乾燥肌もお風呂の入り方次第で改善できることをご存知ですか?寒い時期、肌が乾燥すると粉を吹いてしまったり、かゆみがひどくなったり、本当に辛い思いをしている人も多いと思います。
もしかしたら、これまでお肌にいいと思ってやっていたことが逆にお肌を乾燥させてしまっていたのかもしれません。
もう肌を乾燥させない、お風呂の正しい入り方をご紹介します。お風呂は毎日入るものなので、習慣にしてしまえば特別面倒なことはありません。今日から早速やってみて下さい!
お風呂での乾燥肌対策
お風呂のふたを開けて浴室内も保湿
寒い時期は浴室内も乾燥しています。まず最初に、浴室内の湿度を高めておくことが必要です。そのためにはお風呂のふたを開けたままにしておくこと。こうすると、浴室の湿度も温度も上がって、乾燥を防ぎます。
ガス代(もしくは電気代)がもったいない!と思うかもしれませんが、ここは乾燥肌改善のためと割り切って、加湿対策を優先させましょう。
入る前に湯船の塩素を除去する
1番風呂は肌が乾燥しやすくなるといわれています。それはなぜか。誰も入っていないお風呂が1番塩素の濃度が高いからです。
水道水には必要なものですが、乾燥肌には大敵。刺激が強く、さらに肌が乾燥してしまいます。塩素をなるべく除去してから入らないと、その塩素が1番風呂に入った人の皮膚に吸収されてしまうのです。
ちなみにジョブチューンという番組内で、1番風呂に入った方と2番風呂に入った方の肌の状態が検証されていました。
肌がキレイな証である三角形のキメがたくさんあってとっても良い状態だった。
- 1番風呂:三角形のキメがほとんどなくなってしまい、肌が荒れた状態になっていました
- 2番風呂:入浴前と変わらず、三角形のキメがたくさんあり、肌がキレイな状態でした
1番風呂がダメな理由は、塩素にあり、肌にダメージを与えていたのでした。
では、2番風呂はなぜ塩素のダメージが受けないのかというと、人の皮脂がお風呂に溶け込むことで、塩素の影響を弱めるからです。
しかし、一人暮らしや家族との活動時間の違いで、自分が一番に入らざるを得ない場合はどうしようもないですよね。そんな時はビタミンCをお風呂入れましょう。
みかんの皮を活用する
ビタミンCには塩素を除去する作用があるので、たとえば緑茶、冬ならみかんの皮などを湯船に入れて塩素を取り除きましょう。
みかんの皮は乾燥させると「陳皮(ちんぴ)」といって漢方薬でも利用されており、身体を温める効果もあります。ただし、無農薬のものを使って下さいね。
それ以外にも、ビタミンC(アスコルビン酸)の粉末や錠剤が売っています。それを直接お風呂にいれても塩素の除去効果がありますよ。
シャワーヘッド交換も有効
できればシャワーヘッドも塩素が除去できるタイプのものに切り替えませんか?湯船の塩素を除去しても、シャワーで塩素を浴び続けたら一番風呂と同じ、洗っている間にどんどん肌が乾燥します。
シャワーヘッドにビタミンCの粉末などを入れて塩素を除去できるタイプのものに変えた方が乾燥から肌を守れます。
保湿効果の高い入浴剤を使う
せっかく塩素を除去したら、入浴剤も入れて、湿効果を高めましょう。角質層の潤い成分であるセラミド入りの入浴剤なら、お風呂から上がった後もしっとり感が続きます。
塩入浴もおすすめ!
塩にはナトリウム以外にも、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。マグネシウムには保湿効果があり、皮膚の細胞の代謝も促します。肌のキメを整えてくれるので、乾燥肌にはおすすめなのです。
塩は、湯船に30~50gくらい入れるといいですよ。できればマグネシウムたっぷりの海で取れた天然のお塩がおすすめ。塩には身体を温める働きもあるので、ぬるめのお風呂でもしっかり温まるでしょう。
マグネシウムならエプソムソルト
エプソムソルトは「塩」ではありません。硫酸塩とマグネシウムが結合した「硫酸マグネシウム」。天然温泉の成分でもあり、美肌効果の高い入浴剤です。欧米では数百年以上前から使われてきたそうです。
マグネシウムが肌の新陳代謝や皮膚の再生能力を高めてくれるので、乾燥肌にもピッタリ。エプソムソルトを入れたお風呂に15分ほどつかるだけで、お肌がつるつるになります。
グリセリンを入れる
ドラッグストアなどでも数百円で買えるグリセリンは保湿成分として化粧品などにも使われていますね。そのグリセリンを入浴剤代わりに入れるのもおすすめ。大さじ1杯程度入れれば十分です。
湯船は最後に入る
普通は最初にかけ湯をして湯船にまず入って温まろうとする人が多いと思います。寒い冬は特に、最初に温まりたいですよね。
でも、ちょっと待って下さい。最初に湯船に入ってしまうと角質層が柔らかくなってしまい、身体を洗う時に必要以上に角質や皮脂を洗い流してしまう可能性があります。
ここはまず最初にシャンプー、それから身体を洗い、最後に湯部に入って身体を温めましょう。寒くならないためにも、最初に浴室を暖めておくことが大切です。
お湯の温度は40度以下!
熱いお風呂(41~43度くらい)は必要な皮脂まで奪い取ってしまう上に、角質層内のセラミドが流れ出してしまうので、肌が乾燥してバリア機能が低下してきます。
もちろん湯船だけでなく、シャワーの温度も同じくらいにして下さいね!せっかく湯船をぬるくしているのに、熱いシャワーを浴びてしまったら意味がありません。
反対に5分くらいだと体が温まらず、肌への血行が良くならないので、短すぎます。
38~40度だと少しぬるく感じるかもしれませんが、乾燥肌にはぬるめのお湯でちょうどいいのです。
湯船につかるのは10分程度で十分です。乾燥肌に長湯は禁物ですよ!
美肌のための温泉にも意外な落とし穴があり、長時間入る方が美肌になるというわけではありません。基本的には、温泉も同じ話で、10分程度で十分です。
温泉に行って10分で上がるのは、もったいないので20分くらい入りたい気持ちになりますが、美肌になりたいなら10分で上がるようにしましょう。
ただし、夕方、夜、朝くらいで間隔が空いていれば、1日に数回入っても問題ありません。
顔だけはさらにぬるく
ただし、顔を洗う時はさらにぬるく、32度くらいにします。顔の皮膚は身体よりもずっと薄いので、ぬるめにしないと余計乾燥してしまいます。
半身浴は、高齢者や心臓などに持病を持つ人が心臓に負担をかけない為の入浴法なので、美容に良いというわけではありません。
半身浴は、体温が上がるのに時間がかかり長風呂になってしまいます。そうなると保湿成分が流れてしまって、乾燥肌になる可能性があります。
モデルさんが1~2時間半身浴をしているのを、ブログやSNSなどで見たりして、美容に効果あるのかなと思われるかもしれませんが、無理にする必要はないということです。
要するに、美容目的で入浴するのであれば、温度と時間を守って、全身浴を行う方が効果的です。
シャワーの水圧はゆるめにする
シャワーはやっぱり水圧が命よね、と強めのシャワーがお好きな方も多いと思います。節水しながら高い水圧を維持し、マッサージ効果もあるようなシャワーヘッドもありますが、乾燥肌の人には刺激が強すぎます。
シャワーを当て続けるだけでも乾燥肌には刺激となりますから、物足りないかもしれませんが、できるだけ柔らかい圧でシャワーを浴びるようにして下さい。
顔にシャワーをかけないこと!
お風呂で洗顔したあとに、シャワーをジャーッと顔にかけて泡を洗い流していませんか?ゆるめの水圧にしたとしても、顔には十分な刺激になってしまいます。
ただでさえ浴室内が保湿された状態で、いつもより角質が柔らかくはがれ落ちやすくなっています。底のシャワーをかけたら、必要以上に角質を洗い流してしまうので危険!
顔を洗う時は洗面所で洗う時のように、手でお湯をすくって、こすらずに、優しく顔にかけながら泡を洗い流して下さい。
手に泡をつけて身体を洗う
乾燥肌の原因のひとつが「洗い過ぎ」です。身体を洗う時にナイロンタオルやスポンジなどを使っていると、必要以上に洗いすぎてしまい、カサカサになってしまいます。
泡立てネットなどを使って泡をたっぷり立てたら、その泡を身体につけて手で洗いましょう。
洗う場所としては、皮脂の多い体の中心部分や、脇や股だけ洗えばよいでしょう。
背中や足の指と指の間などは、基本的には湯船に浸かっていれば、十分に汚れが取れますので、洗わなくても大丈夫です。
手ぬぐいもおすすめ
そうはいっても手で洗うだけだと洗った気がしなくてイヤだという人もいるのではないでしょうか。そんなときは手ぬぐいで洗うのもおすすめです。必要な皮脂を落としすぎず、汚れだけを洗い流します。
手ぬぐいは使い込むほどに柔らかくなって肌になじんでいきますし、もちろん顔を洗うのにも使えます。毛穴の黒ずみも解消してくれるんですよ。
使い方のポイントは泡を滑らせるようして、手ぬぐいでなでるように洗うこと。ここでゴシゴシしてしまってはナイロンタオルと何ら代わりがなくなってしまいますから注意して下さい。
手ぬぐいは出来れば無地で白、目の細かいものが肌にも優しく汚れはしっかり落としてくれるのでおすすめです。
固形石鹸を使う
身体を洗う時は何を使っていますか?液体のボディーソープは乾燥肌にはあまり向いていません。身体を洗うなら、ぜひ固形石鹸をおすすめします。
皮膚科でも肌トラブルがあるときは固形石鹸で洗うように勧められることもあります。それは、固形石鹸が「汚れを落とす」ことに特化した洗浄剤であり、肌にやさしいからです。
石鹸は泡の力で汚れを洗い流すので、肌に過剰な負担をかけません。それに対して液体ボディーソープなどは合成界面活性剤が含まれているので、これが乾燥肌を悪化させてしまいます。
どんな石けんでもいい?
固形石鹸はコスパの面でも優秀ですね。ただ汚れを落としたいだけなので、そんなに高級な石けんでなくても大丈夫。昔ながらの牛乳石鹸のようなプチプラなもので十分です。
石けんには透明なグリセリンソープと不透明な牛乳石鹸のようなタイプがあります。グリセリンソープはその名の通り、グリセリン(保湿成分)を多めに含んだ石けんです。
しっとり洗い上げたい時はグリセリンソープ、さっぱりしたいときは不透明なタイプ、と使い分けてもいいでしょう。
気になる部分だけを石けんで洗う
乾燥がひどくなっている時は、肌全体に泡をのせるのではなく、脇の下や股の部分など汗や臭いが気になるところだけに泡をつけて洗えば十分です。
その他の部分は湯船に入っているだけでも毛穴が開いて汚れは落ちていきますし、寒い時期は夏ほど汗をかいていませんので、さっと流すだけでも十分です。
手ぬぐいを使えば、石けんなしでも身体をなでるだけで表面の汚れを落とすことができますよ。
お風呂上りの乾燥肌対策
浴室の中でスキンケアをする
お風呂から上がって、バスタオルでごしごし拭いて…なんてことをしていないでしょうか。お肌が柔らかくなった状態でこすれば角質層が傷ついてしまいます。
そしてきちんと水分を拭いてしまうと、もうその瞬間から乾燥が始まります!顔に化粧水だの乳液だのを塗っている間に、身体はどんどん乾燥していくのです。
それを防ぐには、お風呂から上がる前、浴室の中で身体にまだ水分がついた状態でボディクリームやボディオイルを塗ってしまうのが一番。
もちろん、顔も同じです。軽くタオルで水分を拭き取って、肌が潤った状態で化粧水を塗ります。角質層が乾燥する前に水分を補うことができます。
オイル入りのお湯でかけ湯をする
浴室の中でスキンケアをするのが面倒なら、バスオイルまたは植物オイルなどを湯船に入れて、それを上がる前にかけ湯します。全身に油分が行き渡り、浮いている水分だけをタオルで拭き取れば、保湿完了です。
セラミド入りのローションを使う
顔にもいいものは身体にもいいですね。身体に塗るローションやクリームもセラミド入りのものにしてみましょう。
セラミドは角質層の主成分であり、潤いを保つために必要なものです。しかし、入浴中に角質層が柔らかくなることで少なからず失われてしまいますから、お風呂上がりにしっかり補うことが大切です。
塗る時はやさしく、なでるように塗ります。ここでゴシゴシこすってしまったら、ここまでの乾燥対策が台無しになってしまいます。
髪を乾かすのは保湿の後
お風呂から出たら、スキンケアがまず最初。浴室内で化粧水は塗っているので、クリームなど油分を補いましょう。
それをする前にドライヤーをかけてしまうと顔も身体もどんどん乾燥していきます。肌がカサカサになってしまうと美容液やクリームなどの浸透が悪くなりますから、髪を乾かすよりも先に保湿をして下さい。
毎日お風呂に入らない
それでも乾燥がひどい時は、毎日お風呂に入る必要はありません。保湿はしながらも、少し肌を休めましょう。
まとめ
お風呂は毎日のことなので、入り方次第で乾燥肌を改善もするし、その逆もあります。できればお肌がどんどんきれいになるような入り方をしたいですよね。
昨日までの入り方をちょっと見直すだけで、乾燥知らずで過ごすことができるようになるでしょう。もうカサカサやかゆみに悩まされない、しっとりつるつるの肌を手に入れて下さい。