食後の昼寝は太る?太らない?コレは注目!期待できる10の効果

食後の昼寝健康

食後に昼寝なんかしたら太るのでは?と心配ですが、食後に昼寝をすることは、脳にとっても体にとっても様々なメリットがあるのをご存知でしょうか。

ヨーロッパではお昼寝の習慣がありますし、スペインでは「シエスタ」といって午後は店じまいしてまで休養をとる習慣が根付いています。

そうです、昼寝をすることは体にとって必要なことなのです。正しい昼寝の方法で眠れば、太るどころか身体にいいことが一杯!

昼寝にはどのような効果があるのか、そしてどのように昼寝をすればいいのか、その正しい方法をご紹介しましょう。

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食後の昼寝は太る?太らない?

考える女性

ランチの後はどうにも眠くなりますよね。でも昔から「食べてすぐ寝ると牛になる」といいますし、夜寝る前に食べてはいけないともいわれます。

昼寝も太ってしまうのでは?と思いますよね。食後の昼寝は太るのか太らないのか、その理由も含めてご紹介します。

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食後の昼寝は太らない

ずばり結論からいうと、食後の昼寝では太りません。でも、食べて寝るを繰り返して実際に太った、という経験のある方もいますよね。それは「睡眠」をとっているからです。睡眠ではなく昼寝=仮眠であれば太らないのです。

食べた直後は少し横になって身体を休めた方が食べたものの消化が促進されるので、「食事誘発性熱(DIT)」が高まってエネルギー消費量が増えます。

食後は横になって消化に集中することでエネルギー効率が良くなり、逆に太りにくくなるという効果が期待できます。

食後の昼寝で太らないようにするコツ
昼寝で寝てもいいのは20分!それだけです。それ以上、1時間も2時間も寝てしまったらそれは立派な「睡眠」になり、太ります。昼寝の目的は脳のリフレッシュであって本格的に身体を休めることではありません。

なぜ睡眠になると太るのか、それは身体が休養してしまうと消費エネルギーも低下します。食べたもののエネルギーを使い切れずに中性脂肪に変わってしまいますから太りやすくなるのです。

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食後の昼寝で期待できる効果は?

それでは食後の昼寝によって得られる効果がどのくらいあるかを詳しく見てみましょう。これだけの健康効果があるなら、たった20分です、昼寝をした方が得だと思うでしょう。

眠気が改善される

伸びをする女性

人は午後2時頃が最も眠気が強くなる時間帯だということが研究によってわかっています。

そこで、昼食後に20分過眠をとった場合、その後の作業や眠気などに影響が出るのかという実験をした結果があるのですが、過眠をとると眠気などの不快感を軽減する効果のあることがわかりました。

仮眠をとった場合は仮眠をとらなかった場合に比べて午後の眠気の主観評価に優位な差が示された。

引用元:うつ伏せ姿勢による昼休みの短時間仮眠の効果について(若島恵介/辛島光彦)

昼休みにベッドで眠ることが出来る環境にある人も少ないと思いますが、デスクでうつ伏せで眠るだけでも、眠気の解消につながるということです。

リフレッシュ効果

15時前に20分ほどの仮眠をとることはリフレッシュできてよいと厚生労働省も推奨しています。

長い昼寝や夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすことが多いため、午後3時前の20~30分の短い昼寝でリフレッシュし、うまく午後の眠気をやりすごすことが推奨されます。

引用元:健康づくりのための睡眠指針検討報告会報告書

疲労回復効果

たった20分の仮眠でも通常の睡眠に比べて、回復力はなんと3倍だといわれています。デスクワークだとエネルギーを消費しない、疲れないと思われがちですがそんなことはありません!

脳のエネルギー消費量は、実に全身のエネルギー消費量のおよそ2割になるんです。頭を使うと見た目よりもかなり疲れるので、昼寝で脳を休ませて疲労を回復することは、午後の仕事や家事をスムースにこなすことにつながります。

寝不足の解消

元気な女性

疲労が睡眠不足からきている場合もありますね。昼寝をすることで睡眠不足の解消と疲労回復と、ダブルの効果が得られます。

睡眠不足は疲労だけでなく、ホルモンバランスの乱れ、免疫低下、肌荒れ、肥満など、女性にとって嬉しくないことばかり。寝不足で疲れたなと感じたら、昼寝で体力を回復しましょう。

ストレス解消

脳を使いすぎると疲れるだけでなく、その疲労自体が体にとってはストレスになります。そのストレスがたまったまま、疲れた状態で作業を続けることはさらにストレスを増幅させてしまい、脳にも身体にもよくありません。

ほんの少しの昼寝でリフレッシュした方がストレスを解消することにつながり、頭がスッキリします。

集中力アップ

眠気を覚ますだけならうつぶせ寝でも十分なのですが、少し横になることが出来れば作業効率もアップすることがわかっています。

記憶力にいたっては、アメリカでの実験で通常の5倍にもなるということがわかっています。

午後になると眠くて仕事でもミスしやすくなってしまう、どうにもやる気が起こらなくて集中できないという人こそ、昼寝が必要かもしれません。

ダイエット効果

体重計に乗る女性

集中力を高めたり、意欲を高めたり、またはいいライラした時にも分泌されるノルアドレナリン。怒りのホルモンと呼ばれることもあります。実はこれが脂肪燃焼に役立つホルモンなのです。

起きている間に分泌されるので長時間眠ると分泌が低下してしまいますが、昼寝によって脳を活性化させることで分泌量が増えて、脂肪を分解するための消化酵素「リパーゼ」を活性化させます。

それによって脂肪が分解され、遊離脂肪酸となって血中に流れ出すことによって脂肪を燃焼しやすくなります。つまり、昼寝によってノルアドレナリンの分泌量を増やせば、それだけで太りにくくなる効果が期待できる、というわけです。

美肌効果

疲れて眠くなってくると、眉間にしわが寄ったり、目の周りの筋肉が疲れてきませんか。筋肉が凝ってくると顔の血行も悪くなり、お肌がくすみがちに。

昼寝をすることで筋肉の緊張をほぐして血行が良くなることにより、肌のくすみが予防できます。

また、昼寝で成長ホルモンを分泌することで、肌の再生機能を活性化させ、午前中に浴びた紫外線のダメージから肌を回復させてくれます。

アルツハイマー病の予防

アルツハイマー病とは認知症の半数以上を占める病気の一つで、日本人にも多い病気です。治療法もまだ確立されていないため、どのように予防していくのかということがとても大切。

その認知症の改善に昼寝が有効なのではないかといわれていて、昼寝の習慣がアルツハイマー病の発症リスクを5分の1に下げるという報告もあるのです。

特に中高年以降は、昼寝の習慣をつけることで認知症予備軍にならずにすむかもしれません。

心臓病のリスクが減る

医療

日本人の死因でもトップ3に入る心臓病。昼寝でなぜ心臓病のリスクが減るのか、それは血圧が低下するためだと考えられています。

ロンドンで行われた心臓病の学会において、日中にうたた寝をする人の血圧は、しない人と比べると1日24時間を通して5%減少することがわかりました。それによって血管や心臓のダメージが減るので、心臓病のリスクを減らすことが出来るとされています。

食後の昼寝で何か悪影響やリスクはないの?

食後の昼寝はリフレッシュもダイエットも出来ていいことづくめな気がしますが、デメリットやリスクは無いのでしょうか。

逆流性食道炎のリスク

食後は食べたものを消化しようとして胃酸が出てきます。早食いの人は食べ物と一緒に空気も飲み込んでいるのでげっぷが出やすく胃酸が逆流しやすいですし、動物性脂肪を多くとっている人は胃酸が多く出ます。

そのような人が食後すぐに横になると胃酸が逆流して逆流性食道炎になる可能性があるので、胸やけしやすい人は、食べた直後に昼寝をしない方がよいでしょう。

また寝る時の姿勢も大事で、げっぷが出やすい人はうつ伏せにならず、上体を少し高くして寝る、身体の「左」を下にして寝ると胃酸が逆流しにくくなります。

消化不良・下痢のリスク

腹痛の女性

食べた直後に昼寝をすると、まだ食べたものが消化されていないうちに身体を休めてしまうので、消化活動がうまくいかずに胃腸に負担をかけます

そうすると消化不良による腹痛や下痢などが怒りやすくなる可能性があります。食後の昼寝がいいからといって寝てみたものの、気持ちが悪くなったり胃もたれがするという人は、消化不良を起こしている可能性があります。

胃腸の弱い人は食べた直後ではなく1〜2時間おいてからの方がよいでしょう。

隠れ糖尿病のリスク

昼寝をするから糖尿病になるというよりは、食後にどうにも眠くて仕方がないという人は糖尿病が隠れている可能性があるのです。

食後に血糖値が急上昇するとインスリンというホルモンを分泌して血糖値を下げようとしますが、インスリンの働きが悪い糖尿病の人は血糖値がなかなか元に戻りません。高血糖の状態が続くと眠気やだるさを感じます。

ただ、隠れ糖尿病の人は健康診断の時など何も食べていない状態だと血糖値が正常であることが多いため、なかなか発見されにくいのです。

しっかり眠っているはずなのに食事の後は眠くて眠くて、という人は1度病院できちんと検査をした方が良いかもしれません。

不眠症の人は注意

寝つきが悪い、何度も起きてしまってよく眠れないという睡眠障害の人には昼寝は向いていません。余計に夜眠れなくなってしまうからです。

疲れているのなら昼寝をするのではなく、どんなに眠れなかったとしても朝は一定の時間に起きる、日中適度に身体を動かして疲労する、などの対策をした方がよく眠れるようになります。

食後の効果的な昼寝のとり方は?

昼寝の効果を最大限に出すには正しい昼寝の方法を知っておく必要があります。寝る際のポイントを7つご紹介しましょう。

昼寝の前にカフェインを摂取

コーヒー

コーヒーや栄養ドリンクなどを飲んだ時のカフェインは、20~30分ほどで血中濃度がピークになります。

そこから効果が2時間ほど持続するので、昼寝の前に飲んでおくと、昼寝による効果とカフェインの覚醒効果で眠気も飛んで仕事や家事に集中できるということですね。昼寝からの目覚めも良くなります。

音や光を遮断

昼寝は時間が勝負です。短時間でぐっすり眠ってリフレッシュしたいので、眠りに集中できるように、アイマスク、耳栓などを用意して、音や光を遮断するとさらに良く眠れるでしょう。

音楽でリラックス

ヒーリングミュージックなどは逆に脳をリラックスさせるので、音楽が好きな人は眠りを誘う音楽をかけることでより良い昼寝が出来るかもしれません。

昼寝の体勢

昼寝をする女性

眠気をとるだけなら寝る場所はデスクでも十分です。デスクでうつぶせで寝る時は、デスクのへりが胸に当たると苦しくなるので、クッションなどを当てておくと楽に眠れます。小さな枕などがあると顔も痛くなくていいですね。キメの細かい布地のものが顔に跡が残らなくていいでしょう。

横になる時はうつ伏せはよくありません。基本的には身体の右側を下にして横になります。これは胃の形を考慮したもので、消化がスムーズに進むようにするためです。

ただし、食べたものが逆流しやすい人は左側を下にして寝ます。胃の形が「瀑状胃」といって入り口が出口よりも下にあるため、食べ物が流れにくいため、右を下にして寝ると逆流しやすくなるためです。

昼寝のタイミング

昼寝の目的、得体効果によっても寝るタイミングが変わってきます。

たとえばダイエットなど美容の面を考えるなら食事をした後、お昼休み中に寝る方がいいでしょう。ノルアドレナリンを分泌して、脂肪を燃焼しやすくなった状態で午後の活動に入れるので、太りにくい身体を作ることができます。

仕事の効率アップや疲労回復を考えると一番眠くなる時間帯の14時頃がいいですね。もちろん、会社で好きな時間に寝ることは出来ないでしょうが、出来る人は休む目的に合わせて昼寝のタイミングを変えてみて下さい。

昼寝は15時まで!

昼寝といえる時間は15時くらいまで、それ以降に寝てしまうと夜の睡眠に影響が出てしまいます。

20分程度の昼寝が最適

時計

最適な昼寝時間は15~20分程度だといわれていますから、それ以上寝てはいけません。睡眠にはリズムがあり、深い眠りのノンレム睡眠と朝居眠りのレム睡眠を繰り返しています。

最初に来るのはノンレム睡眠なのですが、これが30分くらいで最も深い眠りになるので、それ以上寝てしまうと起きるのが辛くなることと、本格的な「睡眠」になってしまうためです。

夜勤や交代制勤務の場合

看護師さんなど睡眠時間が不規則な人も20分で昼寝の効果が得られるのでしょうか。

夜勤で一晩中起きている人は、その夜勤の前、日中に1〜2時間程度の睡眠を取っておくと夜中の眠気が改善できます。その際は、寝る前にカフェインをとるのではなく、目覚めた後にとって目覚めを良くし覚醒作用が続くようにします。

食後の昼寝で眠気が取れない時の対処法は?

あくびをする女性

せっかく昼寝をしてみたけど、あまり眠気がとれない、スッキリしないという場合の対処法をご紹介します。

自分に合った昼寝時間をさがす

適した昼寝の時間は誰でも同じではありません。たとえば、赤ちゃんや小さい子供は2時間くらい寝ても夜もしっかり眠れますよね。それは脳や身体が必要としている休息時間が違うからです。

年代ごとの昼寝時間 [surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]
  • 40代までは15分〜20分
  • それ以降の年代は20〜30分
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年代によって眠りが深くなるまでの時間が少し違うことも理由の一つです。これ以上眠ってしまうと眠りが深くなり、逆に倦怠感を感じて昼寝をしたのに疲れた、ということになってしまいます。

タイマーをセットする

寝すぎると逆に疲れますから、うっかり寝すぎないように、目覚ましやタイマーをセットしておくのもいいでしょう。

起きたら日光を浴びる

日光

身体がリフレッシュできたところで、脳を覚醒させるために日光を浴びましょう。脳を覚醒させるためには、目から光の刺激を入れることが大切です。

脳の松果体(しょうかたい)というところで睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されますが、この量は視交叉上核(しこうさじょうかく)という体内時計を司る部位と深い関わりがあります。

日光を浴びると脳が「今は昼だ」という認識を持ってメラトニンを減らし、暗くなるとそろそろ寝る時間ですよとメラトニンを増やす、という仕組みになっているので、昼寝の後はしっかり光を浴びて、身体を起きている状態にすることが大切なのです。

まとめ

疲れている時に無理して作業を続けるよりも、ほんの少しの昼寝でリフレッシュした方が、疲れも取れて生産性も上がります。午後に眠くなるというのは体内時計がしっかり働いている証拠でもあり、ある意味健康であるという証です。

日本では会社で昼寝をするのはなかなか難しいと思いますが、せめてお昼休みが終わる直前にでも、少しデスクで脳を休めることが出来たら、午後の仕事もはかどるかもしれません。

家にいて昼寝をすることが出来るなら、横になって少し休んだ方がダイエットにもプラスになりますし、午後も楽しく家事が出来るでしょう。

寝すぎなければ太る心配はありませんので、安心してお昼寝を楽しんで下さい。疲れた時は休むのが一番です。