近年、マツエクは特別なことではなく、女性に大人気の美容アイテムになりました。その魅力は、整形手術よりずっと低価格で、手軽に理想の目元を手に入れられるところにあります。
ですが、いくら整形手術より低価格だとはいっても、決して安い金額ではないので、やはりマツエクがどのくらい持つのかは気になります。
しかし、マツエクの持ちは、良くなることもあれば悪くなることもあるのです。
ここでは、マツエクの持ちを左右する要因について詳しく解説します。また、長持ちさせるための方法についても説明しましょう。
マツエクの持ちはどれくらいなの?
一般的にマツエクの持ちは、およそ3週間~1か月くらいだとされています。この日数は、まつ毛の毛周期に関係しています。
まつ毛の毛周期とマツエクの持ち
日本人の上まつ毛は、平均片目で約100本~180本あり、まつ毛は1日に平均5本が抜けて生え変わっています。
1日5本が抜けると、3週間では105本になり、約3週間で全てのまつ毛が生え変わることになります。
したがって、施術後、2週間くらいまではキレイな状態がキープできますが、その後は徐々にマツエクが取れたり、まつ毛自体が自然に抜けていくため、だんだんボリュームがなくなってしまうのです。
マツエクの持ちを左右する要因は?
マツエクの持ちは、装着するマツエクの種類によっても変わってきます。マツエクの種類には、毛質、カール、太さ、長さなどがあります。
また、選ぶマツエクの種類や組み合わせだけでなく、サロンの技術によっても持ちに違いが出てきます。
マツエクの毛質による違い
マツエクの毛質には、シルク、ミンク、セーブル、と大きく分けて3種類があります。
実はこの3つは、仕上がりがそのような風合いだというだけで、すべてが「ナイロン素材」で出来ています。
なかには、本当に動物の毛から作ったエクステを使用しているサロンもあるようですが、クセがついて扱いにくく、そのうえ非常に高価格になるため、ほとんどのサロンでは人工毛を使用しています。
シルクの特徴
シルクは、3種類のなかでは一番リーズナブルです。そのため、チャレンジしやすい毛質だといえます。
マツエクは一度したら終わりではなく、必ずリペア(メンテナンス)が必要なので、そのことも考えると、リーズナブルなシルクは費用を抑えることができます。
自まつ毛の質感とは異なり、ツヤがあり弾力があります。
固めの質感のため、ドールのようなぱっちりとした目元に仕上がり、つけまつげのような存在感を得られます。まつ毛のインパクト重視やボリューム重視の人に向いています。
ゴワつきを感じることもありますが、カールの持ちが良いのも1つの特徴です。
毎日のケアをしっかりしないと、取れやすいのが弱点です。いくらリーズナブルだとしても、すぐに取れてしまっては、継続するのにお金がかかるため、逆に高くなってしまう恐れがあります。
ミンクの特徴
ミンクは、3つの毛質の中でとても人気の高い毛質です。柔らかい素材のために、軽いつけ心地で、自まつ毛に与えるダメージも少ないとされています。
ナチュラルな印象で、オフィス使いにも向いています。
自まつ毛にしなやかにフィットするため、シルクよりも持ちが良いのが特徴です。つけ心地が良いので、マツエク初心者にもぴったりです。
マットな仕上がりで、量や長さなどを調節するとフサフサになり、ゴージャス感を演出できます。ただ、カールの持続性はあまり良くありません。
セーブルの特徴
3つの中では、もっとも自然のまつ毛に近いのが特徴です。その分、高価なため、高級なマツエクだといえます。
人工毛にありがちなゴワつきがなく、柔らかな素材です。セーブル特有のしなやかさから自まつ毛に馴染みやすく、エクステの持ちも、3つのうちで最も良好です。
また、カールの持ちも非常によく、理想のカールが長持ちします。
軽いつけ心地を実現できるため、自分のまつ毛が伸びたような印象で、もっともナチュラルな仕上がりです。その軽さは、マツエクをしているのを忘れてしまう人もいるほどです。
自まつ毛へのダメージがもっとも少ないのも、セーブルの大きなメリットです。
マツエクのカールによる違い
マツエクは、カールの種類によって目元の印象が変わります。
通常、Jカール、Cカール、CCカールの3種類があります。サロンによっては、呼び名が異なっていることや種類がもっと多いこともあります。
Jカール
アルファベットの「J」のイメージから名付けれらていて、根元から毛先までが緩やかなカールです。日本人のまつ毛のカールに近いため、違和感なく一番ナチュラルな仕上がりになります。
また、地まつ毛との接着面が大きいため、非常に持ちが良いのが特徴です。正面から見たときに、エクステの毛先があまり上がって見えない方が好みだという人に向いています。
Cカール
一番人気のあるカールで、まつ毛パーマをしたようなカールのマツエクです。丸みのあるカールなので、つけまつげとは異なり、目元の見え方は自然です。
パッチリとしたキュートな目元になるため、目を大きく見せたい、可愛らしい印象になりたい人というにオススメです。ただし、接着面の大きさからすると、持ちはJカールには劣ります。
CCカール
Cカールよりもさらに強いカールで、目元をよりパッチリと演出できます。
写真に映ったときにも、印象的な目元になりやすいのが特徴です。日頃からつけまつげをしていた人や、つけまつげみたいなしっかりとしたカールが好きな人に向いています。
ただ、カールが強い分、自まつ毛との接着面が少なくなるため、持ちは一番劣ります。
マツエクの太さによる違い
マツエクは選ぶ太さによって、仕上がりの濃さが変わり、また持ちにも影響します。
濃さを調節する場合、太さを増して本数を減らすより、細目のエクステを選んで本数を増やす方が、持ちは良くなります。また、その方が地まつ毛への負担も軽くなります。
マツエクが太く重くなればなるほど、自まつ毛へのダメージは大きくなり、持ちが悪くなるのです。自まつ毛への負担を考えると、自分のまつ毛にプラス0.1mくらいの太さがオススメです。
サロンでの取り扱いが多く、人気のある太さは、次に挙げる3つのタイプです。
0.12mm:自まつ毛に馴染んでナチュラル
日本人の自まつ毛の平均的な太さは、0.12mmといわれています。
自まつ毛と同じ太さなら、見た目も自然で違和感なく仕上がります。軽いので自まつ毛に負担にならず、マツエクが長持ちします。
0.15mm:マスカラを塗ったような印象
マツエクをするなら、マスカラを塗ったような濃さに仕上げたいという人にオススメで、サロンでも一番人気があります。マスカラを塗る必要がなく、メイク時間を短縮できます。
ただし、0.12mmと比較すると持ちは劣りますが、アフターケアをしっかりすることで、持続期間を延ばすことは可能です。
0.18mm:つけまつげ並みのボリューム
つけまつげのようなボリュームと派手なメイクが好みなら、この太さがいいかもしれません。ただし、それだけ重さも出てくるため、持ちにはあまり期待できません。
0.2mm:イベントなど短期間向き
ここまでの太さになると、自まつ毛とのバランスが悪いため負担も大きく、しばらくするとカールにバラつきが出てきて、見た目にも美しくありません。
持ちも悪く、1週間~2週間持つか持たないかという程度のため、イベント用に1日~3日くらいキレイに付いていればOKという人にしか向いていません。
日常的にマツエクをしていたいのなら、自まつ毛に負担の少ない太さを選んだ方がよいでしょう。
マツエクの長さによる違い
日本人女性の平均的なまつ毛の長さは、6.8mmだといわれています。
マツエクは、長ければ長いほど良いかというとそうではなく、マツエクと自まつ毛とのバランスが大事です。バランスが悪いと、かえって目が小さく見える場合もあります。
また、マツエクが地まつ毛の負担になると、どうしても取れやすくなるため、負担をかけずに美しく見える長さは、自まつ毛にプラス2mmだとされています。
8mm、9mm
ナチュラルな仕上がりで、自まつ毛に負担なく、自然にまつ毛が増えたような印象になります。エクステの持ちは良好です。
10mm、11mm
あまりにナチュラル過ぎるよりは、目をぱっちりと見せたいと思う人に向いています。自まつ毛への負担も少なく、持ちも悪くありません。
12mm、13mm
派手な目元が好みで、濃く仕上げたいという人に向いています。
ただし、自まつ毛には負担になりやすい長さのため、自まつ毛が短めの人には向いていません。また持ちにもあまり期待できません。
マツエクの本数による違い
自まつ毛1本にマツエク1本を付けるのなら、通常はマツエクの本数によって持ちが変わることはありません。
ただし、自まつ毛1本に対して数本のエクステを付ける施術の場合は、通常のマツエクよりは自まつ毛への負担が大きく、持ちも悪くなります。
サロンによる違い
サロンによって、施術者の技術やグルーの品質が異なります。
施術者が高い技術で、高品質なグルーを使用していれば、マツエクがすぐに取れたりする可能性は低いといえます。
一方、施術者の技術が低く、粗悪なグルーを使用していたとすれば、その持ちには期待できないでしょう。
格安のサロンには要注意
1回のマツエクの平均的な費用は、本数やマツエクの材質によっても異なりますが、だいたい5000円~6000円です。
サロンの中には、つけ放題で2980円などといった格安を売りにしているところがあります。
ですが、そのようなサロンでは、粗悪なグルーを使用している恐れがあり、経験や知識の未熟な施術者が行っている可能性もあります。
いくら1回は格安でできたとしても、マツエクの持ちが悪く、すぐに取れてしまっては、たとえ格安でも意味がありません。また、そのようなサロンでは、目のトラブルになることも多いため、安さだけで選んでは危険です。
関連記事:マツエクを受ける前に確認を!目元のトラブル&対処法【体験談あり】
持ちが良すぎるサロンには要注意
マツエクの持ちは、まつ毛の毛周期に関係しているため、ケアをいくらしっかりしていたとしても、せいぜい1か月くらいのものです。
「2か月以上持ちます」や「3か月持ちます」などといった宣伝をしているサロンは信用できません。中には、皮膚に直接マツエクを付けたりする悪質なサロンもあるのです。
信頼できるサロン
自まつ毛の状態は、本来一人ひとり違うため、カウンセリングがもっとも重要になります簡単な説明だけしか行わないサロンや一方的な説明をするサロンは、信頼できるとはいえません。
クチコミをチェックして、サロンがカウンセリングを重要視しているかどうかを見極めましょう。
初来店の人ばかりが多いサロンは要注意です。そのサロンの技術や接客が良ければ、当然リピート客が多いはずです。
リピート客が多いかどうかも、クチコミからチェックすることができます。
マツエクを長持ちさせる方法は?
せっかくマツエクをして魅力的な目元になったのなら、少しでも長持ちさせたいものです。実は、日々のちょっとしたケアの工夫で、マツエクは長持ちさせることができます。
マツエクの持ちをよくする方法を、3つの秘訣に分けて紹介しましょう。
スキンケア・メイクの秘訣
クレンジングはオイルフリー
マツエクのグルーは油分にとても弱く、油分との接触がグルーの接着力を弱めてしまいます。毎日のクレンジングは、オイルを含有していないジェルやリキッドなどウォーターベースの物を使いましょう。
グルーは油分とともに水分にも弱いため、化粧水や乳液などのスキンケアをする際には、まつ毛に触れないように気をつけて行います。
もし、まつ毛に付いてしまった時には、すぐに綿棒などでやさしく取り除きましょう。
関連記事:マツエク中に使えて長持ち!市販で人気のおすすめクレンジング5選
マスカラは原則NG
マツエクにマスカラをしてしまうと、クレンジングの際にまつ毛を触ることになり、また場合によっては強力なクレンジング剤が必要になり、グルーを弱めてしまいます。
お湯でオフできるタイプであっても、成分がグルーと合わない場合もあります。どうしてもマスカラをしたい日には、マツエク専用のマスカラを使うようにしましょう。
マスカラと同様にビューラーもNGです。もっとカールを出したいと思ってビューラーを使ってしまうと、マツエクが取れてしまう恐れがあります。
場合によっては、自まつ毛ごと抜けてしまう可能性もあります。
マツエクをクシでとかす
マツエク後、しばらくして自まつ毛が伸びてくると、マツエク同士が絡まりやすくなります。それを放置しておくと、向きがおかしくなったり、取れやすくなったりします。
まつ毛専用のコームで、毛先からゆっくりと優しくとかして整えましょう。急いで力を入れてしまったり、いきなり根元からとかそうとすると、マツエクが取れてしまう可能性があります。
まつ毛美容液を使う
マツエクを長持ちさせるには、自まつ毛が元気でなければなりません。自まつ毛が弱いと、マツエクをしっかり装着することができず、すぐに抜けてしまったりします。
マツエク中も、まつ毛美容液でケアをして、常に健やかな自まつ毛を保ちましょう。その際には、マツエク可能と記載のある美容液を選んでください。
日常生活での秘訣
顔にはシャワーを浴びない
シャワーを直接顔に浴びると、蛇口より何倍もの水圧がかかることになります。マツエクに大きな負担になるため、顔にシャワーを浴びるのは厳禁です。
お湯や水を手ですくって洗う時にも、目の周りはソフトタッチで洗い、やさしく洗い流すように心がけましょう。
関連記事:マツエクをつけた日のお風呂は何時間後から入れるの?入り方&注意点
まつ毛が濡れたら乾かす
グルーは濡れたままにしておくと、剥がれやすくなります。濡れたら、必ずやさしく水分を吸い取るようにします。
お風呂やシャワーの後は、ドライヤーの冷風でまつ毛を乾かすのがポイントです。その際には、ドライヤーを顔から30cm以上離して、弱風で下からあてるようにします。
目元は触らない
目元を触ると、手の皮脂や雑菌がまつ毛に付きやすくなります。また、こすってしまうと摩擦でエクステが取れやすくなります。
うつぶせ寝は要注意
うつ伏せに寝ると、枕にマツエクが強く擦れてしまうため、非常に取れやすくなります。また、横向きに寝る場合にも、下側の目尻部分にクセが付きやすくなるため、注意しなければなりません。
できるだけ仰向けに寝るように心がけましょう。
メガネやサングラスにも注意
普段はコンタクトレンズをしていたとしても、家でメガネをかけている人やよくサングラスをする人は、マツエクの長さやデザインに注意が必要です。
まばたきの度にマツエクがレンズに当たっている状態では、取れる可能性が高くなります。前もって施術者の人と相談してから、マツエクの種類を決めることがオススメです。
マツエクのメンテナンスの秘訣
マツエクは施術後、2週間を過ぎると初めのキレイな状態を保てなくなってくるため、しばらくするとメンテナンスが必要になります。
マツエクのメンテナンスは、全部を付け替える以外に、取れた部分だけを付ける「リペア」を行うことが可能です。リペアは、一部のみの本数でよいため、費用を抑えることができます。
一見、リペアを繰り返していると、マツエクを常にキレイに保てるように思えますが、実はそうではありません。
一部しか取り替えないので、自まつ毛には汚れや皮脂が残っている状態になるのです。この汚れの蓄積は、自まつ毛に大きな負担になってしまうことがあります。
長い目で見て、マツエクの持ちを良くしようと思えば、リペアを2回行ったら一度マツエクを全部取り外して、汚れた自まつ毛をキレイにすることが大事です。
そして、自まつ毛の汚れをしっかり落としてから、再度新しくエクステを装着することで、マツエクを長持ちさせることができます。
まとめ
マツエクを長持ちさせるための方法をまとめると、重要なことは以下の3つです。
- 持ちの良いマツエクの種類を選ぶ
- 自まつ毛に合ったマツエクをする
- マツエクのケアをしっかりとする
マツエクのオシャレを長く楽しむために、ぜひ、参考にしてみてくださいね。