褐色脂肪細胞はダイエットの味方!?活性化させる為の5つの方法

細胞健康

女性なら誰もが憧れる、太りにくい体質。それに深く関わっているのが、褐色脂肪細胞です。

そこで、褐色脂肪細胞とはどういった細胞の事なのか、多い場所や役割などの特徴を徹底解説します。

さらに、活性化させることによってダイエット効果は期待できるのかについて考え、活性化させる方法もみていきましょう。

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褐色脂肪細胞とは?

褐色脂肪細胞が多い場所

褐色脂肪細胞は脂肪細胞の一種ですが、体内では次のような限られた場所にしかありません。

褐色脂肪細胞が多い場所

  • 首の周辺
  • 腎臓の周辺
  • 肩や肩甲骨の周辺
  • 脇の下

褐色脂肪細胞の量

褐色脂肪細胞の量は、成人で40gほどです。さらに、年齢とともに減少し、40代になると、生まれた時の3割ほどになっています。

歳をとるにつれて基礎代謝が低下するのも、褐色脂肪細胞の減少が関係しています。

白色脂肪細胞との違い

褐色脂肪細胞と同じ脂肪細胞に、白色脂肪細胞というものがあります。

白色脂肪細胞は、私たちがイメージする「脂肪」に近いもので、摂取カロリーが消費カロリーを超えた時に、蓄積されていきます。限られた場所にしかない褐色脂肪細胞と違って、白色脂肪細胞は、あらゆる場所にあります

特に、下腹部、尻、太もも、上腕部に多く、いずれも脂肪が付きやすい場所ということからも分かるように、白色脂肪細胞が増えることイコール、太るということなのです。

褐色脂肪細胞の役割

褐色脂肪細胞内のミトコンドリアが、白色脂肪細胞を燃焼させ、次のような役割を果たすことで、体内環境を一定の状態に保って健康を維持しています。

体温を一定に保つ

体温が下がった時に、体温を上げて平熱に近づける役割を果たしているのが、褐色脂肪細胞です。

褐色脂肪細胞が白色脂肪細胞を燃焼する際に生じる熱で体温が上がるので、寒い場所では、白色脂肪細胞の燃焼をより活発にし、体温を一定に保っています。

余ったカロリーを消費する

余分にカロリーを摂取した際、褐色脂肪細胞には、白色脂肪細胞を燃焼するエネルギーによって、カロリーを消費する役割があります。

つまり、摂取カロリーと消費カロリーが均等になるようにして、体重を一定に保とうとしているのです。

肥満になる理由

褐色脂肪細胞がいつも余分なカロリーを消費してくれるのなら、白色脂肪細胞が蓄積して太ることはないはずなのに、肥満に悩む人がいるのはなぜなのでしょうか。

その理由として考えられるのは、褐色脂肪細胞が本来のとおりに働いていないということです。

肥満になりやすい体質の人は、食欲を抑制するレプチンが正常に分泌されていなかったり、肥満遺伝子を持っていたりして、褐色脂肪細胞の働きを妨げてしまうのです。

褐色脂肪細胞を活性化させる方法は?

燃える

褐色脂肪細胞は、上述したような特徴から、活性化させることで、ダイエットに効果的ではないかと考えられています。

たしかに、自分が今持っている褐色脂肪細胞を活性化して白色脂肪細胞を燃焼させることができれば、ダイエット効果につながります。

しかし、褐色脂肪細胞は今以上に増やすことができないので、褐色脂肪細胞が少ない人にとっては、少量活性化させたところで、ダイエット効果が顕著ではありません。そのため、褐色脂肪細胞の活性化を利用したダイエット効果については賛否両論あるのです。

ダイエット効果に個人差があることを踏まえたうえで、次のような、褐色脂肪細胞を活性化させる方法を試してみましょう。ダイエット効果があれば持続するようにして、効果が実感できなくても、自分の褐色脂肪細胞が少ないということを認識できます。

自分の褐色脂肪細胞が少なく、消費カロリーが少ないと分かれば、食事を節制したり運動量を増やしたり、カロリーを意識した生活ができて、結果的にダイエット効果が期待できるでしょう。

直接冷やす

体温を上げようとする褐色脂肪細胞の働きを逆手に取って、直接褐色脂肪細胞を冷やすことで、活性化させましょう。首、脊髄、肩や肩甲骨の周りや脇の下を保冷剤や、凍らせた500mlのペットボトルで冷やすようにします。

さらに、温度センサーの役割をしている手を冷やすことでも、体が冷やされたと脳に認識させることができるので、褐色脂肪細胞の活性化に効果的です。

温冷浴を行う

シャワー

20度の冷水シャワーを30秒浴び、その後40度の温水シャワーを30秒浴びるのを、5回程繰り返す、温冷浴を行いましょう。特に、褐色脂肪細胞が多く集まる首を中心にシャワーをかけるようにするのがおすすめです。

高血圧や心臓疾患のある人、体調不良の場合には、急激な温度変化が体に負担をかけてしまうこともあるので、冷水の温度を上げたり、手足だけにシャワーをかけたりと、無理をしない程度にしてください。

温冷浴については下記のページで詳しいやり方についてご紹介していますので参考にしてみてください。

→ 温冷浴とは?期待できる効果は?目的・状況別のやり方まとめ

水泳をする

体を冷やして褐色脂肪細胞を刺激するという点では、スポーツの中で水泳が効果的です。ただし、温水プールではあまり意味がなく、18度以下の水温で泳ぐことをおすすめします。

水中で体の熱が奪われるので、ゆっくり泳いだり、水中ウォーキングしたりするだけでも、褐色脂肪細胞が活性化されるので、運動が苦手な人も無理なくできます。

肩甲骨ストレッチを行う

褐色脂肪細胞が多く存在する肩甲骨を刺激して活性化させる方法として、簡単なストレッチを紹介します。特別な道具も要らないし、仕事や家事の合間に、思い立った時にできるので、気軽に試してみてください。

肩甲骨ストレッチは、次のような手順で行っていきます。

  1. 肩幅くらいに足を広げ、手のひらが体の横側に触れるように両手をまっすぐ下ろす。
  2. 両手をゆっくり挙げて、腕を伸ばしたまま頭の上で手のひらを合わせる。
  3. そのままの体勢で、肩甲骨が中央に寄るように意識して、肘から後ろに引く。
  4. 肩を動かすことを意識して、クロールをするように、片方ずつ腕を回す。
  5. 両手をまっすぐ元の位置に下ろして、深呼吸をしながら背中で手のひらを合わせて合掌する。

脂肪燃焼をサポートする栄養素を摂る

白色脂肪細胞が蓄積して、体の表面に付くと「皮下脂肪」、内臓の周辺に付くと「内臓脂肪」と言われます。

これらの脂肪を燃焼するのに大きな役割を果たしている褐色脂肪細胞にあるミトコンドリアの活性を促したり、褐色脂肪細胞を直接刺激したりして、脂肪を燃焼させるサポートをしてくれる栄養素を上手く食事に取り入れましょう。

ミトコンドリアを活性化する栄養素

サバと豆腐

脂肪酸をミトコンドリア内に運搬する役割のL-カルニチンや、元々ミトコンドリア内に存在するコエンザイムQ10が挙げられます。それぞれの栄養素を多く含む食品は次の通りです。

L-カルニチン
羊肉、マッシュルーム、赤貝、カジキマグロ、牛乳、チーズなど
コエンザイムQ10
イワシ、サバ、牛肉、豚肉、ほうれん草、ブロッコリー、大豆、菜種油など

褐色脂肪細胞に刺激を与える栄養素

唐辛子とコーヒー

脂肪を分解する際の指令を出す成長ホルモンやアドレナリンの分泌を促して、褐色脂肪細胞に刺激を与える役割をするのが、カプサイシンやカフェイン、オルニチンです。

さらに、脂肪を分解する褐色脂肪細胞の働きを活性化させるのが、トナリンCLAやDHA、EPA、カテキンです。それぞれの栄養素を多く含む食品を次にみていきましょう。

カプサイシン
唐辛子、キムチ、豆板醤、ラー油、コチュジャンなど
カフェイン
コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、ココア、チョコレートなど
オルニチン
しじみ、ヒラメ、キハダマグロ、チーズ、えのきなど
トナリンCLA
牛肉、鶏肉、ベーコン、菜種油、大豆油、乳製品など
DHA
サバ、イワシ、うなぎ、鮭、筋子など
EPA
マイワシ、サンマ、ブリ、クロマグロ、うなぎ、マアジなど
カテキン
緑茶、ウーロン茶、紅茶など

まとめ

「脂肪細胞」と聞くと、体内に存在して欲しくないものだと思いがちですが、褐色脂肪細胞は、健康を維持するために、なくてはならないものです。

褐色脂肪細胞の働きが悪いと、太りやすくなったり、体が冷えやすくなったりして、さまざまな体調不良を引き起こしてしまいます。

褐色脂肪細胞についての正しい知識を持ち、ダイエットのためだけでなく、健康維持のためにも、褐色脂肪細胞を活性化させることを意識した生活をするように心がけましょう。