様々な健康効果が期待できるパラミロン。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、健康食品としてだけでなく、医薬品への応用も期待されている貴重な成分なのです。
パラミロンにどれだけの効果が期待できるのか、そしてどのように摂取すれば良いのかなど、詳しくご紹介します。
パラミロンとは?
パラミロンとはどのような成分なのか、その特徴をまとめました。
ミドリムシに含まれる独自成分
ミドリムシ、別名ユーグレナという藻類の一種に含まれている独自成分で、この地球上ではミドリムシにしか含まれていないのです。
ミドリムシは「ムシ」とついていますが虫ではなくワカメや昆布の仲間なのですが、淡水で生きています。5億年も前から地球上に存在し、59種類もの栄養素を含んでいるとして注目を浴びているのですが、パラミロンはその栄養素の一つです。
パラミロンはβグルカンの一種です。βグルカンという成分は高分子結合の多糖類で、アガリクスなどキノコ類に多く見られます。水溶性食物繊維の仲間でもあります。
ただし水溶性食物繊維とはいっても、パラミロンは赤血球のような塊であり、「繊維」ではありません。
繊維ではないならどのようなものなのかというと、無数の穴(ミクロホール)が開いた炭のような構造をしています。冷蔵庫などに入れる炭の脱臭剤を想像してみて下さい。
塊の表面に無数の穴が開いており、そこから身体に不要なものを吸着していくのです。
パラミロンは水溶性でありながら難消化性という性質があり、小腸で吸収されずにそのまま体外に排出されるという特徴があります。
ミドリムシ以外からも摂取が可能に!
ミドリムシからパラミロンを取り出し、改良を加えてさらに機能を高めたものはアモルファスパラミロンと呼ばれています。
単体で取り出せたことにより、食品や薬品にも配合することが可能になりました。このことによって、ミドリムシ以外からもパラミロンを摂取することが出来るようになったのです。
アモルファスパラミロンを配合することで、健康食品としての効果がさらに高まると期待されています。
パラミロンに期待できる効果は?
ミドリムシにしか含まれていないというパラミロンにはどのような効果が期待できるのでしょうか。その健康&美容効果についてまとめました。
1.便秘の解消
パラミロンは腸の中でも消化されませんから、腸の中の老廃物を吸収しながら便と一緒に排出してくれるので、整腸作用に非常に優れています。
分なものが排出されることで腸内環境が整い、善玉菌の活動が活発になることで便秘を解消し、予防もしてくれるのです。
2.乳酸菌を活発にさせる
パラミロンには腸の中の乳酸菌を活発にさせる働きもあり、それが腸内環境を整えることにも役立ちます。
乳酸菌の餌となり、腸内環境を整えるといわれているオリゴ糖よりもその効果が高いといわれており、乳酸菌とパラミロンを一緒に摂取することでその効果がより高まります。
3.ダイエット効果
パラミロンは吸油作用に優れ、余分なコレステロールを吸収して排出してくれる働きがあります。また、中性脂肪を低下させる働きもあります。
スポンジの様に余分な油を吸着してそのまま体外に出ていくので、ダイエットはもちろん、動脈硬化や高脂血症、メタボリックシンドロームなど生活習慣病の予防にもつながります。
4.デトックス効果
パラミロンには重金属や有害物質などを排出するデトックス作用も優れており、身体にたまった有害なものを体外に排出します。
5.免疫機能アップ
体にとって不要なものを排出する働きが免疫力の向上にもつながります。腸には全身の免疫細胞のおよそ7割が集まっているといわれていますから、免疫力を上げたければ腸内環境を整えることがとても大切です。
また、有害な細菌などが入ってきても、強力なデトックス効果で体外に排出するので、風邪やインフルエンザなどの病気を寄せつけいない身体を作ることが出来るのです。
6.ガン予防にも
強力なデトックス効果と免疫機能を向上させる効果は、ガン細胞の増殖を抑えることにもつながるようです。
2013年に学会に発表された研究結果によると、パラミロンを摂取することで大腸がんの発生抑制効果が認められたということです。
7.胃潰瘍の緩和
パラミロンは胃潰瘍の抑制効果があることも分かっています。
大阪府立大学の研究によると、胃酸によって胃の粘膜が傷ついたラットにパラミロンを与えたところ、胃潰瘍の形成範囲が抑制されたことが確認されました。
8.肝機能の向上
有害な物質を排出し、体内の解毒を進めることによって肝臓の負担を減らしてその機能を高めることができます。
パラミロンは肝臓のダメージを減少させることにも役立つのです。お酒が好きな人や暴飲暴食をしがちな人にはとてもおすすめなのです。
9.アレルギー症状の緩和
パラミロンは身体の免疫バランスを整えることからアレルギー症状の緩和にも役立ちます。
IgEとは即時型アレルギーと関わりの深い免疫グロブリンです。血中のIgE値が高いほどアレルギーが強いとされるのですが、パラミロンにはこの血清総IgEを下げるという働きがあります。
パラミロンの摂取によって、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなどを抑制する効果が期待できるのです。
10.プリン体を排出
プリン体は魚卵や肉、野菜、ビールなど色々なものに含まれていて、摂りすぎると痛風の原因になるといわれている物質ですが、パラミロンはこのプリン体を吸収して排出してくれる働きがあります。
プリン体を摂りすぎると痛風だけでなく高尿酸血症などのリスクも高まりますから、お酒が好きな人はパラミロンも同時に摂取すると病気の予防になるでしょう。
11.糖尿病の予防
パラミロンは水溶性食物繊維のように、腸の中で消化されずに進んでいくので、余分な脂質や糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を防ぎます。これが糖尿病の予防に役立つとされています。
実際、ユーグレナ社のラットを使った実験によると、パラミロン粉末入りの餌を与えたところ、血糖値の上昇を抑えることが出来たということです。
12.美肌効果
腸内環境を整え、余計なものを排出する働きは、美肌を作る効果も期待できます。
便秘などで老廃物、有害物質が腸にたまっていると、毒素が腸壁を通して血管に入ります。それが巡り巡って最後は皮膚から出てくるので、腸の中が汚れていると肌も荒れるのです。
パラミロンでお腹の中をキレイにすることで、ニキビや吹き出物、肌荒れを予防して美肌を作ることができます。また、お腹の中がキレイになると栄養の吸収も良くなるので、肌の新陳代謝も良くなります。
パラミロンには副作用のような心配はないの?
素晴らしい健康効果ばかりに見えるパラミロンですが、副作用や過剰摂取による心配などはないのでしょうか。
副作用や毒性はない
今のところ、パラミロンを摂取したことによる副作用などは報告されていません。安心して摂取できる健康食品であるといえるでしょう。
体質に合わないことはある
ただし、どれほど効果が期待できる健康食品でも万人に合うものはありません。自分の体質に合わない場合はあります。摂取してみて何か体調不良のようなことを感じたら、いったん服用を中止しましょう。
お腹がゆるくなることも
例えばパラミロンの整腸作用は、便秘がちな人には嬉しい効果でも、それほど便秘でない人やお腹がゆるめな人が過剰に摂取すれば、逆に下痢などを起こす可能性もあります。
パラミロンを摂取する時は、メーカーの推奨している摂取目安量を守って、体調を見ながら続けることが大切です。
おならが出る
腸の環境を整えていく過程で、余分な毒素が排出されますから、いつもよりおならが増えることがあります。
副作用というよりも良い効果の現れなのですが、たまっていたものが一度に出てくると、一時的におならの臭いがいつもよりきつくなるかもしれません。
パラミロンの摂取方法は?
パラミロンはどのようにして摂ることが出来るのでしょうか。サプリメントが主流ですが、それ以外にも摂取する方法があります。
ミドリムシのサプリメント
パラミロンはミドリムシに含まれている成分ですから、ミドリムシのサプリメントを摂ることで摂取できます。
錠剤、カプセル、粉末などのタイプがあるので、続けやすいものを選んでください。
粉末タイプだと、料理に加えたり、ジュースやヨーグルトに混ぜたりと、アレンジが色々出来るというメリットもあります。
ミドリムシのサプリメントはその栄養価の高さから、わりとお値段も高めのサプリメントです。ドラッグストアなどには置いていないことが多く、インターネット通販での購入が主流です。
ミドリムシの推奨摂取量は1日当たり小さじ1/4(500mg程度)と言われています。サプリメントを選ぶ時はミドリムシの配合量を比較して多いものを選べば、自然とパラミロンの摂取量も多くなります。
ただし、たくさん摂れば健康になるというものではありませんので、メーカーの推奨する目安量を超えて摂取することは控えましょう。
また、パラミロンは薬ではなくあくまでも健康食品ですから、飲むタイミングについてはいつ摂取しても良いとされています。
ミドリムシ入りの食品
パラミロンを摂る方法としては、ミドリムシが配合された食品を摂るのもおすすめです。クッキーバーや味噌汁、のど飴などが販売されています。
ちなみにこの商品は、1本にユーグレナが500mg配合されており、1本あたり91kcalと低カロリーなのでおやつとしても最適です。
化粧品
まだまだメジャーにはなっていないものの、ミドリムシが配合された化粧品もユーグレナ社から発売されています。パラミロンなどの栄養素を肌から取り入れたい人におすすめです。
まとめ
パラミロンはまさにこれからの健康が気になる中高年のためにある成分といっても過言ではないでしょう。
これだけの健康効果がありながら、美容効果も期待できる成分です。ただし、パラミロンさえ摂れば何を食べても大丈夫、というわけではありません。
日頃の食生活に気をつけた上で、より健康を高めるためにパラミロンを上手に取り入れてください。