「モナリザ症候群」という名前を聞いたことはあるでしょうか。
“モナリザ”と言えば、あの有名な絵画を思い浮かべる人は多いと思いますが…。この不思議な名前の症候群、いったいどのような症状のことを言うのでしょうか。
一説には、日本人の多くがこのモナリザ症候群にかかっているとも言われています。
これを読んでいるあなたも、自分では気づかずにモナリザ症候群にかかっているかもしれません。
原因や対策などをご紹介していますので、症状に思い当たるところがある人は、ぜひ参考にしてみてください。
モナリザ症候群とは?
食べていないのにどんどん太っていくのが、モナリザ症候群の症状。ダイエットしているのに全く痩せず太っていったり、ちょっと物を口にしただけなのに、体重が増えたりします。
「Most obesity known are low in sympathetic activity」という文章の文字を取り、「MONALISA」と付けられています。
この文章を日本語に訳すと、「肥満患者の多くは交感神経の機能が低下している」という意味。これは、1991年にアメリカのジョージ・プレイという研究者が提唱した説とのこと。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「モナ・リザ」とは、実は全く関係がありません。
モナリザ症候群の原因は?
モナリザ症候群は、自律神経のバランスが崩れ、特に交感神経がうまく働いていないことが原因と言われています。
交感神経の働きが鈍ると食べてもエネルギーが消費されないため、どんどんと太ってしまうのです。
自律神経のバランスを崩す要因としては、下記のようなものが挙げられます。
- 昼夜逆転の生活
- 不規則な生活リズム
- 運動不足
- ストレス
交感神経を含む“自律神経の働き”について簡単に説明します。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。
交感神経とは、私たちが活動する際に働く神経のこと。逆に、休んだり眠ったりするときに働くのが、副交感神経。
昼は交感神経を優位にさせて活発に、夜は副交感神経を優位にさせて、休息モードに。これが、正常な自律神経のバランスです。
交感神経が働いている時と、副交感神経が働いている時とでは、エネルギー消費量に違いがあります。
当然、心身ともに活発化している交感神経が優位の時の方が、エネルギー消費量は多くなります。まったく同じ動作をしていても、その消費量には違いが出るようです。
モナリザ症候群の改善法は?
モナリザ症候群を改善するためには、何よりも生活リズムを整えることが大切。ここでは、朝・昼・夜に分け、生活リズムを整えるためにできる13の対策を紹介します。
朝
朝は、しっかりと体を目覚めさせることが大切。
起きてすぐ、朝日を浴びるようにしてください。朝日には、体内時計を整える作用があります。
また朝日を浴びると、眠気を引き起こすホルモンの分泌が減り、覚醒させる働きのあるセロトニンも活発化します。
起き抜けにコップ一杯の水を飲むようにしてください。朝、水を飲むことで自律神経は刺激を受けます。
また、睡眠中に失われた水分を補給する意味でも、起きてすぐの水分補給は重要です。
朝起きて、そのまま軽いストレッチをしてみてください。体が少しずつ温まり、硬くなっていた関節もほぐれます。
時間に余裕があれば、短時間でもいいので熱いシャワーを浴びるといいでしょう。体も温まり、脳も体もシャキッとできます。
また、寝ている間にかいた汗も流せるので、さわやかな朝を過ごすことができます。
朝ごはんは必ず食べるようにしましょう。食べると脳や内臓に刺激が加わり、目覚めを促進します。
その刺激が排便につながるため、すっきりと一日をスタートすることにも。
昼
昼は、意識して体を使うようにしてください。とは言え、育児や仕事などでそんな時間がないという人も多いのではないでしょうか。
でも、毎日の生活の中でちょっとずつ活動量を増やすことは可能です。
たくさん歩けば歩くほど、昼の活動量は増えます。電車の場合はひと駅前で降りて歩く、なるべく散歩をする、近い場所なら車を使わない…など、ちょっとの工夫で歩数は稼げます。
歩数計でチェックをすると、歩数が数字として見えるのでモチベーションもアップ。スマホのアプリでも歩数計はたくさん出ているので、利用してみてください。
移動の際は、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うようにしましょう。
少しのことですが、トータルの活動量アップにつながります。
スクワット、腕立て伏せ、腹筋トレーニングなど、短時間でもいいので筋トレを取り入れられるといいでしょう。
日中は仕事などで難しいという場合でも、休憩中に10回スクワットをするなど、ちょこちょこ筋肉への刺激を加えられるとベスト。
夜
夜はゆったりとリラックスして過ごすようにしましょう。そうすることで、質のいい睡眠を取ることができ、ストレスの軽減にもつながります。
明るすぎる照明は控えましょう。暗めの間接照明や、キャンドルを利用して、リラックスした雰囲気を整えてください。
就寝前のパソコン、スマホ、テレビなどは脳を興奮させ、質のいい睡眠の妨げになります。
特に、パソコンやスマホから発せられるブルーライトは覚醒作用が強く、うつや不眠症の原因になるとも考えられています。
できれば22時までに、それが難しければ0時までには就寝するようにしましょう。
夜更かしすればするほど、朝早く起きるのが辛くなり、日中の活動も億劫になり…と悪循環を招きます。
コーヒーや紅茶など、カフェインを多く含むものは夜は取らない方がいいでしょう。
カフェインには覚醒作用があるため、寝つきが悪くなります。
関連記事:カフェインが原因!コーヒーの飲みすぎによる影響&4つの対策案
寝る前に、ゆっくりとした動作のストレッチやヨガを取り入れると、リラックスして就寝することができます。
ストレッチやヨガをする際は、深い呼吸を意識するようにしてください。ゆったりとした呼吸が日中の興奮を抑え、眠りにつく準備を整えてくれます。
まとめ
朝はしっかり目覚め、昼は思いっきり活動し、夜はゆっくり就寝する…。この当たり前とも言える人間の1日のサイクルですが、忙しい現代人は狂いがちなもの。
その結果、自律神経に変調をきたし、モナリザ症候群になってしまうのですね。
自律神経の崩れは、モナリザ症候群に限らず体に様々な悪影響を与えるもの。できる範囲で、生活リズムを整えていけるといいですね。