背中のケア、しっかりとしていますか?顔と違って普段は人から見られないし、自分でも見えない場所なので放ったらかしにしていませんか?
実は背中は顔と同じく、とっても乾燥しやすい場所です。乾燥するとかゆみやカサつきといった不快な症状も引き起こします。
かゆいからといってボリボリとかくだけでケアを怠っていると、シミやシワ、ニキビに繋がります。「背中の老化」を一早く解決するために、背中のケアを見直してみましょう。
背中が乾燥してかゆくなる原因は?
肌の潤いが何で決まるかというと、正常なバリア機能と皮脂腺からの適度な皮脂の分泌です。どちらのバランスが崩れても肌は潤いを失い乾燥しています。
特に背中は面積が広い割には皮脂腺が少なく、そもそも乾燥しやすい部位と言えます。肌の乾燥はかゆみを引き起こすので、乾燥しやすい背中は、同時にかゆくなりやすい場所となるのです。
肌は表面の角質層がキメ細かく整うことで、水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激から守ってくれています。
この機能全般をバリア機能と呼びますが、何らかの理由で角質層が傷つけられると、未熟な角質層が量産されて水分の蒸発が進み、外部からの刺激を直接受けることになります。そうなると、衣服の摩擦、花粉などのアレルゲンからの刺激を「かゆみ」として認識してしまうのです。
角質層を傷つける主な要因
では、肌のバリア機能低下を引き起こす角質層を傷つけてしまう代表的な要因をみていきましょう。
人間は不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と言って、目に見えないレベルで常に体から水蒸気を発して水分を体外に排出しています。不感蒸泄は呼吸をする際の呼気蒸発が20%程度で、残りはほぼ肌からの蒸発になります。
湿度60%を下回ると不感蒸泄が活発になり、肌からどんどんと水分が失われて乾燥し、角質層が傷ついていきます。
季節で言えば10月から60%を下回る日が出てきますが、夏場でもエアコンによって室内の湿度は危険信号を出しています。
特に冬場は湯船にしっかりと漬かって冷え性を防ぐ方が多いですが、熱いお湯に長時間漬かると皮脂が溶けて流れていきます。
人間の肌は皮脂が皮脂膜という膜を作って肌を守ってくれています。皮脂の流出で皮脂膜が薄くなると角質層が露出して傷つきやすくなります。
肌にとって一番良い温度は38℃~40℃。寒いと感じるときでも42℃以上のお湯はNGです。
肌を清潔に保とうと、洗浄力の強いボディソープを選び、ナイロンタオルでゴシゴシと体を洗う人がいますがNGです。キレイにするどころか、直接的に肌のキメを壊し、皮脂を奪っていきます。
本来は体も顔と同じように、たっぷりの泡で包み込むように優しく洗ってあげるのが理想的です。特に冬場は毎日ボディソープを使わなくても充分に汚れは落ちると言われています。
肌にボディソープやシャンプーやリンスが残ってしまっていると、肌の正常な機能が働きません。洗浄剤には水と油を馴染ませる界面活性剤が含まれていることが多く、肌に付着したままだと水分と油分を奪っていきます。
また、泡が吸着した汚れがそのまま肌に留まり、毛穴を詰まらせてしまうとも言われています。
舞妓さんは100すすいで美肌を保つ真っ白なおしろいを厚塗りして肌にダメージを与えている舞妓さんは、洗顔後に顔を100回すすぐことで美肌を保つと言われています。一つの例ではありますが、いかにすすぎが大切かが分かりますね。
肌は毎日古い角質層を排出し、新しい角質層で満たすターンオーバーを繰り返しています。ターンオーバーは睡眠中が特に活発で、深い眠りの最中に分泌される成長ホルモンによってターンオーバーが促されています。
睡眠不足が続くと正常なターンオーバーがされず、肌のキメが乱れてしまいます。
背中の乾燥を改善させる為の対策法は?
背中の乾燥を改善させる為には、乾燥の原因に繋がる生活習慣を改善することが最優先です。
熱過ぎるお湯に入らない、睡眠時間を充分に確保する…。その上で、保湿を取り入れてあげましょう。
背中の保湿は顔と違って状態が見えないので難しいですが、乾燥には保湿が一番です。特別なことは必要ないので、毎日の入浴を見直してあげてください。
入浴剤の使用
湯船に漬かるとどうしても皮脂が流れてしまいます。皮脂の流出を防ぎ、失った水分や油分を補ってくれる保湿成分が配合された入浴剤がおすすめ。
- 弱アルカリ性
- セラミド配合
- 天然オイル系
- 香料、着色料、保存料無添加
- 界面活性剤不使用
自然な原料のみを使った入浴剤が肌に優しいので、成分をよく確認してください。硫黄系の入浴剤は肌の乾燥に繋がる場合があるので避けましょう。
入浴の最後にシャワーで体を洗い流さないでください。保湿成分は入浴後にも効果を発揮してくれますので、湯船に漬かったらそのまま出るようにしてください。
入浴後の保湿剤の使用
保湿成分入りの入浴剤で乾燥が改善されない場合は、入浴後に背中のスキンケアをしてあげてください。
一番良い方法は、フェイスケアと同じく化粧水→乳液を塗ってあげることです。毎回フェイスケアと同じケアが難しい場合は下記のケアも有効です。
- 保湿クリーム
- 保湿ローション
- 保湿スプレー
- 天然オイル(ココナッツオイル、アルガンオイル、マルラオイル等)
- ワセリン
ワセリンは天然オイルよりも酸化しにくいとして、昨今見直されています。ただし、オイル系は肌に合う、合わないがあるので、少量から試すようにしましょう。
保湿ケアは入浴後5分以内に
入浴後の人間の体はどんどん蒸発をしていきます。せっかく保湿をするのですから効果を最大限に発揮できる、入浴後5分以内のケアを心がけてください。
乾燥してしまってからでは肌に成分が浸透しにくくなります。背中も顔も、できる限り早目のケアで潤いを保ちましょう。
保湿剤はたっぷりと使う
塗り過ぎるとベタつくからと、少量の使用では保湿効果が発揮されません。乾燥した肌は表面が凸凹としているので、たっぷりの保湿剤で表面を覆ってあげることが必要です。
- クリーム:人差し指の先から第一関節まで×5~7回
- ローション:一円玉大×5~7個
乾燥の程度と塗る範囲によって調整しますが、少し多いと感じるぐらいがベストです。
季節や時間によって使い分ける
季節や時間帯によって肌の調子が変わる人は、保湿剤を使い分ける方法もおすすめです。ベタつく夏場は水分の多いローションを使用し、乾燥が気になる冬場は油分の多いクリームを使用するなど。
また、入浴後のケアだけでは乾燥が改善されない場合は、朝にローション、入浴後にクリームと朝晩の使い分けも効果大です。
背中に保湿クリームが届かない時は?
保湿が大切なのは分かっているけど、手が届かない!これが背中の保湿ケアの一番の問題かも知れません。
一人でもしっかりと背中の保湿ケアが可能な方法をご紹介します。
保湿クリームを背中に塗る方法
まずはクリームタイプの保湿剤を塗る方法から。
グッズを使用
背中にクリームを塗るための様々なグッズが販売されています。有名どころはユースキンの「セヌール」です。
まごの手の仕組みを利用して、背中にクリームを塗ります。クリームを添付するスポンジ部分を洗って何度も使用できるので、衛生面も安心で経済的です。
出典:amazon.co.jp
手の甲を使う
グッズを使わずにクリームを塗る方法として、手の甲にクリームをつけて背中に伸ばすというものがあります。背中に手が回ることが条件となりますが、指や手の平を使うよりも広範囲に塗ることができます。
サランラップに塗って背中を擦りつける
かなり大胆な方法です。
- 背中のサイズより少し大きめにラップを切って床に広げる
- ラップに万遍なくクリームを塗る
- クリームが背中につくように寝転ぶ
手間がかかりますが、グッズが手元になく、背中に手が回らない人の応急手段として使える方法です。
化粧水はスプレーで
クリームではなく化粧水を背中に使いたい場合は、スプレーボトルに詰め替えての使用が有効です。逆さにしても使えるタイプのものを選べば、一人でも背中にスプレーができます。
まとめ
背中がいかに乾燥しやすく、ケアが必要な場所かがお分かりいただけたかと思います。人から見えない場所のケアがしっかりとできていると、いざというときに羨望の眼差しを向けられます。
ウェディングドレスを着るときに、普段はしない背中のケアを念入りにされることからも分かるように、女性にとって背中は重要な美のアイテムです。
乾燥とかゆみから背中から守り、顔と同じように毎日ケアをして、輝く背中を手に入れてください。