老化現象の原因は毛細血管の減少であるという最新の研究結果が!毛細血管が減るってどういうこと?血管が減るの?と驚きますよね。
私たちの体中に張り巡らされた血管は、その長さが全身で約10万km。地球を2周も出来る長さになるのだとか。その血管の95%を占めるのが毛細血管です。その毛細血管は加齢やストレスなどで徐々に減少していくということがわかっています。
毛細血管が減少すると、美容の面からも健康面からも悪影響がたくさんあります。毛細血管が減少してしまう原因や増やすための方法などをご紹介します。
毛細血管の役割とは?
まずは毛細血管がどんな働きをしているのかを知っておきましょう。
毛細血管は肉眼では見えないくらいのとても細い血管で、動脈と静脈をつなぐ役割があります。その直径は20μm(マイクロメートル)以下、1μmが0.001mmなので、どのくらい細いかイメージできるでしょうか。
赤血球の直径よりも細いので、赤血球は自らの形を変えながら毛細血管を通っていきます。
酸素や栄養素を運ぶ
動脈から出た血液は毛細血管を通って静脈に入り、心臓に戻ってきます。毛細血管は全身に張り巡らされていて、手足の先は顔にもたくさん通っています。この毛細血管から酸素や栄養素が身体の隅々まで運ばれ、逆に老廃物を受け取るという役割もあります。
血流の流れが悪くなると…
血液の流れが悪くなり、酸素や栄養素を運ぶという本来の役割が果たせなくなってしまった血管をゴースト血管といいます。一応血管の形はあるものの、ほとんど血液が流れていません。
このゴースト血管が増えると壊死が進み、毛細血管の数がどんどん減少していきます。
毛細血管が減少する原因は?
血管が減少するなんて信じがたいですが、シミやシワの原因も毛細血管の減少が原因のひとつ。なぜ毛細血管が減少してしまうのか、その原因は普段の暮らし方も関係しているようです。
加齢
資生堂の研究によると、加齢によって血管が劣化し機能が低下するため、栄養分が送られなくなってしまうということがわかったそうです。
30代までの若い皮膚毛細血管は血管内皮細胞と壁細胞が正常な二層構造をしていたのに対し、40代後半では壁細胞がはがれ、過度にもれやすい皮膚毛細血管が散見されました。
つまり、加齢によって毛細血管が劣化し、中身が漏れやすくなるため、酸素や栄養分を運ぶという本来の役割を果たせなくなっていくということです。
毛細血管は栄養が運ばれないとどんどん壊死していくので、その数が減少していくのです。毛細血管の数は20代がピークで、60代では40%も減少するといわれています。
冷え性
女性は冷え性の人が多いですが、血行が悪いことも毛細血管の減少に関係しています。
冷え性だということは血流が悪く、特に心臓から遠い手足の先には血液が十分流れていない状態です。血流が悪いということは、酸素や栄養分が十分に供給されず、毛細血管が劣化していきます。その結果、数が減少するのです。
身体を締め付ける服や靴
女性は服装にも注意が必要です。
補正下着、きついハイヒール、スキニーパンツなど、身体を締め付ける服装ばかりしていると、これも血行を悪くする原因になり、毛細血管の減少につながります。
姿勢の悪さ
デスクでパソコンを見る時に前屈みになって猫背になっていませんか?姿勢の悪さも血行不良の原因になります。
姿勢が悪いと肺も押しつぶされているので呼吸が浅く、酸素を取り入れづらくなっています。それに加えて筋肉に無理をさせた状態で長時間過ごしていると、血管が圧迫されて血流が悪くなります。
運動不足
運動不足も血行を悪くする原因のひとつです。私たちの身体は筋肉を動かすことによって、毛細血管を通して血液を身体の隅々まで運んでいますから、動かなければ血流が悪くなるというのは容易に想像がつきますね。
1日中デスクワークの人や家事以外ではあまり動かないという人は要注意です。
ストレスや緊張
ストレスと血管に関係があるの?と思うかもしれませんが、大いにあるんです。強いストレスや緊張を感じた時、手先が冷たくなったりしませんか?
ストレスや緊張を感じると、身体がストレスに対抗しようとしてコーチゾン(コルチコイド)というホルモンが分泌されます。抗ストレスホルモンともよばれ、自律神経の交感神経を優位にする働きがあります。
交感神経が優位になると末梢血管が収縮するので血流が悪くなり、手足の先まで血液が行き渡らなくなります。それが毛細血管を劣化させやすくなる原因に。常にストレスを感じている人、緊張しやすい人は注意が必要ですね。
タバコを吸う
タバコも血流を悪くする原因になります。タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させる作用があるため、毛細血管の流れも悪くなり、劣化の原因となるのです。
ニコチンの影響は脳の血流や肺機能などにも影響しますし、発がん率も高くなるのでいいことは何もないと思った方がいいでしょう。
乱れた食生活
脂っこいものや甘いお菓子、清涼飲料水などばかり食べていると、血中の糖分、脂肪分が増えて血液がドロドロになります。
そうすると血流が悪くなるので毛細血管も詰まりやすくなり、劣化して減少していきます。揚げ物や甘いものが好きな人は注意が必要です。
紫外線
紫外線は皮膚を傷つけるだけでなく、血管まで傷つけてしまうのです。過度に紫外線を浴び続けると、表皮と真皮の間にある毛細血管が充血してきます。
その状態が続くと毛細血管が破れ、中から血漿(けっしょう)がにじみ出てきます。これが水ぶくれの正体です。日焼けをするたびに毛細血管が傷ついて減ってしまう、ということですね。色白で日焼けした時に黒くならずに水ぶくれが出来るタイプの人は血管が傷つきやすいといえるでしょう。
毛細血管が減少するとどういった影響があるの?
毛細血管が減少する原因がさまざまだということはわかりました。それでは、毛細血管が減少すると私たちの身体にどのような影響があるのか、美容の面と健康面、両方から見ていきましょう。
美容に対する影響
毛細血管の減少は美容の面でも大きな影響があります。どんなに高級な化粧品を使っても効果が実感できない、とお悩みの方は、もしかしたら毛細血管が減少していることが原因かもしれません。エイジングケアには血管の強化が欠かせないですね。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]頭皮や髪にも栄養が必要です。これも血管から送られてくるものなので、血行が悪くなると頭皮に栄養がいかなくなります。
そうすると毛髪の成長にも影響し、抜け毛や切れ毛が増えて、薄毛の心配も出てきます。最近では40~50代の女性でも薄毛に悩んでいる人が増えていますが、頭皮の血行不良が原因であることが多いのです。
健康に対する影響
毛細血管が減ると美容面だけでなく、もちろん健康にも悪影響を及ぼします。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]血流が悪いと手足の先まで十分な量の血液が届きません。元々冷え性の人は血行が悪く、毛細血管の数がどんどん減っていくため、さらに血流が悪くなり冷え性が悪化するという悪循環を招くこともあります。
これ以上毛細血管を減らさないようにして、血行を促進していく対策が必要です。
毛細血管を増やすことでどういったメリットがあるの?
毛細血管が減少するとこれだけのデメリットがあるんですね。では、毛細血管が増えることでのメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
若返り効果
女性にとってはこれが一番嬉しいかもしれません!毛細血管を増やせば、身体の隅々まで酸素や栄養素がしっかり行き渡ります。細胞のひとつひとつが活性化されることによって、肌もきれいになり、見た目年齢も若くなるでしょう。
ダイエット
太りやすい体質の人は身体の巡りが悪いというのも特徴のひとつで、冷え性の人も多いのです。毛細血管を増やして血行が良くなれば、代謝も上がり太りにくい身体を作ることができます。
冷え性の改善
毛細血管が減少していることが原因なら、いくら外側から温めても冷え性は改善できません。でも毛細血管自体を増やすことが出来れば、身体の隅々まで血液が行き渡り、手足も温まってきます。
冷えは万病の元。血行を良くして冷えをとることで様々な健康効果も期待できるでしょう。
育毛効果
薄毛の悩みは頭皮を健康にすることによって改善できますが、頭皮の健康には栄養がしっかり行き渡ることが大切です。毛細血管を修復して頭皮の血行を改善することで育毛効果が期待できます。
毛細血管を増やす方法は?
毛細血管を増やすために必要なことは血流を増やすことです。血行を良くして血管を丈夫にすることで、毛細血管を増やしていくことが出来ます。ではそのためにできる7つの方法をご紹介します。
筋トレをする
筋力トレーニングは無酸素運動ですから、筋肉に強い負荷がかかります。酸素が足りない!と思った筋肉は何とか酸素を供給しようとするので血流が増えるのです。
また、毛細血管は筋肉の中にも通っています。筋肉はダメージを受けて回復しようとする時に筋肉量が増えていきますが、筋肉が増えると同時に毛細血管も増えていくのです。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]足は手よりも冷えやすいところですが、それは心臓から最も遠いところだからです。血液を戻すためのポンプの役割を果たすのがふくらはぎ。ここを動かすことで血流がアップして全身の血行が良くなっていきます。
ふくらはぎを動かすには、かかとの上げ下ろし運動やその場でスキップするなどの運動がおすすめです。美脚効果もありますから、仕事の合間や家事のついでにちょこちょこやってみて下さい。
有酸素運動をする
筋力トレーニングに加えて有酸素運動をすると運動の効果が高まります。酸素を取り入れながらする運動なので、身体の隅々まで酸素が行き渡り、毛細血管の強化につながります。
ジョギング(ランニング)、水泳、エアロバイク、エアロビクスなど。隣の人と会話が出来るくらいのゆるいスピードで行うのが続けるコツです。
Long Slow Distanceの略で、ゆっくり長く走るというトレーニング法です。最低でも30分、最大で2時間30分かけてゆっくり走ります。
筋肉を鍛えるためのジョギングではなく、負荷は小さく、酸素を取り入れながらエネルギーを燃焼しやすい身体を作るのが目的なので、毛細血管を拡張させて丈夫にする効果が得られるトレーニング法です。
[/surfing_su_note_ex]炭酸風呂に入る
入浴も血行を良くする方法のひとつですね。できればシャワーだけでなく、湯船にしっかり入って身体を温めて下さい。
せっかくですから、炭酸ガスの出る入浴剤を使って、炭酸風呂にしてみてはいかがでしょうか。炭酸ガスには血行促進効果があるので、血流が良くなって冷え性を改善するとともに、疲労回復にも役立ちます。
静脈マッサージをする
血行を良くして毛細血管を丈夫にするには、心臓に戻りにくくなっている血液をしっかり戻してあげること。それによって全身の血行が良くなるので、毛細血管にも血液が行き渡るようになります。
- 足先をよく揉もみます。
- 温まってきたら足首から膝下まで、下から上に向かってマッサージします。
- 膝下からももの付け根に向かってマッサージします。
- 次は手を。指先から手の平にかけて気持ちがよい程度の強さで揉みます。
- 手首からひじ、脇の下に向かってマッサージします。
お風呂上がりなど、身体が温まっている時にやると効果的です。最後にストレッチをすると血管もよく伸びて気持ちがいいですよ。
青竹踏みをする
冷え性で足の先まで冷たくて痛い、だけど運動は苦手、という人は青竹踏みをしてみましょう。足の裏には毛細血管がたくさん集まっていますし、内臓の反射区もたくさんあります。
足の裏を刺激することで血行が良くなり、身体が温まります。竹を踏むだけですからテレビを見ながらでも出来ますね!
血管を丈夫にする物を摂る
毛細血管が劣化してゴースト化するとどんどん数が減少してしまいますから、血管壁自体を丈夫にしていく必要があります。そのためには血管を作るたんぱく質を補うことと、「Tie2(タイツー)」という物質を増やすことが大事だといわれています。
このTie2は、血管の外側と内側の細胞をくっつける働きがあり、毛細血管を強化する物質として注目されています。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]筋肉も血管もたんぱく質でできています。コラーゲンはたんぱく質の一種ですが、肌の弾力を保つだけでなく、血管の柔軟性を保つのにも必要なもの。身体のあらゆるところで使われていますから、年齢とともに減少するの補っていかないと、当然血管も弱ってしまうのです。
お肌のためだけでなく、血管の強化のためにもコラーゲンが必要です。豚足や手羽先を食べても分子が大きくてなかなか身体に吸収されないので、低分子コラーゲンをサプリメントの形で摂った方が効果的です。
プラセンタに含まれる繊維芽細胞成長因子は、コラーゲンなどを作り出すために必要な繊維芽細胞を活性化させる働きがあります。
傷ついた細胞組織を修復するので、毛細血管の劣化を防ぎ、新たな毛細血管を作り出すのにも役立ちます。
よく発達している筋肉には丈夫な毛細血管が通っています。そして筋肉を発達させるためには筋トレと同時にプロテインを摂取すると効果的。
運動後30分以内にプロテインを摂ることで筋肉の回復が早くなり、毛細血管も丈夫になっていきます。
ルイボスティーにはTie2を活性化させる働きがあることがわかっています。ノンカフェインなので寝る前にも飲むことが出来ます。
ほんのり香ばしい、干し草のような香りのするお茶です。1日3杯程度で効果が出るそうですよ。
ビタミンPとも呼ばれる、水溶性のビタミンです。ビタミンCと協力して、毛細血管を強化する働きがあります。
柑橘系の果物やそばに多く含まれます。特に皮の部分に多く含まれていますが、袋には実の50倍、筋には300倍も含まれています。みかんは筋を取らずに薄皮ごと食べた方がヘスペリジンをたっぷり摂ることができるんですね。
ブルーベリーの色素成分としておなじみのアントシアニン。青紫色の色素で、強力な抗酸化作用をもつポリフェノールの一種です。
下記のような食べ物に多く含まれます。
- ブルーベリー
- ビルベリー
- ブドウ
- 赤ワイン
- 茄子
- 黒豆
- 紫芋
スーパーで売っている生のブルーベリーより、野生種のブルーベリーの方がアントシアニンの量は多いので、フルーツとして食べるよりサプリメントを利用する方がいいかもしれません。
シナモンは古くから漢方薬にも使われており、鎮痛剤や胃腸薬としても人々の役に立ってきました。
シナモンに含まれるケイ皮アルデヒドという刺激の強い成分にTie2を活性化させる働きがあることがわかっています。血管の炎症を抑えて強化することで、毛細血管を丈夫にして増やします。
ホットワインがおすすめ!身体が冷えているなと感じたら、赤ワインでホットワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。ホットワインとはヨーロッパではメジャーな飲み物で、スパイスやフルーツ、はちみつなどを温めたワインに加えて飲みます。
赤ワインにオレンジの輪切りとシナモンパウダーを加えて鍋で温めるだけ。赤ワインの渋味が苦手な人は蜂蜜を加えるといいですし、アルコールが苦手な人は半量をフルーツジュースにするといいですよ。
これで、赤ワインのアントシアニン、オレンジのヘスペリジン、シナモンが同時に摂れてしまいます。
血流を良くする物を摂る
血管を修復しつつ、血流も良くしていく必要がありますね。血行を良くすることで血管のゴースト化を防ぎましょう。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]身体を温める食材の代表といってもいいかもしれません。ショウガには、ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールという、3つの血行促進成分が入っています。
ただし、ジンゲロンとショウガオールは、ジンゲロールを加熱または乾燥することによって出来る成分です。つまり、生姜は生のまますりおろしたりみじん切りにして食べるよりも、加熱した方が血行促進作用がアップするということ。
それには炒め物やスープに入れたり、ショウガ湯などを作って飲むといいでしょう。はちみつとチューブのすりおろし生姜を少しお湯に入れれば簡単に出来ますよ。
ピクノジェノールとは、フランス海岸松の樹皮から採れる物質です。血管の柔軟性を増し、血液をサラサラにすることによって血行を促進する作用があります。
また、体内のビタミンCを保護する働きもあり、コラーゲン生成に役立つ成分でもあります。
ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類にはアミノ酸が豊富に含まれていますが、そのうちのアルギニンが血行促進に役立ちます。
アルギニンには血管拡張作用があるので、血流が増えて血行がよくなります。
沖縄県八重山地方の特産物で、胡椒の一種です。島こしょう、ヒバーチ、ピヤーシなどと呼ばれることもあります。
ピペリンという唐辛子にも入っている成分が身体を温めて血行を良くしてくれます。沖縄ではそばにいれたり、肉料理の臭みを消すなどポピュラーなスパイスだそうですよ。
麦茶ってあんまり栄養がなさそうに見えあますが、そんなことはありません。麦茶にはピラジンという血流を改善する働きのある成分が入っています。
麦茶の香りにも血流をよくする効果があるので、ダブルの効果で毛細血管の強化をサポートしてくれます。冬はホットで飲むといいかもしれませんね。
サバやサンマ、味などの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は血液をサラサラにして血栓を防ぎ、血流を良くする働きがあります。
まとめ
血管が減っていくなんて思いもしませんでしたが、使わなければどんどん劣化していくんですね。たかが冷え性だなんて思っていると、美容にももちろんよくないですし、思わぬ病気の原因になりそうです。
今回、毛細血管を強化するための方法をたっぷりご紹介しましたので、ご自分のライフスタイルにあわせて、出来るものから試してみて欲しいと思います。