物忘れ、冷え性、肥満…年齢を重ねるにつれて様々な悩みを抱えるようになりますね。
食生活や生活習慣を改善することも大切ですが、生活リズムをいきなり変えるのはなかなか難しいもの。そこでおすすめなのが、脳の特効薬と呼ばれるにんにく油です。
にんにく油とはどういったものなのか、期待できる効能や自分で作る方法、おすすめの使い方やレシピについてご紹介しています。
にんにく油とは?
にんにく油とは、にんにくをオリーブオイル漬けにした食品のことです。にんにく油を料理に使ったり、そのまま飲んだりすることで脳の血行を良くして物忘れや認知症を予防できると言われています。
1日の摂取量
そのまま飲むのが推奨されているにんにく油。1日の摂取量の目安は小さじ1杯です。
カロリー
小さじ1杯で約40kcal。作り方によって多少前後しますが、ダイエット中でも気にせず飲めるカロリーです。
飲むタイミング
いつ飲んでも問題ありませんが、おすすめのタイミングが2つあります。ライフスタイルに合わせてお好きな時間に飲んでください。
いつ飲んでも効果的なにんにく油ですが、空腹時の摂取は避けましょう。
にんにくにはそもそも刺激の強い食べ物です。スライスしてオリーブオイル漬けにすることで刺激を抑えることはできるものの、胃がダメージを受けやすい空腹時にはやはりおすすめできません。
にんにく油を飲んだあとにご飯を食べたり、あるいは食後に飲むのはOKです。
にんにく油にはどういった効能があるの?
先にお伝えした物忘れや認知症の他、にんにく油には様々な効能が期待できます。
物忘れや認知症
にんにく油の代表的な効能が、アホエンという成分による物忘れや認知症の予防です。
物忘れや認知症に効果的と言われるにんにく油ですが、その正体はアホエンにありました。アホエンは、カットしたりスライスしたにんにくを100度以下の脂に漬け込むことで作り出される成分です。
単ににんにくを切ったり炒めたりしただけでは生成されません。ちなみに今回紹介しているにんにく油は、「アホエンオイル」とも呼ばれています。
アホエンは神経細胞に対して効果を発揮しますが、神経細胞の働きをご存知でしょうか。
脳を構成する神経細胞からは、木の枝のように細かく分かれた突起が伸びています。これらの突起があることで脳が情報をスムーズに処理できるのですが、年を重ねるにつれて突起が減少し、物忘れや認知症となってしまうのです。
しかしアホエンを摂取することで、この突起の減少を防いだり増やしたりすることができます。その結果、脳の活性化につながり、物忘れや認知症の改善に期待が持てるというわけです。
文字を書いたり折り紙を折ったりと、細かく手や指先を使う作業は認知症予防に効果があるとされています。
同様に、にんにく油を作る際の皮をむいたり切ったりする作業そのものも予防に期待でき、にんにく油を作るだけで認知症予防に効果があると言われる由来です。
胃炎や胃潰瘍
スライスされたにんにくにはアリシンとビタミンB1が含まれていますが、この二つが合わさってできるのが「アリチアミン」という物質です。
アリチアミンには胃を強くする働きがあり、胃粘膜を強化したり、消化酵素の分泌を促したりと、胃の病気に対して耐性をつけてくれます。胃のトラブルでお悩みの方に嬉しい効能ですね。
血栓の予防
にんにく油には、心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる血栓ができるのを防ぐ働きもあります。
血栓は血管内部のケガを塞ごうとしてできてしまう血の塊のことですが、時には血の塊が大きくなってしまい、心筋梗塞などの原因となります。しかし、にんにく油を定期的に摂ることで、小さな血栓で傷を修復するようになり、血栓の予防につながるのです。
抗がん作用
にんにくをスライスすることによってアリシンという物質が出るようになりますが、このアリシンをオリーブオイルなどに溶かすことで、ガンを予防する成分「DATS(ジアリルトリスルフィド)」へと変化します。
DATSには、がん細胞の増殖を抑制するだけでなく、正常な細胞に戻してがん細胞を消してしまう働きがあることがわかっています。にんにくをスライスしてオリーブオイル漬けにするにんにく油は、まさにがん予防にぴったりな食品です。
コレステロールの改善
にんにく油が持つアホエンには、コレステロールを抑え、脂肪を燃焼させる効果があります。
過去に行われた実験で、コレステロール値が基準を超えていた被験者3人が2週間にんにく油を摂り続けた結果、数値が3分の2まで減少した結果が出ています。
その他
その他、血流を良くする・コレステロール値低下などの効能から以下のような効果も期待できます。
- 疲労回復
- 風邪予防
- 美肌
- 血圧低下
- 冷え性改善
- 免疫力アップ
- ストレス緩和
にんにく油の作り方は?
用意する道具
- 包丁、まな板
- 耐熱容器
- 消毒済みの密閉容器
- 上記の容器を湯煎できる大きさの鍋
- 大き目の茶こしかざる
- できればオリーブオイルの温度を計るための温度計
にんにく油は温度が大切です。温度計はできれば用意したほうがいいでしょう。
材料
- オリーブオイル:150ml
- にんにく:3片
オリーブオイルはエキストラバージンオリーブオイルがおすすめです。お好みで赤唐辛子を1本加えても可。好みでオイルとにんにくの対比を変えてもOKです。
作り方
1.にんにくを1片ずつにし、薄皮を向いてみじん切りに。
2.耐熱容器にオリーブオイルとみじん切りをしたにんにくを入れます。
3. 鍋に水を入れて沸騰させてから火を止め、2の容器を入れて湯煎します。
4.自然に冷めるまでそのままで3時間ほど置きます。
5.にんにくをこして、加熱殺菌をした密閉容器に移せば完成です。今回ジャムの空き瓶があったので、そこに入れました。
1週間を目安に使い切るようにしてください。
アホエンは、100度以上の温度で成分が壊れてしまうので、必ず沸騰しましたら火を止め、その後で2の容器を入れて湯煎するようにしてください。
50度でアホエンが溶出する為、温度計がある場合は、50度で3時間ほど温めるのがベストですが、温度計がない場合は、3の状態で50度前後まで上がっていき、徐々に温度が下がっていきます。
にんにくを漬け込む時間については、3時間以上、24時間以内には取り出すようにしてください。
市販のにんにく油を使う
作る時間がなかったり、手間に感じたりする場合は市販のにんにく油がおすすめです。
今回ご紹介するのは、ユウキ食品(株)から発売している香味食用油 ニンニク油というリーズナブルな価格の商品で、食用大豆油とニンニクが原料として使われています。
- ユウキ ニンニク油 105g入り 1本 244円
- ユウキ ニンニク油 920g入り 1本 1,216円
色に関しては、使っているオイルの違いです。
ユウキ食品のニンニク油は、ほんのりニンニクの香りと味がして、まろやかな味です。
それに比べて手作りっで作った方は、ニンニクの香りが強く、にんにくの味がかなり強くでており、若干辛みを感じました。
手作りの方が確かに価格的には安くできるかと思いますが、そこまでの価格差はないのかなと思いました。
ただオイルの種類が違うので、健康面を考えるなら、オメガ9系脂肪酸(オレイン酸)が多く含まれている、オリーブオイルで手作りした方が良さそうです。
にんにく油の使い方は?
料理の仕上げなど、かけるだけで使えるにんにく油。3つの注意点を守って、オリジナルのアレンジを見つけてくださいね。
3つの注意点
にんにく油の使い方
そのまま飲んで効果たっぷりなにんにく油ですが、料理にアレンジしても美味しくいただくことができます。
料理やサラダにかける
焼いたお肉や炒めた野菜など、完成した料理やサラダなどにかけて食べても美味しいです。
サラダにかける場合、盛り付けた野菜ににんにく油をまわしかけ、その上からレモンや塩、醤油などを少量かけるのがおすすめ。オイルが野菜のシャキシャキ感を保ってくれますよ。
サケやサバなどの焼き魚との相性も抜群です。
マグロの刺身に醤油とニンニク油の組み合わせも美味しく食べられました。
パンにつける
通常のオリーブオイルと同じように、スライスしたパンにつけます。バジルを振りかけて香りを加えたり、ハーブソルトを振ってアクセントをつけてもOK。
たれに加える
焼き肉のたれや餃子のたれなど、こってりしたものの漬けダレに加えます。コレステロール値を抑えてくれるので相性ぴったりですね。
にんにく油を使ったレシピ紹介
にんにく油 大さじ1と塩、黒こしょうを混ぜ合わせるだけ。塩がアクセントになっていてサラダにピッタリです。
切ったタコに振りかけるだけですが、美味しいですよ。
にんにく油とケチャップとマヨネーズを大さじ1ずつ混ぜ合わせるだけ。ケチャップとマヨネーズのコクの中に、ニンニク油の風味が出でていて、美味しかったです。
まとめ
にんにく油には体に嬉しい効能がたくさんあることがわかりました。作る手間はかかりますが、多めに作って冷暗所で保管しておけばあとは手軽に使うことができます。
認知症や血栓を予防し健康に過ごすためにも、一度試してみてくださいね。