塩洗顔という洗顔方法をご存知ですか?何とも肌にしみそうな名前ですが、これがニキビや肌荒れによく、美肌効果が高いのだと人気なのです。
そういえば、塩分の入った温泉などは血行が良くなって身体も温まりますし、お肌もつるつる、きれいになりますよね。それを考えると塩洗顔も大丈夫かもしれない、と思いませんか?
洗顔は間違った方法で行うと逆に肌を傷めてしまいますから、まずは塩洗顔とはどういうものなのか、その基本から知って下さい。正しい塩洗顔の方法や頻度、またその効果などを詳しくご紹介します。
塩洗顔とは?
塩で顔を洗うなんて何だか肌が傷つきそうですが、肌の弱い人でもできる、いやむしろ肌の弱い人に向いている洗顔法なのです。
塩洗顔のメリット
なんといっても用意する材料が「塩」という身近な素材であること、思い立ったらすぐに始められるというところが塩洗顔の最大のメリットでしょう。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]敏感肌の人はなかなかあう化粧品が無くて困っているでしょう。でもそんな肌の弱い方でも出来るのが塩洗顔のメリット。
角質層がめくれてバリア機能低下した肌でも、その古くなった角質層を取り除き、基礎化粧品の浸透を良くすることで肌の保湿力を回復させるのです。ただし、回数ややり方に注意が必要なので、それは第4章で詳しく説明しますね。
アトピー性皮膚炎とは、肌のバリア機能が低下しているところにハウスダストやダニなどのアレルゲンが入り込むことによって免疫機能が過剰に反応して炎症を起こしてしまう病気です。
原因となるものは色々ありますが、その一つに肌の黄色ブドウ球菌があります。疲労やストレスで肌の常在菌のバランスが乱れると悪玉菌が増殖してアトピー肌を悪化させてしまいます。
塩には殺菌効果があり、これが肌の悪玉菌を退治することで肌の状態が改善されると考えられています。皮膚科でアトピー肌の人に海水浴を勧めるのも塩水の殺菌効果が肌に良い作用をもたらすからです。
正しい方法で塩洗顔をすれば、アトピー肌も改善できる可能性があるということですね。
塩洗顔のデメリット
では塩洗顔にデメリットはあるのでしょうか。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]体調や肌のコンディションによっては塩が刺激になってしまい、かゆみや赤みなどのトラブルが起きることもあります。
また敏感肌やアトピー肌の人は塩をしっかり溶かして粒が無い状態で洗顔しないと肌に刺激を与えてしまうので、やり方には注意が必要です。
塩洗顔で期待できる効果は?
塩洗顔が美肌を作るといわれていますが、具体的にはどのような効果があるのかをご紹介します。普段料理に使う身近な塩にこんな効果があったとは驚きです。
古い角質が落ちるピーリング効果
塩にはピーリング効果があるので、古い角質層を落とす働きがあります。角質層がはがれずにたまっていると肌がごわつくだけでなく、くすんできますよね。
塩洗顔でそのごわついた角質を落とすことによって健康な肌が上がってくるようになります。肌がつるつるになり、くすみも改善されるでしょう。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]乾燥肌って水分が足りない肌で、角質とかピーリングとは関係ないんじゃないの?と思われそうですが、角質層を整えることが乾燥肌の改善につながるのです。
角質層が厚くなって化粧水が浸透しづらくなると水分を保持する機能も低下してきます。そして角質層が乾燥してめくれたり傷ついていると肌の水分はどんどん蒸発してしまうので、一度古い角質層を落として、肌のキメを整えることが乾燥肌の改善にはとても大切なことなのです。
ですから、塩洗顔をして古い角質層を落としてから水分補給なり保湿なりをすることで、肌に水分が行き渡るようになるのです。
塩で顔を洗うと血行が良くなって肌のターンオーバー(新陳代謝)を促進する効果があります。また、古い角質が落ちることによっても肌のターンオーバーが正常化されます。
肌のターンオーバーとは、周期的に新しい肌に生まれ変わるサイクルのことですが、年齢とともに段々周期が伸びていくので、いつまでも肌の表面に古い角質が残って、シミやくすみなどの肌悩みの原因となるのです。
紫外線を浴びると肌をダメージから守ろうとしてメラニンが作られますが、これがシミの原因になります。
肌のターンオーバーが促進されるということは、紫外線によるメラニン色素の沈着を抑えてシミを予防できるということです。また、出来てしまったシミを徐々に薄くしていく作用も期待できます。
ニキビ跡には、赤ニキビなど色素沈着タイプと、炎症がひどくクレーターのようになってしまうタイプがありますが、どちらも改善にはターンオーバーを促進することが大切です。
色素沈着タイプは紫外線によるシミと同じ原理なので、古い角質をはがし新陳代謝を活発にすることで薄くしていくことができるでしょう。
クレータータイプは時間がかかりますが、定期的に塩洗顔を繰り返してターンオーバーを促進することで改善が期待できます。
毛穴の黒ずみの解消
毛穴に詰まった皮脂が酸化すると黒ずみの原因になりますが、見た目にもぶつぶつしていて美しくありませんし、ざらざらしてイヤですよね。
この酸化した皮脂と古い角質が混ざると「角栓(コメド)」になっていちご鼻の原因に。小鼻だけでなく頬や顎などにも出来ますからついつい手で押し出したくなります。でもそれは開き毛穴を作る元ですから、ここは塩洗顔できれいにしましょう。
古い角質はたんぱく質なので普通の洗顔では落ちにくいのです。でも塩がたんぱく質を分解し、皮脂をきれいに取り除くことによって毛穴もスッキリ!黒ずみも解消できます。
むくみをとって小顔効果
野菜に塩をかけてしばらくおくと、水分が出てきてしんなりしますよね。これと同じことで、お肌に使えば余分な水分や老廃物を排出することができるデトックス効果が期待できます。
年齢とともに何となくフェイスラインがぼやけてきて、メイクをしても今ひとつ引き締まっていない感じがする、という年齢肌の悩みは肌の引き締めが大事です!それには顔のむくみをスッキリさせること。塩洗顔で余分なものを排出すればフェイスラインもスッキリ!小顔になって目も大きく見えるんですよ。
水分を摂りすぎるとすぐ顔がむくんでしまうという方には、塩洗顔をぜひ試していただきたいです。
プルプル肌の生成
塩洗顔のピーリング効果によってたまっていた古い角質がはがされるということは、肌にとっては刺激の一つ。その刺激を受けた肌は急いで新しい細胞を作ろうとして、真皮層にある繊維芽細胞を活性化させます。
繊維芽細胞が元気になるとコラーゲンはもちろん、ヒアルロン酸やエラスチンなど肌の弾力を保つために大事な働きをする成分が作り出されるので、プルプルの肌を作ることが出来るのです。
血行促進
塩には身体を温める効果があります。顔にはたくさんの毛細血管が集まっていますが、冷え性の人はこの末端まで血液が行き渡らないので、顔色が悪く、青白く見えてしまいます。
塩洗顔をすることで顔の血行が良くなり、毛細血管の隅々まで血液が行き渡ることによって肌に栄養分も運ばれますし、顔色が良くなります。ほんのりピンク色の血色の良い肌色を目指すなら塩洗顔がおすすめです。
ニキビの予防
ニキビの原因のひとつは過剰な皮脂分泌です。適度な皮脂は肌にとって必要なものですが、出過ぎて毛穴を詰まらせてしまうと、そこで雑菌が繁殖してニキビが出来てしまいます。
ですから、ニキビの予防には皮脂を出しすぎず、適度に出すことが大事。塩には皮脂をコントロールして分泌を正常化する働きがあるので、ニキビ肌にの人にも塩洗顔はおすすめです。
ニキビと間違えやすい脂漏性皮膚炎とは脂漏性湿疹とも呼ばれ、頭皮や顔にできやすい湿疹です。赤ちゃんの頃に出来る湿疹は治りやすいのですが、成人してからかかると慢性化することが多い皮膚炎です。
皮脂が過剰に分泌されて毛穴に詰まってしまったところに、皮脂が大好物のマラセチア真菌というカビが増殖し炎症を起こしてしまいます。
塩の殺菌効果で退治できるのは「細菌」で、マラセチアは真菌=カビなので、塩洗顔だけで脂漏性皮膚炎を治すことは出来ないのですが、塩洗顔で皮脂のコントロールをすることによって予防することは可能です。
皮脂を分泌しやすい人は塩洗顔で肌を清潔に保つと同時に、皮脂の分泌を抑えて脂漏性皮膚炎を予防しましょう。
[/surfing_su_note_ex]塩洗顔の正しいやり方は?
それではさっそく塩洗顔の正しいやり方について説明します。簡単なので早速今日からやってみたくなるでしょう。
塩洗顔で準備するもの
塩洗顔に必要なのは「塩」。これだけです。粒の粗さも色々あるので、Tゾーンには普通の粒のもの、頬などやらかいところは細かい粒子のものなど、使い分けてもいいでしょう。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]では、塩洗顔にはどんな塩を使ってもいいのでしょうか?結論としてはどんな塩でもOKです。食卓塩と呼ばれるものは限りなく純度の高い塩化ナトリウムですから塩そのものの効果が得られます。
よく「ミネラル豊富な塩」という言い方をしますが、ナトリウムもミネラルですのでミネラルの入っていない塩なんてないのです。そういった意味ではどの塩もミネラルの塊です。
天然の塩は、塩化マグネシウム(にがり)、カルシウム、ナトリウムなどの塩化ナトリウム以外のミネラルも含んでいるので、肌への美容効果を高めたい人は天然塩を選ぶといいかもしれません。
ピンク色の岩塩の塊が「ミネラル豊富」で健康にいい、というイメージを持っている人も多いですが、岩塩はほぼ塩化ナトリウム、それ以外のミネラルはほとんど含まれていないのです。
あの色は、鉄分や砂、土など不純物の色で、それが身体にいいわけではありません。日本では岩塩は採れないので、100%輸入品。産出国においてどのような加工がされているのかも気になるところです。
ですから、主成分が塩化ナトリウムであるという点では食卓塩でも変わらないので、岩塩にこだわる必要はないでしょう。
塩洗顔の基本のやり方
塩洗顔には、塩をそのまま肌に塗るスクラブタイプのやり方と、お湯に塩を溶かして塗る塩水タイプの2つのやり方があります。
塩洗顔の前にメイクを落とす
塩洗顔は肌をきれいにするために行うものなので、メイクは必ず落としてから行いましょう。
塩洗顔の手順・塩スクラブ
塩をそのまま肌にのせてマッサージしていきます。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 顔全体を濡らします。
- スプーン1杯程度の塩を手の平にとり、ぬるま湯を少し加えてペースト状にします。
- それを顔全体にのばして、くるくると円を描くように優しくマッサージします。
- 最後はぬるま湯でよくすすぎましょう。
上手に塩洗顔するポイントは、とにかく優しく、力を入れないこと!ゴシゴシしなくても大丈夫なので、なでるようにしてマッサージして下さい。
- 普通肌
- 脂性肌
塩洗顔の手順・塩水
お肌の弱い方でも出来る塩洗顔の方法です。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 洗面器に38度のお湯を入れ、小さじ1杯の塩を加えてよく溶かします。
- そのお湯でを肌に浸透させるようにして顔を洗います。
- 最後は普通のお湯で塩水を洗い流します。
洗うというよりも洗面器一杯の化粧水を顔に塗っていくというようなイメージで浸透させていくといいでしょう。目に入ると痛いので気をつけてください。
- 普通肌
- 脂性肌
- ニキビ肌
- 敏感肌
- アトピー肌
塩洗顔のアレンジ法
基本の塩洗顔をマスターしたら、他の材料とも混ぜて様々なアレンジを楽しんでみましょう。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]オリーブオイル大さじ1+塩小さじ1でオイルマッサージはいかがでしょう。オレイン酸が豊富で美容効果も高いオリーブオイルに混ぜることにより,しっとりタイプのパックが出来ます。
- ガラス容器などにオリーブオイルを入れて塩を加えます。
- よく混ぜたら目の周りを、口の周りを避けて顔に伸ばし、マッサージします。
- 最後はぬるま湯でよく洗い流し、普通に洗顔をします。
オイルを使うことで保湿効果が高まります。優しく塗るだけなら乾燥肌の人も大丈夫でしょう。油ので安いTゾーンだけ行うのもおすすめです。
角栓が気になる人はヨーグルトと混ぜてみましょう。ヨーグルト大さじ1に塩小さじ1をまぜ、顔に伸ばして優しくマッサージします。ヨーグルトには軽いピーリング効果があり、塩とダブルの効果で角栓汚れを落とします。
ただし刺激も強くなるので、肌の弱い人や炎症の起きているニキビが出来ている人はやめておいた方が無難でしょう。
卵白には角質を落とす作用や保湿作用があり、塩と組み合わせることで保湿しながらお肌の透明感を取り戻すことが出来ます。
卵白1個分に塩を大さじ2~3くらい加えてよく混ぜて下さい。これで2~3回分の塩洗顔が出来ます。くるくるとなじませていると、卵白が皮脂と混ざり乳化してきます。洗い流す時は、熱いお湯で洗うと卵白が固まってしまうので、体温よりも低い温度のぬるま湯で洗いましょう。
塩洗顔専用の商品を使う
毎回塩をお湯に溶かしたり、何かに混ぜたりするのが面倒だという人は、塩洗顔用の洗顔フォームや石けんなども販売されています。そういったものを利用するのもひとつの方法です。
塩洗顔を行う際の注意点は?
塩洗顔のやり方はおわかりいただけたと思うので、トラブルを起こさないための注意ポイントについてもお話ししておきましょう。
必ずパッチテストを
塩洗顔がどんなに肌に良いからといって、いきなり顔を洗わないで下さい。もし夜に塩洗顔をして赤みやかゆみが出てしまった場合、自分では対処できない場合もあります。
実際に塩洗顔をする前に、塩水を腕の内側に塗って24時間放置します。それで肌トラブルが起きないかどうかを確認してから試してみて下さい。
毎日やってはいけない
塩洗顔を毎日やると、角質や皮脂を取りすぎてしまう危険性があり、肌への刺激が強すぎます。やるなら週1回程度の頻度にしておきましょう。
生理中はやめておく
週1回とはいっても、生理中は肌が敏感になっていたり、いつもとは違ったコンディションのこともあるので、やめておきましょう。
保湿ケアを忘れずに
塩洗顔をした後はお肌もつるつるになっているので、ついそのままでも大丈夫な気がしてしまいますが、塩洗顔をした後は余分な角質が落ちている状態なので、保湿がとても大切。ここでたっぷり水分&セラミドを補給をすることで、肌の潤いを取り戻せます。
肌トラブルが起きたら
塩を塗っている最中にヒリヒリしたり、痛みを感じた場合にはすぐにぬるま湯で塩を落としましょう。肌が敏感になっている時は、スクラブタイプではなく、塩水を塗るやり方の方がおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?毎日使っている塩でお肌がきれいになるなんて、コスパもいいしやり方も簡単ですぐにでもやってみたくなりますよね。
しかも週に1回でいいんですよ。それで古い角質がおちて肌のターンオーバーを促進できれば、くすみがちだった肌も生まれ変わるかもしれません。
スキンケアは未来の自分のためにするものです。10年後もきれいでいるために、週に1回のスペシャルケアをぜひ取り入れてみて下さい。