プラズマローゲンが認知症に効果あるって本当?摂取方法や副作用は?

脳健康

テレビで紹介されたこともあり、認知症予防に効果があるのでは?と期待されているプラズマローゲン。

実際、どのような効果が期待できるのでしょうか。

プラズマローゲンの効果から摂取方法まで詳しくご紹介します。

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プラズマローゲンとは?

プラズマローゲンという名はまだあまり聞き慣れないと思いますが、どのような成分なのでしょうか。

リン脂質の一種

私たちの細胞膜にはリン脂質という成分があり、プラズマローゲンはそのリン脂質の一種です。

リン脂質には水と油をなじませる性質があり、体内で脂肪が血液中を移動する時にたんぱく質と結びつける役割があります。

プラズマローゲンはリン脂質のおよそ18%を占めており、特に脳神経細胞、心筋、白血球、骨格筋など身体の重要な組織に多く含まれています

2009年、大量抽出に成功

プラズマローゲンに関する研究は各国で20世紀末から行われています。

日本では脳疲労研究の第一人者である九州大学の藤野名誉教授と馬渡教授の研究によって、高純度のプラズマローゲンを大量抽出・製造することに世界で初めて成功しました。

臨床試験によって次々効果が明らかに

動物実験を経て、すでにアルツハイマー型認知症患者の方を対象に数々の臨床実験が行われており、認知症の改善もしくは予防に効果があるということが証明されています。

プラズマローゲンに期待できる効果は?

脳

プラズマローゲンは認知症を始めとした脳の機能低下に効果があるとされています。

アルツハイマー型認知症の改善と予防

認知症にはいくつか種類がありますが、プラズマローゲンはアルツハイマー型認知症に効果があるのでは?と期待されています。

脳細胞を酸化から守る

プラズマローゲンの一番の効果が「抗酸化作用」です。

私たちの身体の細胞が傷つき、老化してしまう原因の一つに「酸化」があります。脳に活性酸素が増えて細胞が酸化すると、脳細胞が傷ついたり、炎症が起きることが原因で認知症が起こると考えられています。

実際、アルツハイマー型の認知症患者の脳内ではプラズマローゲンが減少していることが分かっています。

というのも、プラズマローゲンには抗酸化作用がありますから、活性酸素が多い人ほどプラズマローゲンを沢山消費するため、その量が減ってしまうのです。

プラズマローゲンは脳細胞を酸化から守り、認知症を改善もしくは進行をくい止めることができるとされています。もちろん、予防にも役立ちます。

脳神経細胞をストレスから守る

あれこれと考え事をしたり、不安を抱えていると頭も疲れます。脳はとても疲れやすい部位で、ストレスがたまりやすいのですが、プラズマローゲンはストレスに弱い脳神経細胞を守る働きがあることが分かっています。

ストレスが多い人ほどプラズマローゲンが多く消費されることが分かっているので、ストレスを溜めがちな人は、将来の認知症を予防するためにもプラズマローゲンが役に立つかもしれません。

アミロイドβの蓄積を抑える

アミロイドβとはたんぱく質の一種で、脳の神経細胞の老廃物です。これが蓄積することにより、脳神経細胞を傷つけてしまい、それが認知症の原因になると考えられています。

プラズマローゲンはこのアミロイドβを分解し、蓄積されるのを抑えることから脳神経細胞を守るとされています。

神経細胞の新生と機能の向上

九州大学とレオロジー機能食品研究所の研究によると、プラズマローゲンは海馬の神経細胞を新生するといういことが分かっています。

プラズマローゲンが増えることで、神経細胞同士の新たなネットワークが作られる可能性が期待されているのです。

炎症を抑えつつ、神経細胞を新たに作ることができれば、認知症をくい止めるだけでなく大幅に改善することもできるかもしれません。現在は臨床実験も行われており、認知症の改善例も見られています。

空間認知能力低下の防止

東北大学の宮澤教授の研究によるとホヤ由来のプラズマローゲンが空間認知能力の低下を抑えられるということが分かったそうです。

これはホヤ由来のプラズマローゲンがアミロイドβの蓄積を抑制しているためと考えられています。

参考:ホヤ由来プラズマローゲンによる認知症予防の試み

炎症物質を抑える効果

認知症患者の脳では常に細胞が傷つき、炎症を起こしている状態です。

その時、ミクログリアという細胞が働いて炎症を抑えようとするのですが、ミクログリアが働くほどに活性酸素が発生し、炎症を悪化させるという悪循環になっています。

そこでプラズマローゲンはそもそもの炎症を抑え、ミクログリアが過剰に働くことを抑え、それが活性酸素の発生も抑えてくれるのです。

うつ病や統合失調症にも

活性酸素の増加による脳の炎症や機能低下は、認知症を引き起こすだけではありません。

脳の疲労が神経伝達物質の分泌にも影響を及ぼし、うつ病や統合失調症の原因になるとも考えられています。

プラズマローゲンを補給することで神経伝達物質の働きを正常化させ、これらの精神疾患も改善、予防できるのでは?と期待されています。

プラズマローゲンの摂取方法は?

プラズマローゲンは何から摂取することが出来るのか、効果的な摂取方法などはあるのでしょうか。

プラズマローゲンが摂れる食べ物

ホタテとさんま

プラズマローゲンは動物の体内に含まれているものなので、動物性食品から摂ることが出来るのですが、比較的多く含まれるものは以下の食品です。

貝類

ホタテ、ホヤ、牡蠣など

肉類

鶏胸肉、牛の心臓、豚の脳など

さんま、鰯、タラなど

青魚は脳に良いというDHA、EPAも同時に摂ることが出来ます。

パスタ、丼物など炭水化物中心の食事やジャンクフードばかり食べていると、少ないながらも食事から摂れるはずのプラズマローゲンすら摂れなくなってしまうということです。

物忘れが多くて心配な人はもちろん、将来のためにも日頃からバランスの良い食事を心がけることが認知症を予防します。

プラズマローゲンは熱に弱い

ただし、プラズマローゲンは熱に弱く、加熱するとその構造が壊れてしまうという弱点があります。

ですから、食事から摂るとなると生食がおすすめなので、おのずと食べられる食材が限られてしまいます。

プラズマローゲンが配合されているサプリメント

サプリメント

日本は新薬の開発に膨大な時間とお金のかかる国です。ですから、現在はサプリメントとして実用化されています。

また、食事では1日の必要量はとても摂れないので、効率的に摂取するならサプリメントを利用するのがいいでしょう。カプセルタイプ、ゼリータイプ、ドリンクタイプなどがあります。

粒状のものが飲みにくい人は、ゼリーやドリンクタイプを選ぶと毎日続けやすいのではないでしょうか。

摂取のタイミング

プラズマローゲンのサプリメントは薬ではありませんので、基本的にはいつ飲んでも大丈夫なものです。

ただ、大事なのは継続することなので、朝起きたら飲む、食後に飲むなどタイミングを決めておいた方がいいでしょう。

購入はインターネット通販

プラズマローゲンのサプリメントは他の健康食品と比べるとやや価格が高いためか、ドラッグストアなどで見かけることはほぼありません。インターネット通販が主流です。

サプリメントを選ぶ時には、下記のポイントを考慮して選びましょう。

  • プラズマローゲンがどのくらい摂れるか
  • プラズマローゲン以外にどのような成分が含まれているか
  • 続けられる価格であるか

プラズマローゲンの摂取量

認知症の改善や予防に効果があるとされている摂取量は1日当たり1000μgといわれています。

食事だけからこの量を摂るのはほぼ無理なので、やはりサプリメントを利用していくしかなさそうです。

プラズマローゲンに副作用の心配はないの?

注意

特効薬のない認知症に効果があるということは、それほど強い成分なのか、副作用などはないのでしょうか。

プラズマローゲンのサプリメントは人工的に合成したものではなく、食物から抽出したもので作られているので、基本的に副作用の心配はありません。

アレルギーには注意

現在流通しているサプリメントは、ホタテやホヤ、鶏ムネ肉などから抽出されたプラズマローゲンが配合されています。

もしこれらの食品にアレルギーを持っている場合には何らかの副作用的な症状が出る可能性はあります。

アレルギー体質の方はサプリメントを購入する前に何から抽出したプラズマローゲンなのかを確認してください。

まとめ

将来は高齢者の5人に1人が認知症になるといわれています。ところが認知症の特効薬はありません。

認知症は進行性の病気ですから、1度発症すると完治することは難しいのが現在の状況です。

その中で、少しでも改善が見込まれる、もしくは進行をくい止められる可能性があるプラズマローゲンは、これから来る超高齢社会に希望を与えてくれるのではないでしょうか。