料理や掃除など、家事のたのもしい味方である重曹。その重曹を使って行う、重曹うがいをご存知でしょうか。
虫歯や口臭を予防してくれると言われる重曹ですが、実際にはどのような効果があるのでしょうか。
重曹うがいで期待できる効果は?
手軽にできる重曹うがいには、期待できる4つの効果がありました。
虫歯予防
食後は口内が酸性になるため歯はダメージを受けてしまいますが、唾液によって再生する仕組みとなっています。一方で重曹はアルカリ性であるため、酸性の口内を重曹でうがいすることによって中和できるのです。
口内が酸性になっている時間を短くできるため、重曹うがいは虫歯予防にある程度は効果があります。
ただしあくまでも予防であって、すでに虫歯になってしまっている場合には効果は得られません。また、フッ素のほうが虫歯予防には効果的であるため、虫歯予防が目的であれば、フッ素入りの歯磨き粉を使うほうがよいでしょう。
口臭予防
重曹うがいによって気になるお口のにおいを抑えることができます。口臭の性質は酸性なので、アルカリ性の重曹でうがいすることによって中和できるという仕組みです。
うがいをすること自体、口の中を清潔に保つためのひとつの方法ですので、そこにアルカリ性の重曹を加えることで二重の効果があるということですね。
歯周病予防
重曹でうがいすることにより、歯周病の原因となる歯肉の下の菌を弱める効果があります。
歯ブラシでは届かない歯肉の下まで重曹水が行き渡るため、直接対処できない菌にも重曹水によって歯磨きに似た効果が得られる仕組みです。
クリーニング効果
掃除にも使われる重曹ですが、歯に対しても掃除と似たクリーニング効果があります。歯の表面についた汚れを研磨効果により落としてくれます。
ただし、歯科医院で受けられるホワイトニングのような、歯を白くする効果はありません。重曹うがいによって落とせる汚れはあくまで表面的なものであり、歯の着色汚れの原因となる、内部の汚れに関しては落とすことはできないのです。
重曹うがいで得られる効果は、あくまで表面的なものであることを忘れないようにしましょう。
重曹うがいの作り方、やり方などの方法は?
重曹うがいで効果を得るためにも、正しい作り方とやり方を抑えておきましょう。
重曹水の作り方
コップとペットボトル1本で作る方法があります。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]ティースプーンだと上記の量が1gになります。
500mlのペットボトルを使って作り置きする場合の作り方です。
- 500mlのペットボトルに水を入れます。
- 小さじ1(3g)の重曹を1に加えます。
- キャップをしめてしっかりと振って混ぜたら完成です。
カレースプーンだと上記の量が1gになります。
重曹うがいのやり方
口内が酸性である時間を短くするために、毎食後3回、行うのがおすすめです。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 重曹水を口に含み、口内全体に行き渡るようすすぎます。
- 30秒ほど「ガラガラ」ではなく「くちゅくちゅ」とすすいだら吐き出してください。
- コップの重曹水がなくなるまでうがいを繰り返します。
重曹うがいをする時の注意点
重曹うがいを行う際には、気をつけなければならない3つの注意点があります。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]重曹には薬用、食用、工業用の三種類があります。成分がほぼ同じである三種類ですが、製造工程は異なっており、工業用の重曹には不純物が含まれています。
体に有害というわけではありませんが、安全面を考えると口内に入れても問題のない薬用か食用がよいですね。
重曹うがいに関するQ&A
朝昼晩の毎食後、すぐ行うのが効果的です。1日3回以上食事の時間がある方は、1日3~4回ほどがよいでしょう。
重曹うがいのしすぎはかえって口内トラブルのもとになります。
重曹はしょっぱいため、人によっては重曹うがいのあとにうがいをしたくなると思います。せっかく重曹でうがいをしたのに水で流してしまったら効果がなくなるのでは…と不安に思われるかもしれませんが、水でうがいをしても効果はなくなりません。
むしろ、重曹うがいのあとに歯磨きをしようと思った場合、水でうがいをしたほうが重曹の研磨効果で歯を傷つける可能性が低くなるのでおすすめです。
重曹うがいって危険性はないの?
口内環境を整える重曹うがいには、知っておくべき4つの危険性があります。安全に重曹うがいを行うためにも、どのような危険性があるのか覚えておきましょう。
研磨効果による歯の削れ
重曹には強い研磨効果があり、歯の表面のエナメル質削ってしまう可能性もあります。
エナメル質が削れてしまうと、その下にある象牙質が出て黄ばみが目立ったり知覚過敏になったりと、かえってトラブルを引き起こす原因となります。水と重曹の対比を守り、安全なうがいを心がけましょう。
塩分の過剰摂取
すでにお伝えしましたが、重曹はそもそも塩の一種です。そのため、塩分量の制限を受けている方が重曹うがいを行ってしまうと、思わぬ影響が出ることもあります。
実際に、腎臓病を患っていた方・現在患っている方が重曹うがいを行った場合、湿疹が出るなどのトラブルが報告されています。塩分の制限を受けている方や療養中の方は充分に注意しましょう。
口内の粘膜への強い刺激
重曹には油脂やたんぱく質を分解する作用があります。そのため唇や口内の粘膜に対して刺激性があり、人によっては唇が荒れたり口内炎になる恐れがあります。
歯石が沈着しやすくなる
重曹うがいによって口内がアルカリ性になることで、歯石が沈着しやすくなります。しかし歯石自体に害はなく、また、歯石が沈着することも口内の仕組みとしては避けられないことです。
問題は歯石によって細菌が繁殖しやすくなることであるため、重曹うがいの他に水でのうがいや適切な歯磨きを忘れないよう注意しましょう。
まとめ
添加物などが気になる場合のうがい液として、重曹うがいは有効ですね。
しかし注意点や危険性などもあるため、重曹水の作り方やうがいの仕方をしっかり守って、異変を感じたらすぐに使用を中止してください。重曹うがいで体にも環境にもやさしく、口内を清潔に保っていきましょう。