、プツプツが出来たりするのでニキビ肌とも間違えやすいのが特徴です。
鼻瘤(びりゅう)は男性に多く見られます。顔全体というよりも鼻の周りにのみ症状が出ていることが多く、鼻が変形してしまうこともあります。
飲み薬を中心に治療を行う
抗生物質や漢方薬など、体質に合わせた飲み薬の内服で治療を行っていくのが基本です。塗り薬は症状によって使う場合と使わない場合があります。
飲み薬や塗り薬で改善しない場合にはレーザー治療を行うこともあります。
酒さに乳酸菌が良いと聞いたけどホントなの?
乳酸菌が酒さに良い、というのは本当です。乳酸菌が身体に良いことは良く知られていますが、中でも酒さに効果があると注目されている菌があるのです。
酒さにはフェカリス菌という乳酸菌が良いとされていますが、そのフェカリス菌から抽出した「乳酸菌抽出物LFK」という成分が注目を浴びています。
乳酸菌抽出物LFKとはフェカリス菌そのものではなく、フェカリス菌FK-23という乳酸菌を酵素分解して有効成分を取り出したものです。
このLFKは酒さの治療剤として特許も得ています。実際、LFKを飲んで、酒さの症状が軽減されたという報告もあります。
LFKは薬ではなく、元が乳酸菌ですから副作用もないということから、今後の酒さの改善に大きな期待が寄せられているのです。
酒さ対策としてヨーグルトを食べればいいって事なの?
酒さにはこのLFKという成分しか効かないのか、それともヨーグルトをとにかく食べれば良いのでしょうか。
フェカリス菌FK-23入りのヨーグルトを食べる
フェカリス菌FK-23はヨーグルトで摂ることが出来ます。この乳酸菌が入っていれば、ヨーグルトでも酒さの改善は可能だということです。
フェカリス菌FK-23は死菌ですが、腸内で善玉菌の餌となり、腸内環境を整えてくれるので、酒さの改善効果が期待できます。
他の乳酸菌であっても腸内環境を整えることには役立ちます。直接的に酒さの症状をすぐに軽減することは出来なくても、長期的に見た時に効果が期待できます。
酒さの原因として免疫システムの異常ということが一つあげられています。免疫システムを正常化し、抵抗力をつけていくには腸内環境を整えることがとても大切です。
それは、身体の免疫細胞の7割は腸に集まっているといわれているからです。ですから、お腹の中をキレイにして、腸が健康になることで免疫力を高めることが出来ます。
継続して食べて効果を見る
人がお腹の中に持っている乳酸菌は一人一人種類や量が違います。ですから、どんなヨーグルトであっても継続して食べてみないと効果があるかどうかが分からないのです。
どの種類の乳酸菌を摂るにしても、少なくとも1ヶ月は毎日続けてみてください。
ホットヨーグルトにして食べる
乳酸菌は少し温めることで、その働きが活性化されるといいます。胃腸を冷やさない効果もあります。
電子レンジか湯煎で、人肌程度にヨーグルトを温めて食べると効果が高まるでしょう。
サプリやゼリーも利用しよう
ただ、ヨーグルトを毎日続けるのは難しい、飽きてしまうという人もいると思います。その場合は、フェカリス菌FK-23やLFK入りのゼリーやサプリメントがあります。
それらも利用しながら、継続して乳酸菌を摂っていくと良いでしょう。
酒さの人が食べてはいけない食べ物・飲み物は?
酒さの人に気をつけて欲しい食べ物、飲み物についてまとめました。気をつけるポイントとしては、「急激に体温を上げないこと」です。
体温を上げる食べ物、飲み物を控えること
体温が上がることで血流が良くなり、それが酒さの症状を悪化させます。ダイエットや美容にはいいものでも、酒さには良くないものが多いので、注意が必要です。
体温を上げて、汗や皮脂を大量に出すため、辛いものは酒さに良くないのです。唐辛子やスパイス類は極力控えた方がいいでしょう。
- 茄子
- トマト
- ほうれん草
- バナナ
- アボカド
など、身体に良さそうな野菜や果物も、体質によってはアレルギーを起こす可能性があり、それが酒さにはあまりよくないと考えられているようです。
アルコールは体温を上げるので、酒さには良くないとされています。アメリカの国立酒さ協会は、特に赤ワインが良くないと警告しています。
では白ワインならいいのか、というとそうではないので気をつけてください。ビールでも何でも、アルコールは飲めば体温を上げてしまいます。
体温を急激に上げないようにするためには、ゆっくり飲むことと、間に水を飲むといいでしょう。
急激に体温が上がると血管が拡張して皮膚に刺激を与えるため、熱い飲み物は酒さにはあまり良くありません。
寒い時期には熱いものを飲みたくなりますが、常温にするか、飲んだ時に体温が上がらない程度に冷まして飲むことをおすすめします。
カフェインも酒さには良くないとされています。コーヒー、紅茶、緑茶などは避けた方が良さそうです。
- 麦茶
- ルイボスティー
- タンポポコーヒー
- ハーブティー
など、ノンカフェインのものを飲むようにしましょう。
まとめ
酒さはなぜ起きるのかがはっきりと分かっていないために防ぐことが難しい病気ですが、腸内環境を整えて体質改善をしていくことで快方に向かっている人も多いようです。
時間はかかりますが、決して治らない病気ではないので、皮膚科での治療も受けながら、再発しないようにヨーグルトを利用してお腹の中から体調を整えていきませんか。