敏感肌や乾燥肌の方の間で、界面活性剤や保存料が一切含まれない“オリーブオイル”でのクレンジングが注目されています。
肌に優しいメイク落としというと、クレンジングミルクやクレンジングクリームなど、洗浄力の優しいクレンジング剤が人気ですが、オリーブオイルは天然の植物性オイルでありながら、油性のメイクをきちんと落とすことができ、低刺激のためクレンジング中に肌に負担をかけないという点が魅力です。
しかし、クレンジングの方法には少々コツが必要だったり、肌質によっては使用が向かない場合もあります。
今回は、そんなオリーブオイルクレンジングのメリットやデメリット、オリーブオイルの選び方、オリーブオイルクレンジングの方法、クレンジング以外のオリーブオイルを使用したケア方法などを詳しくご紹介します。
オリーブオイルクレンジングって効果あるの?
ここでは、オリーブオイルを使用したクレンジングのメリット・デメリット、オリーブオイルクレンジングにおすすめの肌質などをご紹介します。
メリット
デメリット
オリーブオイルクレンジングの向き不向き
- 敏感肌
- 乾燥肌
- インナードライ肌
- ニキビ肌
- 脂性肌
オリーブオイルの主原料であるオレイン酸は、人の皮脂にも含まれる脂肪酸のひとつで、乾燥肌の場合は皮脂中の含有量が少なく、脂性肌の場合は含有量が多いという特徴があります。
乾燥肌の場合は足りないオレイン酸を補うことでオイルバランスや保湿力の改善が期待できますが、脂性肌の場合は過剰なオレイン酸がかえってターンオーバー周期を早まらせてしまい、毛穴の開き、皮脂の詰まりなどの肌荒れの悪化に繋がる可能性があります。
また、ニキビの原因菌とされるアクネ菌はオレイン酸を好むため、ニキビがちな肌ではアクネ菌が増殖してしまい、ニキビが悪化してしまうとも言われています。ニキビ肌や脂性肌の方は、通常のクレンジング剤や、オレイン酸の含有量が少ないオイルでのクレンジングがおすすめです。
[surfing_su_box_ex title=”ニキビ肌・脂性肌におすすめのオイル” box_color=”#177fde”]人の皮脂にも含まれる“ワックスエステル”という脂肪酸が主成分のオイルです。オレイン酸の含有量が少ないため、ニキビの出来やすい脂性肌の方にもおすすめです。
肌なじみもよく、オールスキン対応のオイルですので、敏感肌や乾燥肌、インナードライ肌の方もお使いいただけます。オリーブオイルが合わなかった場合の代用オイルとしてもおすすめです。
インドセンダン(ニーム)というインド原産の木の種子から作られるオイルです。殺菌効果や、抗炎症作用があるため、ニキビの緩和が期待できます。
テクスチャが非常に重く、独特の強い香りがあるため、お好みで、ホホバオイルに少量をブレンドして使用するとよいでしょう。日本ではまだあまり馴染みのないオイルですが、手作り化粧品原料を扱うショップなどで購入できます。
オリーブオイルクレンジングは食用でもいいの?おすすめは?
ここではオリーブオイルクレンジングに使用するオリーブオイルの選び方をご紹介します。
おすすめは化粧品グレードのオリーブオイル
肌に使用するものですので、精製度の高い化粧品グレード(美容用)のオリーブオイルがよいでしょう。
未精製のものに比べると栄養素は劣りますが、不純物が濾されているため刺激が少なく、肌あたりがよいのが特徴です。マッサージをしながら使用するクレンジングにも最適です。
食用のオリーブオイルを使う場合
やむを得ず食用のオリーブオイルを使用する場合は、品質の良いエクストラヴァージンオイルを選びましょう。精製度が低いオイル肌に刺激を感じる場合がありますので、必ず使用前にパッチテストを行いましょう。
[surfing_su_box_ex title=”パッチテストの方法” box_color=”#db8200″]絆創膏のパッド(中央の不織布の部分)にオイルを含ませ、二の腕の内側に貼り付けます。絆創膏を濡らさないよう注意しながら24~48時間経過を見て、肌に異常が出ないか判断します。
二の腕だけのテストでは不安な場合には、顎の裏など、フェイスラインに近い部分に直接少量のオイルを塗り、24時間経過を観察するとよいでしょう。パッチテストの最中にかゆみや炎症などが起きた場合は、何らかの成分に反応しているので使用を中止してください。
パッチテストは入浴後の清潔な肌で行ってください。成分が混ざって変質する恐れがあるため、パッチテストを行う部分にはオリーブオイル以外のもの(保湿剤など)は塗らないようにしましょう。
パッチテストでかゆみやかぶれが出なかった場合でも、クレンジングやスキンケアに使用した際に肌に異常を感じた場合は、使用を中止してください。
[/surfing_su_box_ex]オリーブオイルクレンジングのやり方は?
ここでは、オリーブオイルクレンジングの方法、ポイントメイクの落とし方などを詳しくご紹介します。
- オリーブオイル
- フェイスタオル
- キッチンペーパー、ティッシュ、コットンのいずれか
1.蒸しタオルを用意する
オイルの拭き取りに使用する蒸しタオルを用意しておきます。タオルに水を含ませ、水が滴らない程度に軽く絞ります。
電子レンジ対応の耐熱皿に乗せ、600Wのレンジで40~60秒程度加熱します。
2.蒸しタオルで手を温める
清潔な手で蒸しタオルを持ち、手の平部分を温めます。クレンジング前に手を温めておくことで、オリーブオイルに熱が伝わり、メイクとなじみやすくなります。
肌に水気が残っていると、クレンジング中にオイルやメイクを弾いてしまいますので、手が濡れた場合は乾いたタオルできちんと拭き取っておきましょう。同様に、クレンジング前には顔も濡らさないようにします。
3.清潔な手にオリーブオイルをとり、メイクとなじませる
手の平に500円玉程度のオリーブオイルをとり、メイクとなじませます。
肌を擦らないように、オイルの上から指をすべらせ、くるくると円を描くようにマッサージしましょう。目のキワや小鼻の脇に汚れが残りやすいので、指先を使って丁寧に落としていきます。滑りが悪いようであれば、オイルを足してください。
4.ペーパーやコットンにオイルを吸わせる
キッチンペーパーや複数枚重ねたティッシュ、またはコットンなどで、肌を押さえるようにしてオイルを吸収させます。肌を擦らないように注意しましょう。
5.蒸しタオルを顔に押し当て、べたつきが気にならなくなるまでオイルを吸収させる
用意しておいた蒸しタオルが冷えている場合には、加熱しなおします。蒸しタオルを顔に押し当て、残ったオイルを吸収させます。べたつきが気になる場合には、タオルを加熱しなおし、面をかえて何度か行います。
火傷に注意し、タオルが熱すぎる場合には顔に当てられる程度まで冷ましてから行いましょう。タオルを二つ折りにし、長辺の左右の角を掴んで数回大きく振るとすぐに冷ますことが出来ます。
蒸しタオルの繊維は肌刺激が強いため、蒸気でオイルを浮かせてタオルに吸収させることをイメージし、決して擦らないように注意してください。
6.普段通りの泡洗顔と保湿を行う
クレンジングのみではメイク汚れが混じったオイルが肌に残ったままですので、ぬるま湯と洗顔料で洗い流します。
オリーブオイルクレンジングはしっとりした洗い上がりが特徴ですが、洗顔後のオイル残りやべたつきが気になる場合には、4や5でのオイルの拭き取りが不十分な場合があります。
また、蒸しタオルでオイルを落とした後、顔全体に乳液をなじませてから洗顔をすることでも、オイルが落ちやすくなります。
[/surfing_su_note_ex]ポイントメイクの落とし方
フィルムタイプのマスカラやアイライナーは基本のクレンジングと洗顔で落とすことが出来ますが、ウォータープルーフやオイルプルーフなどの落ちにくいポイントメイクは、前もって落としておくことで、その後のクレンジングがスムーズに行なえます。
オイルプルーフのマスカラやアイラインはオリーブオイルでは落とせませんので、ポイントメイクリムーバーを使用しましょう。ウォータープルーフのマスカラやアイライナーは、製品にもよりますが、オリーブオイルでも落とすことができます。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- オリーブオイルをメイクになじませ、目に入らないように注意して、1~2分置いておきます。
- オリーブオイルを含ませたコットンで優しく拭い取ります。
- メイク落ちを確認しながら1~2回繰り返し、目のキワなどに残ったメイクは、オリーブオイルを含ませた綿棒で丁寧に落とします。
オリーブオイルのクレンジング以外のスキンケア法は?
ここでは、オリーブオイルの活用法をご紹介します。
フェイシャルケア
洗顔後、化粧水を塗る前の肌に、オイルブースターとしてオリーブオイルを使用します。
オレイン酸の効果で肌の表面が柔らかくなり、化粧水や乳液の浸透を促す導入液の役割をします。塗りすぎるとかえって水分を弾いてしまいますので、1,2滴を手の平に伸ばし、肌を押さえるように塗ります。
ブースターとしてのオイルの使用に抵抗のある方や、じっくりと保湿をしたい方におすすめの使い方です。化粧水のあとに1,2滴のオリーブオイルを塗って化粧水の水分を肌に閉じ込め、乳液で肌を整えます。
ボディケア
ヘアケア
シャンプー前の頭皮に数か所にわけてオイルを塗り、指先を使って頭皮全体をマッサージをします。
毛穴の汚れが落ちやすくなり、マッサージによる血行の改善も期待できます。べたつきが気になる場合には、シャンプーでの2度洗いがおすすめです。
まとめ
オリーブオイルクレンジングは、肌質に合えば、低刺激で美肌効果も期待できるクレンジング方法です。
蒸しタオルでの拭き取りなど、通常のクレンジングに比べて手間や時間がかかりますが、本来一番肌に負担がかかると言われている“クレンジング”をフェイシャルケアの一環として行えるというのは大きな魅力です。
クレンジング剤としての使用が合わなかった場合にも、全身の保湿やハンドケア・フットケア、ヘアケアなどさまざまな使い道もあります。向き不向きがわかれるクレンジング方法ですので、まずは少量のオイルを用意して試してみるとよいでしょう。