干し納豆とは、日持ちするように、塩を加えて天日干ししたのが始まりの伝統的な保存食です。
実はこの干し納豆は、そのまま納豆として食べるよりも栄養価がアップするということで、注目されています。
そこで、干し納豆にすることでどのようなメリットがあるのか、自宅での作り方や食べ方についてまとめてご紹介しています。
干し納豆のメリットは?
納豆を乾燥させて干し納豆にすることで、どのようなメリットがあるのかをご紹介しています。
普通の納豆と比べて、鉄分が約1.8倍、カリウムが約1.5倍、亜鉛が約2倍にまで栄養価がアップします。
またその他のミネラルや食物繊維なども凝縮されています。
ネバネバがなくなって、長期保存ができるようになります。
臭いがなくなりますので、旅行などの外出時に携帯して手軽に食べらます。
干し納豆の作り方は?
干し納豆の作り方は、それほど難しいものではありません。状況に合わせて2種類の作り方をご紹介しますので、せひ参考にしてみてください。
基本の作り方
- 納豆 1パック
- 塩 1g
- 片栗粉 1g
- クッキングシート
- ザルまたは多目的ネット
※キッチンペーパーは納豆がくっ付いてしまいますので、使用しないでください。
※多目的ネットはセリアで販売しているものを購入しました。干し野菜を作るのにも使えます。
手順1
納豆に塩と片栗粉を入れて、全体的になじむように、ゆっくり混ぜ合わせてください。(15回ほど)
※納豆の種類は、大粒タイプでも小粒タイプでも、どれでも構いません。大粒タイプの方が乾燥するまでの時間はかかりますが、その分食べ応えはあります。
※納豆についているタレは入れないようにしてください。乾燥しにくくなり、納豆本来の味が楽しめなくなります。
手順2
お皿の上にクッキングシートを敷いて、その上に納豆をできるだけバラバラに置いてください。
納豆が上下などにくっ付いてかたまった状態で置いてしまうと、乾燥するのが遅れてしまいますので、気を付けてください。
手順3
お皿を多目的ネットに入れるか、お皿の上にザルを置いて、湿度の低い場所であれば、どこで乾燥させても構いません。
ただ室内で乾燥させる場合は、2~3日は納豆の臭いがしますので、気になる方は換気ができるような場所に置くなどしてください。
天気の良い日であれば、ベランダなどに置いておくと、より乾燥しやすくなります。
雨などで湿気が多い場合は、扇風機をあてておくと乾燥するスピードが早まります。
ただカビが発生する恐れがありますので、できれば干し納豆を作る前に週間天気予報などを見て、雨があまり降らない時をねらって作るのがベストです。
手順4
5日間乾燥させましたら、少し片栗粉をまぶして、くっついている納豆をほぐせば完成です。
保存せずにすぐに食べきってしまうなら、3日目からでも食べられます。少し柔らかいので、歯が弱い方にはおすすめかもしれません。
早く作りたいなら
5日も乾燥させるまで待てないという方は、電子レンジで強制的に乾燥させるという方法があります。
ただし、納豆に含まれるナットウキナーゼという成分には、血栓を直接溶かす働きがあるのですが、熱に弱い成分なので、電子レンジで温めると壊れてしまいます。
他の熱に強い栄養素に関しては残っていますので、それでも構わないということであれば、電子レンジを使って作ってみてください。
用意する材料や、納豆をお皿に置くまでの工程は、基本の作り方と同じです。それ以降の流れについてご紹介していきます。
手順1
電子レンジ(500w)で4分間温めます。
ワット数が高かったり、温めすぎると焦げてしまう可能性がありますので、気を付けてください。
手順2
10分ほど冷ましてから、片栗粉をまぶして、くっついている納豆をほぐせば完成です。
納豆が重なった状態だったところは、半乾きのような感じになっています。
あと電子レンジで干し納豆を作った場合、電子レンジに納豆の臭いが染みついて、なかなか取れないので、正直おすすめはできません。
干し納豆の保存方法と賞味期限
密封できる容器に食品用乾燥剤と一緒に入れて、冷蔵庫または涼しい場所で保存しましょう。
食用乾燥剤はダイソーなどにも売っています。
完全に乾燥している場合は2~3ヶ月ほど持つようですが、念のために1ヶ月くらいを目安に食べきる方がよいでしょう。
ただし、電子レンジで作る場合は、納豆のお皿への置き方によっては、乾燥が不十分な場合がありますので、保存用としてではなく、すぐに食べるように作る方がよいでしょう。
干し納豆の食べ方は?
干し納豆はそのままの状態でポリポリと食べるのが一番お手軽です。他にもいくつか食べ方がありますのでご紹介します。
干し納豆は乾燥して固くなっています。歯をいためないために、最初に犬歯でゆっくりと砕いてから、奥歯で噛むようにしましょう。
3日くらい干した少し柔らかめの干し納豆や、ひきわりの干し納豆の場合は、サラダやパスタにふりかけると美味しいです。
お茶漬けを食べる時のトッピングとしてふりかけてもおいしいです。
さらにひと手間かけた方法として以下のようなトッピングもあります。
1.干し納豆に醤油を加えて一晩寝かせます。
2.翌日に、ご飯の上に1の干し納豆をのせてから、70℃以下の緑茶を注ぎ、白ごまをかければ完成です。
お好みでネギや塩昆布などをのせてもよいでしょう。
※70℃以上の緑茶だと、ナットウキナーゼが壊れてしまいます。
完全に乾燥した干し納豆ならすり鉢で擦って粉にし、さらに煮干しの頭とワタをとって、同様にすり鉢で擦った粉を合わせると、美味しいふりかけになります。
干し納豆を1日に食べる量は?
これといった決まりはなく、粒の大きさによって粒数も変わりますので、何粒という目安はありません。
塩分量を考えると、1日1パック(塩1g)程度でも問題ないとは思いますが、私は1日に20粒ほど食べています。
まとめ
干し納豆は乾燥するまでに5日くらいかかりますので、毎日食べるのであれば、2段や3段の多目的ネットを使って干す方が邪魔になりませんし、効率よく作ることができます。
料理にアレンジしなくても、おやつ感覚でパクパク食べられますので、続けやすいかなと思いました。
納豆は臭いし、ネバネバするからあまり食べないという方も、ナットウキナーゼによる血栓溶解の作用や栄養素もたっぷり凝縮されていますので、一度試してみては如何でしょうか。