歯磨きはきちんとしているつもりなのに口臭が気になる、特に寝起きは口の中がべたつくことがありますよね。朝の口臭はちょっと気になる、という人は多いのではないでしょうか。
年齢を重ねると、口の中の環境も変化をしてくるので、口臭が出やすくなってきます。
今回は、寝起きに口臭がひどくなる原因とその予防対策をご紹介します。これでもう朝が怖くなくなりますよ。
寝起きに口臭がひどい原因は?
1日の中でも特に寝起きに口臭がひどくなるのはなぜなのでしょうか。その原因を知って口臭予防に役立てましょう。
寝ている間に口の中に菌が繁殖するから
口の中には驚くほどの細菌が生息しています。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 歯をよく磨く人:1000~2000億個
- あまり歯を磨かない人:4000~6000億個
- ほとんど磨かない人:1兆個
そして細菌の種類は300~700種類にものぼります。この菌が寝ている間口の中で増えることによって、朝起きた時に口が臭くなってしまうのです。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]空腹時や起床時、疲労時に強くなる口臭を「生理的口臭」といいます。誰にでもあることですが、寝起きの口臭は「モーニングブレス」とも呼ばれ、1日のうちで一番においが強くなります。
これは、朝が一番細菌の量が増えるためです。細菌は、食後8時間経つと最大量になると考えられているので、寝起きの口臭が一番強いんですね。
この細菌が、口の中のたんぱく質(食べかす、歯垢など)を分解することによって3種類のガスが発生します。
- 硫化水素(卵の腐ったような匂い)
- メチルメルカプタン(野菜の腐ったような生臭い匂い)
- ジメルサルファイド(生ゴミのような匂い)
どれもイヤな匂いですが、口臭というのはこの3つが混ざった匂いなので、本当に鼻をつまみたくなるどぶ川のような匂いになるのです。
なぜ寝ている間に菌が繁殖するのか、それは唾液の分泌が減ってしまうからです。寝ている時は、当然ですが口を動かしていませんよね。食事や会話などで唾液腺を刺激することがありませんから、唾液の分泌速度が低下して分泌量も減るのです。
唾液には口の中を殺菌したり菌を洗い流したりする働きがあるのに、分泌量が減ってしまうことによって細菌が増えて口臭の原因になります。
ただでさえ唾液の分泌量が減るところに、口呼吸をしていると口の中の水分がさらに蒸発してしまうため、口の中が乾燥して菌が増えてしまいます。
鼻風邪を引いている時や鼻炎のある人は鼻が詰まりやすいので要注意です。
口の中の病気
寝ている間の菌の増殖だけでなく、口の中の病気が原因でもガスは発生します。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]虫歯そのものが臭うというよりは、虫歯によって欠けているところや穴が開いているところに食べ物が詰まり、それが腐敗してガスが発生することによってにおいが強くなります。
魚が腐ったような臭い、チーズが腐ったような臭い、といわれています。また、虫歯が進行して根が腐ってくるとそこからも臭いを発するようになります。
朝から玉ねぎの腐ったような臭いがしたら、それは歯周病(歯槽膿漏)が原因かもしれません。歯周病の病原菌によってメチルメルカプタンが発生し、口臭の原因になります。
さらに歯周病が進行して歯茎に膿がたまるとその膿からも臭いが発生します。
黄色い痰がからんでいる
鼻風邪を引いたり、鼻炎の時に鼻水が鼻の奥から喉に流れ、痰の原因になります。この痰が白っぽい時は問題ないのですが、黄色い痰のときは細菌やウィルスと戦ったリンパ球が含まれているので、口臭の元になるのです。
黄色い痰がよく出る人は、口臭よりも鼻づまり、鼻水を解消することが先かもしれません。
前日に食べたものの臭い
ニンニクやニラなど、臭いの強い食べ物を前日に食べた時も、翌朝口臭が強くなることがありますよね。
これは胃の中に食べたものが残っているからにおうのではなく、消化・吸収された匂いの成分が血液中に溶け出し、全身を回った後に呼気(こき=吐く息)として口から出てくるからなのです。
つまり、食べた直後ではなく、消化・吸収した翌朝の方が匂いが強くなるということですね。
お酒の飲み過ぎ
アルコールを肝臓で分解するときに水分を多く使うこと、また、アルコールの利尿作用によって体内の水分がどんどん排出されます。
体内の水分が減れば当然唾液も減ってしまうので、口臭が強くなります。
コーヒーの飲み過ぎ
コーヒーも飲み過ぎると口臭の原因になります。下記のような色々なことが原因になって口臭が強くなるので、飲む量はほどほどに。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 細かいコーヒーの粒子が舌に付着する
- 酸味の強いコーヒーで口の中が酸性になる
- ミルク入りはミルクの成分が口の中に残るため
コーヒーを飲んだ後に水も飲んでおけば、口の中に微粒子が残るのは防げるでしょう。
タバコのヤニ
タバコのヤニが歯にこびりつくとなかなかとれませんが、これも口臭の原因に。ニコチンも歯周病を引き起こし、また悪化させるので、タバコのにおいと相まって余計に臭くなるんですね。
膿栓(のうせん)
膿栓は「臭い玉」ともよばれるもので、全くないという人はたぶんいないんですね。扁桃腺の表面の穴に食べかすや細菌の死骸などが詰まったものです。
普通は食べ物などと一緒に飲み込んでしまうことが多いのですが、口の中が乾いていると出来やすくなります。これがたくさんたまっているほど口臭がきつくなります。
胃の病気
口臭の原因のほとんどは「口の中」にあるのですが、時には胃の不調が原因で口臭が起きる場合があります。
胃炎(慢性/急性)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気は、口臭がその症状のひとつとして現れることがあります。
ストレス
人はストレスを感じると、自律神経の交感神経が優位になります。交感神経が働いている時は、唾液の量は減り濃くなるのです。
たとえば緊張すると喉がからからになりませんか?これは唾液が減っているからです。ストレスが続いていると日中でも唾液が減ってしまうので、寝る時はなおさらですよね。ですから、ストレスや疲労を感じていると口臭がきつくなる傾向があります。
寝起きの口臭を予防する方法は?
どうすれば寝起きの口臭を少しでも少なくすることができるのでしょうか。その予防法をご紹介します。
寝る前によく歯を磨いて口の中を清潔にする
なんといっても口の中の細菌の数を減らすことが大事です。寝る前、どのくらいの時間歯を磨いているでしょうか。5分以下だったら少し短いかもしれません。
10分くらいかけてしっかり磨きましょう。口臭予防用の歯磨き粉を使うのがおすすめです。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]マウスウォッシュ自体に口臭を予防する働きはあまりなく、使った後は口がスッキリしますが口臭予防としての効果は短いものです。
マウスウォッシュは口の中を殺菌して歯周病などを予防するために使うものです。とはいえ、口の中のトラブルを防止できればそれは口臭予防につながりますので、毎日続けた方が効果的です。
細菌のえさになる食べかすを残さないことも重要です。歯ブラシだけでは落とせない歯の間の汚れもとるようにしてください。
糸ようじやフロスを使って、歯の間もしっかり磨きましょう。たった数分の手間ですから、毎日やってみて下さいね。
舌をよく磨く
舌についている「舌苔(ぜったい)」をとることも口臭予防になります。舌苔には食べかすや粘膜細胞の死骸などがついているので、菌が繁殖しやすいのです。
唾液が減少すると舌苔がつきやすくなりますが、年齢とともに唾液は減少するので、舌苔もつきやすくなっています。舌が白くなっている時は要注意ですよ。
舌の表面についている汚れをとれば、細菌の繁殖を防ぐことが出来ます。歯ブラシではちょっと刺激が強すぎて舌を傷めてしまうこともあるので、舌専用のブラシを使ってしっかり磨いて下さい。
寝る前にコップ1杯の水を飲む
私たちは寝ている間も汗をかいています。水分が減って身体が乾いてしまうと、唾液の量も減ってきます。
寝る前にコップ1杯水を飲んでおきましょう。寝ている間の乾きを少しでも和らげることが出来ます。
寝る前の重曹うがい
唾液が減って酸性になった口の中を中和するために、アルカリ性の重曹を使ってうがいをします。重曹は煮豆を作ったり、掃除にも使ったりするので、たいていのおうちにあるのではないでしょうか。
材料
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 水 100ml
- 重曹 小さじ1/2
材料はこれだけ。よく混ぜて寝る前に30秒くらいうがいをして下さい。喉を洗うガラガラうがいではなく、口の中をゆすぐためのクチュクチュうがいが効果的です。
これで翌朝の口臭が予防できます。余った分は冷蔵庫で1週間くらいなら保存可能です。
膿栓をとる
膿栓は喉の奥にあるので、なかなかとりづらい場所にあるので、耳鼻科でとってもらうのが一番安全です。綿棒を喉の奥につっこんで取る方法もネットでは紹介されていますが、おえっとなってしまって苦しいですし、下手なやり方をしたら喉を傷つけてしまいます。
自分で取るなら、下記のような方法が安全です。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 喉の奥まで水が行き渡るようにうがいをする
- 鼻うがいをする
- ノズルのついたボトルを使って膿栓に水をかける
上記の方法でとれやすくしておけば、くしゃみや咳で自然に取れます。
鼻呼吸をする
鼻孔を広げるテープ、口を閉じるテープなどを使って口呼吸を防ぎましょう。
鼻炎などのある人は鼻づまりを解消することが先決ですが、寝ているときに口を開けてしまうくせのある人は、これらのテープを使うと鼻呼吸の習慣がつくでしょう。
口臭対策サプリを飲む
今は何でもサプリメントがあるんですね。口臭の原因となる体内の原因物質を中和したり、唾液量の減少をサポートすることでにおいを抑えてくれます。
サプリメントによって香り成分が入っていたり、腸内環境を整えたりとプラスアルファの作用があるものもあるので、色々試して自分に合ったものを見つけて下さい。
ストレスを溜めない
口臭の予防としては、ストレスをためないこともとても大切です。寝る時には、その日のストレスを解消しておきたいですね。
日中色々あっても、寝る前には自分なりのリラックスタイムを作り、心と体をリセットすることで唾液の減少を防ぎ、口臭も予防できるでしょう。
栄養バランスの良いものを食べる
口の中の健康を保つには、食べ物もとても大切。尋常ではない臭いが出るということは、身体からのサインです。
免疫力をつけるために腸内環境を整えることも必要ですし、口の中の病気、胃腸の病気を防ぐためにも栄養バランスのとれた食事を心がけて下さい。
インスタント食品やジャンクフード、脂っこいものばかり食べていれば健康を損ない、菌に対抗する力が弱まります。
寝起きの口臭を消す方法は?
寝起きに口臭が気になった時に、即効で消す方法はないのでしょうか?出かける前になんとかしたい!という時の解消法です。ポイントは唾液をたくさん出すことです。
口の中を清潔にし、唾液をたくさん出して口臭を消す方法をご紹介します。
朝起きたらすぐに歯を磨く
朝は食後ではなく、起きたらすぐに磨きます。口の中は乾燥して細菌だらけですよね。朝の菌の数が最も多いというお話をしましたが、この菌を洗い流したいので、歯磨き粉を多めに使ってしっかり磨きましょう。
朝食をしっかり食べる
唾液腺を刺激したいので、朝ごはんはしっかり食べましょう。ヨーグルトやスムージーなどのまったく歯ごたえのない食事ではなく、出来れば噛みごたえもあり栄養バランスの良い和食、もしくはフルーツなどをたっぷり入れたシリアルなどがいいですね。
唾液腺のマッサージをする
唾液を分泌して、口の中の菌を洗い流すためには、唾液腺マッサージも有効です。以下の3カ所をマッサージすると唾液の分泌が増えるので、朝はもちろん、寝る前にもやるといいですね。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]ガムを噛む
顎を使って咀嚼すると唾液腺を刺激して唾液の分泌が増えるので、朝食後にガムを噛みましょう。キシリトール入りのものなら虫歯の予防にもなって一石二鳥です。
酸っぱいものを思い浮かべる
梅干しやレモンの味を思いだすと、唾液が出てきませんか?もしくは自分が酸っぱいと思うものでもかまいません。
実際に食べた体験があるものが効果的です。酸っぱかったものを視覚と味覚、両方で思いだすと、唾液がたくさん出てきますよ。
まとめ
口臭が気になると、人と話すのにも気を使ってしまいますし、ちょっと自信をなくしてしまいますよね。でも、原因さえわかれば対策がとれます。
ポイントは唾液の量を増やすことですね。様々な対策法をご紹介したので、ひとつずつ試して自分に合ったものを見つけて下さい。もう口臭なんて気にせず、自信を持って話せるようになりますよ。