腸内環境を整えるために欠かせない乳酸菌ですが、ヨーグルト以外にも乳酸キャベツで得られることをご存知でしょうか。
乳酸キャベツが持つ植物性乳酸菌は生きたまま腸まで届きやすいため、腸内環境を健康に保ちたい方にぴったりです。
そんな心強い味方である乳酸キャベツの作り方や、失敗しやすい理由などをお伝えしますので、ぜひ挑戦されてみてください。
乳酸キャベツの作り方は?
発酵させて作る乳酸キャベツは雑菌に注意しなければなりません。道具や調理場の環境には注意し、清潔な状態で行いましょう。
基本の作り方は、キャベツ1個(1kg)での作り方となるようですが、今回私はキャベツの量を200gで行いました。
その理由については下記の通りです。
- はじめての乳酸キャベツ作りなので、失敗するかもしれないから
- ジップロックのサイズが17.7cm×19.5cmのものしかなく、スライサーで切ってみると、200gでも結構な量だったことから
道具
- 密封できる大きめの保存袋(ジップロックなど)
- 重しになるもの(500mlのペットボトルなど)
- 清潔な保存容器
- クッキングスケールなど
材料
- キャベツ:200g
- 塩:2g×2(計4g)
- きび糖または砂糖 1g
- スパイス(唐辛子、ショウガ、ローリエ、クローブなど好みで):適量
※スパイスはなくても大丈夫です。
※塩の比率に関しては、キャベツの重さの2パーセントを目安にしてください。
キャベツの量に対する塩をきび糖の比率一覧(作る工程は同じ)
キャベツの量 | 200g | 400g | 600g | 800g | 1kg |
塩 | 2g×2 | 4g×2 | 6g×2 | 8g×2 | 10g×2 |
きび糖または砂糖 | 1g | 2g | 3g | 4g | 5g |
作り方
1.キャベツを千切りにする
キャベツ1個を繊維を断つように千切りにしましょう。細かく千切りにしたほうが発酵しやすいため、できる限り細く千切りするのがおすすめです。
スライサーで切りましたが、200gでも結構な量でした。ジップロックのサイズを考えて、今回は200gで作っています。
2.保存袋に入れ塩を振る
1で切ったキャベツの半分を袋に入れ、塩 2gを加えます。塩とキャベツをしっかり混ぜましょう。
1分ほど揉んでいると、しんなりしてきます。
3.袋の上からもむ
残りのキャベツ、塩小さじ2(10g)、きび糖を加え、袋の上からもみます。塩、砂糖がキャベツとよくなじむよう、キャベツ全体がしんなりするまでもみましょう。
ジップロックに入れた時は、半分以上のスペースを占めていましたが、2分ほど揉んでいると、下の写真のようにかなりコンパクトになりました。
この分ですと、ジップロック(17.7cm×19.5cm)に対して、キャベツは400~500gくらいなら入りそうな気がしました。
次回作る際には、400gで作ってみたいと思います。
4.空気を抜く
キャベツがしんなりしたら、好みのスパイスを加えます。今回は唐辛子(1本)と黒こしょう(5粒)を入れてみました。
余分な空気を抜きながら保存袋の口を閉じ、密封状態にします。ストローなどを使うとうまく空気を抜くことができますよ。
5.重しをする
1.5kgほどの重しを乗せて、直射日光を避け、常温で3~6日間(夏場は1~2日間)ほど寝かせます。重しは500mlのペットボトルが3本ほどあれば十分でしょう。
ペットボトルがなければ、辞書や分厚い本を使ったり、密閉袋に水を入れたりと代用できます。
6.味見して冷蔵庫で保存する
味見をして酸味があったり、泡が立っていたら発酵できている証です。清潔な保存容器に移し、冷蔵庫で保存しながら食べましょう。冷蔵で1ヶ月保存できます。
ちなみにその後、キャベツ400gで作ってみましたら、このジップロック(17.7cm×19.5cm)だとホントちょうどくらいでした。
下記の写真が2回目のキャベツを入れた後です。ジップロックのジッパーの手前くらいまでキャベツがきました。
揉みほぐして空気を抜くと、下記の写真くらいになります。
乳酸キャベツ作りで失敗する理由は?
キャベツの種類によって作り方も変わってくる
実はキャベツの品種によっては、作り方を変えなければうまく発酵させることができません。
乳酸キャベツに使うキャベツの品種をしっかりチェックし、品種に適した発酵期間を設けましょう。
3月から5月にかけて収穫される春キャベツは、水分が多く柔らかなキャベツです。そのため他のキャベツに比べて発酵しやすく、早いものでは1日で発酵します。
春キャベツを使って乳酸キャベツを作る場合、寝かせる日数を短く考えておくとよいでしょう。
12月から3月にかけて収穫される冬キャベツは、春キャベツと反対に水分が少なく硬いです。1~2日では発酵しないことがほとんどで、最低でも3日、長くて5日ほどかかります。
しっかり発酵できているかどうか、小まめに様子を見る必要がありますね。
紫キャベツも冬キャベツと同様に水分が少ないため、発酵期間を長く考えておくとよいでしょう。
ちなみに紫キャベツは他のキャベツに比べ、食物繊維やビタミンCも多く含んでいるため乳酸キャベツに向いています。
キャベツの洗いすぎはNG
千切りにして使うキャベツですが、切る前に洗いすぎてしまうと失敗の原因になります。
と言うのも、キャベツの表面にはそもそも乳酸菌がついているのですが、洗いすぎると乳酸菌が流れ落ちてしまうからです。
汚れが気になる場合は表面をさっと洗うか、表面だけを捨てるなどして乳酸菌を保ったまま発酵させましょう。
キャベツから出る水分はそのままに
作り方3の工程で、袋にキャベツと塩を入れてもみますが、しばらく経つとキャベツから水分が出てきます。この水を捨ててしまうと失敗の原因になります。
キャベツから出た水分には乳酸菌が含まれていますので、捨てずにそのままにしておきましょう。
袋の空気はしっかり抜いて
作り方4で密閉袋の空気を抜きますが、この時しっかりと空気を抜くことができていないと、発酵がうまくいきません。
むしろ袋の中に空気が残っていることで、発酵する前に傷んでしまいます。空気は念入りに抜きましょう。
作る時期によっては工夫が必要
乳酸キャベツは発酵させて作るため、時期によっては作り方に工夫をしなければ失敗の理由となってしまいます。
通常、常温で発酵させる乳酸キャベツですが、室温が20度以上になりやすい夏場は発酵する前に傷んでしまうことが多いです。そのため、夏場は冷蔵庫で発酵させましょう。
室温を調整できる野菜室などで10度ほどに設定して発酵させると、成功しやすいです。発酵期間は1週間から2週間と長くかかってしまいますが、発酵するまで気長に待ちましょう。
乳酸キャベツの食べ方は?
乳酸キャベツを初めて作った場合、どのように食べてよいのか悩んでしまいますね。
基本の食べ方
食卓に一品追加する感覚で、普通の食事と同じように食べましょう。1日に80g、小鉢に盛って付け合わせとして食べるイメージです。
乳酸キャベツには、肉や魚を柔らかくする効果もあります。肉や魚を調理する際に、一緒に煮たり蒸したりすると味の幅が広がるので一度試してみてくださいね。
また、乳酸が胃の粘膜を保護し、消化の手助けをしてくれますので、胃もたれが気になる方におすすめです。
乳酸キャベツは、納豆やチーズやヨーグルトといった発酵食品と相性抜群です。
味はもちろん、それぞれが持つ長所が結びついて胃腸を整える効果が各段にアップします。乳酸キャベツは酸味がありますので、そのまま和えて食べてもさっぱりと美味しいです。
アレンジレシピ
毎日食べたい乳酸キャベツ。だけど同じ食べ方が続いてしまうと、いくら健康によいと言っても飽きてしまいますね。
そこで、毎日食べられるアレンジレシピを紹介します。ちなみに、レシピの中には材料が乳酸キャベツでなくザワークラウトとなっているものもありますが、作り方をはじめ栄養や味もほぼ同じであるため乳酸キャベツのレシピとして紹介しています。
メイン料理
あさイチで紹介されていたレシピです。豚との相性が良くて、乳酸キャベツの酸味とマッチして、サッパリとした味わいで美味しかったです。
材料
- 乳酸キャベツ 300g
- 豚薄切り肉(しゃぶしゃぶ用)180g
- みつば 5~6本
- オリーブ油 大さじ2
- 塩 3つまみ
- こしょう 適量
作り方
1.フライパンに乳酸キャベツを広げて、その上に豚肉をのせ、塩、こしょう、オリーブ油、2~3cmほどに切ったみつばの茎をのせます。
2.フライパンに蓋をして中火で熱し、豚肉に火が通るまで5分間ほど蒸します。
3.器に盛りつけて、最後にみつばの葉をのせれば完成です。
カップラーメンに乳酸キャベツをのせているだけ。こってりスープとほんのり酸っぱい乳酸キャベツは相性抜群。
カレーと言えば、 福神漬けの付け合わせがお馴染みですが、乳酸キャベツもいいですよ。
スープ
乳酸キャベツと卵で作る、栄養満点のお味噌汁です。手軽に作れて時短になるだけでなく、優しい味わいになるため、体調が悪い時にも食べられます。
材料
- 乳酸キャベツ 150g
- 卵 2個
- ほんだし 適量
- 味噌 大さじ1
- 水 400cc
- 七味 少々
作り方
1.鍋に水とほんだしを入れて熱します。
2.味噌を溶き入れて、卵を割って入れます。
3.弱火から中火で熱して、沸騰しない状態で、卵が好みのかたさになるまで火を通します。
4.お椀に乳酸キャベツを入れてから3を入れて、最後に七味を振り掛ければ完成です。
材料
- 乳酸キャベツ 100g
- ソーセージ 130g
- にんにく 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- コンソメ 大さじ1
- 料理酒 大さじ1
- 塩・コショウ 少々
- 水 500cc
作り方
1.鍋にみじん切りをしたにんにくとオリーブオイルを入れて炒めます。
2.ソーセージを1cmくらいの幅に切ります。
3.1に水とコンソメ、料理酒、ソーセージ、乳酸キャベツを入れて、中火で熱してから、最後に塩とコショウで味を整えれば完成です。
サラダ
材料
- 乳酸キャベツ 50g
- 納豆 2パック(たれなし)
- 梅干し(種なし) 1個
- マヨネーズ 少々
作り方
1.ボウルに納豆を入れてよくかき混ぜます。
2.1に梅干しを小さくちぎって加え、さらに乳酸キャベツとマヨネーズを加えてよく混ぜ合わせれば完成です。
乳酸キャベツとバジルを混ぜ、粉チーズやオリーブ油をかけるだけのお手軽サラダ。乳酸キャベツとチーズによって胃腸が整うこと間違いなしの、美容に嬉しいレシピです。
材料
- 乳酸キャベツ 50g
- 粉チーズ 大さじ2
- バジル 3枚
- オリーブオイル 適量
- 黒こしょう 適量
作り方
1.バジルを細かく刻んでから、乳酸キャベツと混ぜ合わせます。
2.お皿に1を乗せて、粉チーズとオリーブオイル、黒こしょうを振り掛ければ完成です。
乳酸キャベツの歯ごたえを楽しめる、さっぱりとしたサラダです。ヨーグルトを使用しているため、より腸に優しいレシピとなっています。
材料
- 乳酸キャベツ 50g
- かぼちゃ 200g
- レーズン 30g
- ヨーグルト 50g
- マヨネーズ 大さじ1
作り方
1.かぼちゃを耐熱皿に入れて電子レンジで5分ほど加熱します。
2.1の粗熱が取れたら、皮を取り除いて、スプーンなどで崩しておきます。
3.ボールに乳酸キャベツ、レーズン、ヨーグルト、マヨネーズを入れて混ぜ合わせます。
4.2のかぼちゃと3を合わせれば完成です。
まとめ
失敗しやすい乳酸キャベツですが、発酵の段階でうまくいっているか確認ができます。
1~3日目あたりでキャベツの緑色が落ち、水が白くにごって泡が出てきたら発酵できている証拠です。
「もしかしたら悪くなってるかも?」と思った時は、もったいない気持ちをこらえて処分しましょう。
毎日確認しながら、美味しい乳酸キャベツを作ってくださいね。