紫外線をカットしたいのに、日焼け止めを塗ると肌が荒れてしまうというお悩みをお持ちの方が意外と多いようです。
せっかく紫外線をカットできても、その日焼け止めで肌が荒れてしまっては元も子もありません。
肌を守るはずの日焼け止めでなぜ肌が荒れてしまうのかという原因と、肌荒れしないためにはどうすればいいのか、その対策法もあわせてご紹介します。
日焼け止めを使うと肌荒れする原因は?
紫外線をカットするための日焼け止めで肌荒れしてしまうのには、主に5つの原因があります。
1.数値の高い日焼け止めを使っている
日焼け止めには「SPF」とか「PA」といった表示があります。この数値が高いほど日焼けをするまでの時間は伸ばせますし、効果も高くなるのですが、その分肌への刺激も強くなります。
海や山へのレジャーに行くわけでもないのに常に最大値の日焼け止めを使っていると、毎日肌に刺激を与え、荒れやすくなってしまいます。
SPFは皮膚が赤くなるまでの時間を数値化したもので、1でおよそ20分前後日焼けを遅らせることが出来ます。数値は50が最大です。
こちらは数値ではないので時間ではなく、「+」の数で効果がある、かなりある、非常にあるなどの区分けがされています。「+」の数は4つが最大です。
2.クレンジングがしっかり出来ていない
日焼け止めは数値が低ければ簡単に落とせるというものではなく、基本的にメイクと同じです。どのようなタイプの日焼け止めを使ってもクレンジングが必要です。
クレンジングが不十分で日焼け止めが肌に残ってしまうと、毛穴を塞いでしまい、皮脂が過剰に分泌される原因になります。
皮脂が多すぎると毛穴が開きやすくなりますし、角質と混ざり合って角栓を作ったり、それが酸化して黒ずみやニキビの元になります。
もしも日焼け止めでニキビが出来やすくなってしまっていたら、それはシリコンが影響しているかもしれません。
誤解のないように申し上げますが、シリコン自体は無害です。シャンプーやリンスにも入っていますし、シリコン=肌荒れではありません。
ただ、シリコンは強力な皮膜剤となって汗や皮脂をはじきます。そのシリコンがクレンジング不足で肌に残ってしまった場合、毛穴を塞いで肌荒れの原因になるのです。
3.紫外線吸収剤の刺激
紫外線吸収剤はその名の通り紫外線のエネルギーを吸収します。それを熱エネルギーなどに変えて放出することで紫外線が肌の奥に届かないようにしているのです。
高い効果が期待できる分、肌の上で化学反応が起きているので、それが肌への負担となってしまうのです。
4.肌が弱い
そもそも肌が弱い場合、日焼け止めの成分自体が肌への刺激になってしまうことがあります。保湿をしっかりしたり、できるだけ肌に優しい製品を使うなどの対策が必要です。
5.塗りムラがある
最近の日焼け止めは白残りしないのが嬉しいのですが、その分しっかり塗ったかどうかがわかりづらくもあります。
きちんと塗ったつもりでも塗れていない部分があると、そこに紫外線が当たって日焼けするために肌荒れしてしまうのです。
日焼け止めは朝塗ったらそれでおしまい、ではありません。汗をかけば流れてしまいますし、特に肌に優しいタイプの日焼け止めは肌への負担が少ない分、とても落ちやすいのです。
朝しっかり塗っても午後にはもう1度塗らないとムラになってしまい、そこに紫外線が当たって肌荒れすることがあります。
日焼け止めで肌荒れしない為の対策は?
紫外線をしっかりカットしながらも、肌荒れしないための6つの方法についてまとめました。
1.しっかりクレンジングする
お湯で落ちるタイプでも皮脂汚れまでは落とせないので、肌に優しいタイプだとしてもしっかりクレンジングを使って落としましょう。
日焼け止めが乗っている時間が長いほど、肌には負担になります。メイクをそのままにして寝る、お風呂に入らずに寝るのは言語道断です。
帰宅したらなるべく早く日焼け止めを落としてあげることで、肌荒れを予防できます。
クレンジングは大事なのですが、落とそうと必死になってゴシゴシ肌を擦らないように気をつけてください。
肌を擦ることが刺激になってしまい、肌荒れを助長してしまう可能性があります。クレンジングや洗顔は優しく行ってください。
クレンジングはオイルタイプやジェルタイプは皮脂を過剰に落としてしまい肌が乾燥しやすくなるので、ミルクタイプもしくはクリームタイプで優しく落とすのがおすすめです。
2.保湿も忘れずに!
保湿はあらゆる肌トラブルを防ぐための基本です。日焼け止めには保湿効果は期待できませんから、日焼け止めを塗る前のスキンケアはとても大切です。しっかり保湿をしてから日焼け止めを塗るようにしてください。
また、クレンジングをした後も保湿を忘れずに。1日日焼け止めがのっていた肌はとても乾燥しやすくなっています。
日焼け止めを落とした後は、顔はもちろんボディケアもお忘れなく。日焼け止めを塗っていた部分はしっかり保湿してください。
顔は気をつけていても、身体はそのまま日焼け止めを塗っていませんか?そのまま日焼け止めを塗れば、乾燥したりしわの元になるのは身体も同じです。
特に手の甲や首は皮膚が薄くて年齢が出やすいところです。しっかり保湿をすることがとても大切です。
手にはハンドクリーム、身体にはボディローションもしくはボディクリームなどを塗ってから日焼け止めを塗りましょう。
3.肌に負担の少ない日焼け止めを選ぶ
刺激の強い日焼け止めでは、紫外線を防ぐことは出来ても塗っている間に肌に負担をかけますから、できるだけ肌に優しい成分でできている日焼け止めを選ぶようにしましょう。
具体的な選び方については次の章で詳しくご紹介します。
4.パウダーファンデーションもおすすめ
ちょっと近所に買い物に行く程度の外出であれば、日焼け止めではなくパウダーファンデーションでも十分です。
パウダーファンデーションは粉を固めたものなので水分が入っていません。肌に乗せた時にリキッドやクリームよりも密着するので紫外線から肌を守ってくれます。
また合成界面活性剤など余計なものがほとんど入っていないので、日焼け止めを塗るよりも肌にはずっと優しいのです。
5.日焼け止めの前にワセリンを塗る
紫外線をカットしながらも、日焼け止めを直に肌につけない方法として、ワセリンを塗って膜を作ってから日焼け止めを塗る、という方法もおすすめです。
肌が弱い人はワセリンが日焼け止めの成分から肌を守ってくれます。
6.適量を守って塗る
日焼け止めは適量塗ってこそ、その効果を発揮できます。たいていの人は「塗らなすぎ」で、結局日焼けしてしまい、肌が荒れる原因になります。
日焼け止めの適量は皮膚の面積1平方センチメートル当たり2mgです。
顔に塗る量としては、500円玉大くらいになります。結構な量だと思いますが、これだけの量を塗らないと日焼け止めとしての効果が薄れると思ってください。
日焼け止めを塗る時は、伸ばすよりも「のせる」イメージで。ゴシゴシと塗り込もうとすると肌に負担をかけます。
肌にのせたらポンポンと叩くような感じで、指の腹を使いながら塗っていきます。優しく伸ばすことで、肌に負担をかけずに上手に日焼け止めの膜を作ることができます。
肌荒れしにくい日焼け止めの選び方は?
少しでも肌にやさしい素材の日焼け止めを選ぶには、何に気をつければ良いのでしょうか。
紫外線吸収剤より紫外線散乱剤
紫外線吸収剤は肌に負担をかけるので、紫外線散乱剤を使ったものの方が肌にはやさしいです。
紫外線吸収剤は、下記のような名称で表示されていますので、これらの成分が入っている日焼け止めは避けましょう。
- t-ブチルメトキシベンゾイルメタン
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
- オキシベンゾン-3
ノンケミカルを選ぶ
紫外線散乱剤は、下記のような成分が使われています。
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
「ノンケミカル」と表示されている場合が多いです。
紫外線散乱剤は白浮きしやすいというデメリットがあるものの、丁寧に塗れば大丈夫です。
ノンシリコンの日焼け止めを選ぶ
ニキビが出来やすい人はシリコンが入っていない日焼け止めを選びましょう。ウォータープルーフタイプでないものがおすすめです。
具体的には、下記のような成分が入っていないものがいいでしょう。
- ジメチコン
- シロキサン
数値があまり高くないものを選ぶ
SPF、PA数値が低くても、普段の生活であれば全く問題ありません。午後に1度塗り直せば大丈夫です。
- SPFは20~30くらい
- PAは++くらい
防腐剤無添加のものを選ぶ
日焼け止めに限りませんが、防腐剤や保存料、合成着色料、合成香料などは肌に負担をかける成分です。
肌が弱い人はこれらの成分が入っていない無添加の日焼け止めを選びましょう。
顔には顔用を使う
日焼け止めには「ボディ用」「ボディ・顔用」と使える部位が書いてあります。それぞれ効果が違うのですから、顔に塗るものは顔専用のものを選びましょう。
まとめ
これまで日焼け止めで肌荒れした、という方は原因に思い当たることがあったでしょうか。使い方さえきちんとすれば肌荒れは予防できます。
肌の老化原因の8割は紫外線の影響ですから、未来の自分のために紫外線から肌を守るのは必須です。
日焼けも防いで肌荒れもしないように、自分の肌に合った日焼け止めを使って、しっかり紫外線カットをしていきましょう!