顔にあるほくろは人目につきやすいので、どうしても気になってしまいますよね。
特に、ほくろの数が増えてくるとなにか問題があるのではないかという不安をともなう人も多いようです。
どうしてほくろが増えるのか、病気が原因の可能性も含めて正しい知識を身につけておきましょう。
顔のほくろが増える原因は?
ほくろは「色素性母斑」とも呼ばれているとおり、色素の集まりです。
皮膚は大きくわけると表皮と真皮の二層によって構成されており、外側にある表皮の下にある粘膜層にあるメラニン色素によって肌の色が決められています。ほくろは、さらにその下にある真皮に色素が集まったものなのです。
ほくろができる明確な理由は定かになっていませんが、次のような理由により発生すると考えられています。
遺伝によってほくろができやすい体質があるということはわかっています。親にほくろが多ければ、その子供もほくろの数が多くなりやすいでしょう。
紫外線をくり返し浴びていると、メラニン色素をつくる細胞が増えるので、ほくろができやすくなります。特に顔は紫外線にあたりやすいので、ほくろが増えてしまいがちなのです。
男性よりも女性のほうがほくろができやすいと考えられています。それは、女性ホルモンの影響によるもの。
プロゲステロンという女性ホルモンが多く分泌されると、メラニン色素がつくられやすいからです。
プロゲステロンは生理前や妊娠中に大量に分泌されるので、この時期にはほくろができやすいとされています。
メイク時やスキンケア時に肌に刺激を与えてしまうとメラニン色素がつくられてしまいやすいので、ほくろができる可能性が高まります。
肌をこする、引っ張るといった刺激はほくろを増やす原因のひとつであると考えておきましょう。
睡眠不足や栄養の偏った食事、過度なストレスなどがある生活を送っていると、ホルモンバランスや新陳代謝が乱れてしまいます。
こういった生活習慣は、ほくろやシミ、シワなどができやすいので注意が必要です。
皮膚がんの可能性
皮膚に発生する悪性腫瘍である皮膚がんになると、ほくろやいぼのようなものができることがあります。
ほくろだと思っていたものが皮膚がんである可能性はゼロではないため、どのような症状があらわれるのか正しく理解しておきましょう。顔にできる主な皮膚がんは次の3つです。
皮膚がんのなかでもっとも多いタイプです。
目のまわりや鼻、上唇のあたりにできることが多く、真っ黒もしくは黒っぽい灰色をした小さなほくろが少しずつ大きくなってきます。光沢がかっているのも特徴です。
やけどや傷などの跡から発生するがんで、数年たってからいぼ状のしこりができます。皮膚が盛り上がってゴツゴツとしたしこりができ、ただれや膿(うみ)をともなって出血することもあります。
「ほくろがん」といわれることがあり、内臓にも転移する危険な皮膚がんです。
メラノーマのほくろは真っ黒ですが色ムラがあるうえに、縁がギザギザとしていて色が染み出しているかのようにもみえます。
表面がデコボコに盛り上がってきた場合にもメラノーマを疑ったほうがよいでしょう。出血することもありますが、痛みやかゆみはありません。
悪性のほくろの見分け方
次のような特徴のあるほくろは、がんになる可能性があるので早めに皮膚科を受診してください。
- ほくろがどんどん大きくなってきて、直径が6mm以上になった
- まん丸ではなく、いびつな形をしている
- 真っ黒ではなく、色の濃さにムラがある
- シミができているように、ほくろの境界線がぼやけている
- 表面がでこぼこに盛り上がっている
ほくろの検査
悪性化するほくろかどうかは、皮膚科で検査を受けて確かめることができます。
ダーモスコープという拡大鏡でチェックすると悪性かどうかがわかるので、皮膚がんの可能性が少しでも考えられるようであれば検査を受けておくことをおすすめします。
検査によって悪性と認められた場合には、切除などの処置が行われるでしょう。
顔のほくろを増やさないための予防法は?
顔にほくろを増やしたくない場合には、次のような対策をとってください。
紫外線対策
ほくろができるのを防ぐには、紫外線から肌を守らなくてはいけません。日焼け止めクリームを塗る、つばの広い帽子をかぶる、日傘をさすといった紫外線対策をしっかりと行いましょう。
→ 日傘に紫外線対策の効果は?選び方&確認しておきたいマナー7つ
紫外線が強いのは夏だけではありません。年間をとおして紫外線から肌を守ることを忘れずに。
生活習慣
心と身体をゆったりといたわって、女性ホルモンのバランスを整えておきましょう。
夜は遅くとも12時までには寝るように心がけ、ストレスをためこまないようにリラックスして過ごすことが大切です。
適度な運動
適度な運動をする習慣をつけて、血行を促し、代謝機能を高めておきましょう。新陳代謝が衰えるとほくろができやすいといわれています。
スキンケア
スキンケアやメイクをするときには、肌に刺激を与えないように気をつけましょう。肌に摩擦を与えないように注意しながら、やさしく触れてください。
顔のほくろをうまく隠す方法は?
すでにできてしまったほくろは、コツさえつかめば上手に隠すことができます。ほくろを目立たなくするメイク法をご紹介しましょう。
ステップ1:コンシーラー
シミやくすみを隠すために使われるコンシーラーは、ほくろのカバーにも活用できます。ほくろを自然に目立たなくするには、肌の色よりも暗いトーンのコンシーラーを選んでください。
リキッドタイプのコンシーラーを指先にとってから、ほくろの上に重ねます。ほくろのまわりまで広げてしまうと余計に目立ってしまいますから、ほくろの部分だけにつけるのがポイントです。
ステップ2:リキッドファンデーション
コンシーラーを塗ったあとに、リキッドファンデーションを重ねてなじませましょう。
ファンデーションがはがれ落ちないように、保湿成分が配合されていてカバー力の高いものを選んでください。塗り過ぎるとほくろが目立ってしまうので、ムラにならないように薄くつけるのがコツです。
ステップ3:パウダーファンデーション
最後にパウダーファンデーションをはたいておくと、メイク崩れを防いでカバー力を持続することができます。
肌全体を明るくみせるために、光を拡散するタイプのパウダーファンデーションを使うとよいでしょう。
まとめ
このように顔のほくろはメイクのやり方ひとつで目立たなくすることができますし、ほくろができる仕組みを理解していれば対策をとることも可能です。
周囲の人はそれほど気にしていないものですから、あまり気に悩む必要はないでしょう。
ただし、皮膚がんの可能性がある場合には病院で検査を受けてくださいね。