飲む点滴と名高い甘酒ですが、慣れないうちはどうしても飲みづらいもの。そこでおすすめなのが、同じ米こうじで作るこうじ水です。
甘酒と同じくらい栄養豊富なのにすっきりしていて飲みやすく、また、作るのも保存も非常に簡単です。
もし味が苦手だったとしても、化粧水や入浴剤としても使えるので安心ですね。
今回は有能で便利なこうじ水についてお伝えいたします。
こうじ水とは?
こうじを水に漬けて作るのがこうじ水です。飲み物・化粧水・入浴剤と多岐にわたって使用でき、豊富な栄養と効果を持つことがわかっています。
米や大豆などを蒸したものに麹菌をつけて培養させたものがこうじです。
こうじは豊富な酵素を含んでおり、その数はなんと30種類以上。消化を助けるアミラーゼ、内臓脂肪の分解に役立つリパーゼなど、体の内側から整えてくれる酵素が豊富に含まれています。
お肉を塩こうじに漬けると柔らかく風味がアップするのも、それら酵素の働きによるものです。
ちなみに、こうじには以下のような効果があります。
- 食べたものを分解し、消化・吸収を促す
- 吸収した栄養素を無駄なくエネルギーへ変換する
- ビタミンの生成
- 善玉菌のエネルギー源となる物質を作り出す
こうじ水で期待できる効果は?
便秘解消
こうじが持つ豊富な酵素は、消化を促すものや胃腸を整えるものも多いことから、便秘解消への効果も期待ができます。
腸は第二の脳と呼ばれるほど体へ多くの影響を与える器官です。体の調子が悪いと感じたら、こうじ水を飲んで腸内環境を整えることで、便秘以外に体調面もよくなっていくかもしれません。
肥満を防ぐ
こうじに含まれるビタミンB1・B2が代謝を促し、肥満を防いでくれます。
詳しくお伝えすると、ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質の代謝をそれぞれ補助するため、食べたものをしっかりとエネルギーに変えてくれるのです。
また、こうじが持つ抗酸化作用がストレスなどによる活性酸素を除去する働きを持つため、ストレスからの肥満を防ぐ効果もあります。
美肌効果
こうじがビタミンB1・B2を持つことはお伝えしましたが、このふたつのビタミンこそ美肌に欠かせない存在なのです。それぞれ以下のような役割を持っています。
- 肌の生まれ変わる周期を一定にする
- 皮脂の不足や過剰な分泌を防ぐ
- 細胞の再生を促す
- 粘膜を丈夫にし肌を内部から保護する
また、こうじに含まれているこうじ酸には、メラニンの生成を抑える働きがあるため、シミへの効果も期待できます。
疲労回復
ビタミンB1が糖質の代謝を促すことはお伝えしましたね。
糖質の代謝を促すということは、エネルギーを作り出すこと。それによって体の疲れを回復させる効果も期待できます。
疲れ気味の方や、なかなか疲労感が取れない方はこうじ水を飲まれることをおすすめします。
アレルギー症状や生活習慣病の緩和
こうじ水は、花粉症をはじめとするアレルギー症状や、高血圧、糖尿病のような生活習慣病にも効果が期待できるとされています。
腸内環境が整うことで代謝がアップし、血行が改善され、過剰な脂質が外へと排出されるためだと言われています。
こうじ水の作り方や保存法は?
こうじ水の作り方
- 米こうじ100g
- ミネラルウォーター500ml
1.不織布にこうじを包むように入れ、口をくくるか、輪ゴムで縛めます。
※不織布はダイソーなどの100円ショップに売っています。
今回購入したのは、ダイソーブランドの不織布 排水溝用という商品です。55枚入りで108円なのでかなり使えますね。
2.ガラス瓶やボウルなどの1リットルくらいの容器に1のこうじと水を入れて、冷蔵庫に保管します。
3.冷蔵庫で一晩(およそ8時間)寝かせれば完成です。
そのまま保存する場合、こうじは絞って取り除いてください。もしこうじが水にこぼれ出てしまったら、茶こしなどでこせば問題なく使えます。
使ったこうじはその後、3回ほど繰り返し使うことができます。
使い切った後に残ったこうじの使い道は?
入浴剤として使う
もっともお手軽なのが、布ごとお風呂に入れて入浴剤として使うことです。
繰り返し使ったとはいえ、こうじは残っていますので、これだけで酵素風呂の完成です。
こうじ納豆の材料として使う
私はこうじ納豆の材料として使いました。米麹はこうじ水を作る際に水に漬けて既にやわらかくなっているので、漬ける手間が省けます。
こうじ納豆の作り方をご紹介します。
- 米麹:100g(こうじ水で使ったもの)
- 納豆:2パック
- ニンジン:1本(40~50gほど)
- 塩昆布:10g
- 醤油:70cc
- みりん:70cc
1.ニンジンを食べやすいサイズに千切りにします。
2.お鍋に醤油とみりんを入れて、火にかけてひと煮立ちさせます。
3.2にニンジンを入れて、混ぜ合わせた後に火を止めます。
4.3に米麹を入れて少し冷まします。
5.4に納豆と塩昆布を入れてよく混ぜ合わせます。
6.保存容器に入れて、米麹自体が柔らかいのであれば、一晩冷蔵庫で寝かせれば完成です。
ご飯との相性がバッチリで、とても美味しいですよ!
残ったこうじ納豆は、冷蔵庫で保存して、できるだけ早めに食べるようにしましょう。
保存方法
基本的な保存は冷蔵庫で行います。冷水用のポットが扱いやすく便利です。
注意点として、金属製のボトルに保存すると、麹菌の発酵により変形する恐れがあります。保存にはポット以外にも、ガラス製のボトルやペットボトルもおすすめです。
ドリンクとして使う場合、作った日から3日以内に飲み切ってください。
こうじ水の飲む量や飲み方は?
健康にも美容にも良いこうじ水ですが、悩むのがその飲み方です。
栄養の豊富な飲み物のなかには、一度にたくさん飲んでしまうとお腹を壊してしまうものもあります。こうじ水はどのように飲むのが最も体に良いのでしょうか。
おすすめは1日コップ1杯を3回
こうじ水の飲む量・飲み方としておすすめなのは、1日にコップ1杯を3回飲むことです。
もちろん1日に3杯以上飲んでも問題ありませんが、体質によっては、こうじ水ばかり飲んでいるとお腹を下してしまうケースもありますので、1日に飲む量はコップ3杯と考えておくのがよいでしょう。
飲むタイミング
こうじ水が持つ栄養をより体に吸収するためには、以下の2つのタイミングで飲むのがおすすめです。
起床後の水分補給が体に良いことは有名ですが、寝起きの1杯をこうじ水に変えても効果は抜群です。
起きたあとの体は必ず水分が不足しており、老廃物も溜まった状態です。
栄養満点のこうじ水を飲むことで、水分補給と同時に老廃物の排出を促し、体中にこうじの栄養を行き渡らせることができます。
こうじ水には糖質と脂質の代謝を促す効果があるため、食事の前後に飲むことでより効果を発揮させやすくできるのです。
長期的に飲み続けることが大切
こうじ水を飲む際、最も大切なのが長期的に飲み続けることです。どんなに優れた栄養も、三日しか摂れなければ体に還元できずに終わってしまいます。
飲む量や飲み方にこだわらず、少しずつで良いので毎日飲むことを目標にされてくださいね。
もし化粧水として使う場合、アレルギー反応がないか必ず二の腕の内側などでパッチテストを行ってから使用されてください。
こうじ水を飲んでみた感想は?
甘酒を置いていると、上澄みがこうじ水とよく似ていますので、飲む前はこれに近いのかなと少し思っていました。
しかし、においは甘酒のようですが、味はかなり薄いです。
甘酒を水で20~30倍ほど薄めた味で、甘味などはほとんどありません。
もし美味しさを求めているなら、継続して飲むのは難しいかもしれませんね。
ただ、甘酒のような強い甘みやクセが少ない分、コップ一杯くらいであれば一気に飲めるかなとは思います。
まとめ
米こうじはスーパーなど身近な場所で手に入りやすいため、簡単に作ることができます。
腸内環境を整えたい方、花粉症を抑えたい方、生活習慣病が気になる方は挑戦されてみてはいかがでしょうか。