肌を紫外線から守るために、今や1年中日焼け止めは欠かせませんが、外側からのケアだけで大丈夫でしょうか。
私たちの肌は食べるものから出来ています。日焼けを防ぐには食べ物にも気をつけないといけません。
今回は、日焼けを予防する食べ物と、逆に日焼けしやすくなる食べ物をご紹介しますので、何としても日焼けを防ぎたい方はこれまでの食生活をちょっと見直してみてください。
日焼けを予防するのにおすすめの食べ物は?
身体の内側から日焼けを予防するために役立つ食べ物をご紹介します。ポイントは「抗酸化作用」のある食べ物です。
紫外線に当たると活性酸素が大量に発生しますが、活性酸素による酸化を防ぐためにメラニン色素が作られます。
つまり、活性酸素を除去することができれば日焼けを予防できるのです。普段の食事で摂り入れやすい食べ物をご紹介します。
ビタミンCを含むもの
ビタミンCには活性酸素を除去してメラニンの生成を抑える働きがあります。
ただし、柑橘系はNGです。ビタミンCというと「レモン」というイメージがあるかもしれませんが、実はあまり予防になりません。その理由は次の章で説明します。
苺
一番食べて欲しいのが苺です。苺のビタミンCは1個でおよそ10mg前後です。あまり知られていませんが、同じ量にするとレモンよりもずっと多いのです。
1日に必要なビタミンCの摂取目安量は100mg(厚生労働省が推奨する量)ですから、小さいものなら10粒程度でOKということです。
身体の中に溜めておけないことを考えると、朝と昼に分けて食べるのがおすすめです。
調理の必要もなく、さっと洗って食べられるので摂り入れやすいでしょう。出かける前に食べることで、紫外線のダメージを防ぐことが出来ます。
ブロッコリー
ブロッコリーもビタミンCが豊富で、およそ30g(2房分)食べれば1日の必要量を満たすことが出来ます。
房の部分だけでなく、茎や葉にも栄養素がたっぷり含まれているので、せっかくですからすべて食べるようにしてください。
夜のうちに調理しておけば、朝食べるのも楽でしょう。ビタミンCの損失を防ぐには茹でるよりも蒸す方が良いので、電子レンジでチンするのがおすすめです。
調理するのが面倒なら、ブロッコリーの新芽であるスプラウトもおすすめです。実はスプラウトの方がブロッコリーよりも栄養価は高く、活性酸素を抑えるための酵素を活性化させるので、日焼けの予防にも役立つのです。
さっと洗ってそのままサラダなどに使えますし、味噌汁のなどの具材としてもおすすめです。
じゃが芋
ビタミンCは加熱に弱いといわれているものの、じゃが芋の主成分であるでんぷんがビタミンCを守るため、効率よく摂取できます。
加熱する時は、さらにビタミンCの損失を減らすために皮付きのまま調理しましょう。ブロッコリーとあわせてホットサラダとして食べると最強のビタミンCコンビになります。
ビタミンCを含む他の食べ物
- 芽キャベツ
- ゴーヤ
- パプリカ
- ビーマン
ビタミンEを含むもの
ビタミンEはアンチエイジングの強い味方でもあります。
アボカド
アボカドは皮をむけばそのまま食べられますし、スムージーなどに入れても美味しいです。ビタミンEの他に食物繊維も豊富です。
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、ベーコンなどと軽くソテーしておかずとして食べると栄養価もアップします。同じくビタミンEが豊富なオリーブオイルを使うと良いでしょう。
アーモンド
ビタミンCたっぷりのサラダを食べる時にぜひトッピングとして使って欲しいのがアーモンドです。ナッツを入れることで香りが良くなりますし、ビタミンEを手軽に摂ることが出来ます。
ビタミンE以外にも、ケルセチンというフラボノイドが紫外線から肌を守ります。
もちろん、日中のおやつとしてもおすすめ。毎日取り入れることでメラニンが出来るのを予防してくれるでしょう。1日に食べる量としては、20粒以内を目安にしてください。それ以上食べると脂質の摂り過ぎになってしまいます。
ビタミンEを含む他の食べ物
- たらこ
- すじこ
- モロヘイヤ
- うなぎ
ビタミンA(βカロテン)を含むもの
ビタミンAは動物性食品に、βカロテンは植物性食品に含まれています。野菜は色の濃いものを選ぶとβカロテンをたっぷり摂ることが出来ます。βカロテンは体内でビタミンAに変わります。
日焼けを防ぐと同時に、肌荒れや肌の乾燥などからも守ってくれる栄養素なので、肌トラブルの多い人はより積極的に摂って欲しいです。
人参
野菜の中ではトップクラスのβカロテン含有量を誇る人参。同じ重さなら、かぼちゃやほうれん草よりもβカロテンは多いのです。しかも、人参にはルテインが含まれており、目から進入してくる紫外線もガードします。
人参は夜のうちに切っておいてサラダに入れてもいいですし、朝ジューサーでジュースにしてもいいでしょう。
かぼちゃ
かぼちゃにはβカロテン以外にビタミンC、E、食物繊維も含まれていて、女性のための野菜といっても過言ではありません。
強い抗酸化作用を持つセレンなどのミネラルも含んでおり、ビタミンA、C、Eと一緒に摂ることで酸化を予防する効果が高まるといわれています。
かぼちゃにはそれがすべて含まれているので、まさに日焼けから身体を守るための野菜といえるでしょう。かぼちゃにもルテインが含まれているので、日焼けから目を守ります。
βカロテンを含む他の食べ物
- シソ
- モロヘイヤ
- ほうれん草
- 春菊
- さつまいも(皮付きのまま使うこと!)
リコピンを含むもの
リコピンは赤い色素で600種類以上あるカロチノイドの一種です。トマトが一番有名ですが、他にも赤い果物や野菜に含まれており、強力な抗酸化作用で日焼けから肌を守ります。
トマト/ミニトマト
リコピンといえばトマトですね。トマトは生で食べてもいいですし、加熱してもOK。リコピンの含有量はトマトよりもミニトマトの方が多いので、切る必要のないミニトマトを取り入れると食べやすいでしょう。
リコピンは油と摂ると吸収率が高まるので、ミニトマトのサラダにオリーブオイルのドレッシングをかけるのもおすすめです。時間がない時はトマトジュースでもリコピンを摂取できます。
スイカ
スイカにもリコピンが豊富に含まれていることは意外と知られていません。トマトの酸味や青臭さが苦手でも、スイカなら食べられるのではないでしょうか。
トマトと同じくらいリコピンが含まれていますので、紫外線から肌を守りたい夏にはピッタリの果物です。
リコピンを含む他の食べ物
- 柿
- 赤いパプリカ
- 金時人参
- チリパウダー
ポリフェノールを多く含むもの
ポリフェノールという名前の特定の物質があるわけではなく、カテキン、タンニンなどのポリフェノールの構造(2つ以上の水酸基がついたフェノール環構造)をした物質の総称です。
強力な抗酸化作用を持ち、紫外線から肌を守りますが、水溶性で体内に蓄積できないため、こまめに摂取するのがポイントです。
りんご
りんごに含まれるリンゴポリフェノールは皮に多く含まれています。食べる時は皮ごと食べましょう。
ダークチョコレート
甘いミルクチョコレートはダイエットの観点からもよくありませんが、ダークチョコレートならポリフェノールを摂取する良い方法になります。
できればカカオ70以上の甘くないものがおすすめです。1日60gくらいで良いそうなので、これなら続けられるでしょう。
実はチョコレートには紫外線対策として意外にも、色々な効果が期待できます。下記のページでご紹介していますので、参考にしてみてください。
→ チョコレートを食べると太る理由は?太らない食べ方の秘訣5つ
ポリフェノールを含む他の食べ物
- ブルーベリー
- バナナ
- マンゴー
- コーヒー
オメガ3系脂肪酸を含むもの
良質な脂肪酸であるオメガ3系脂肪酸は、日光の炎症から肌を守る働きがありますし、肌を健やかに保ち乾燥から守るのにも役立ちます。
オメガ3系脂肪酸はDHA、EPA、αリノレン酸の3つを指しますが、DHAやEPAは主に魚介類から、体内でDHAなどに変換されるαリノレン酸は植物油などに含まれています。
青魚
下記の魚類にはオメガ3系脂肪酸がたっぷり含まれています。
- イワシ
- サバ
- ぶり
- あじ
- さんま
くるみ
くるみ30gで赤ワイン1杯以上のポリフェノールを摂ることが出来ます。
くるみならお酒が苦手な人でも食べられますし、料理に取り入れることもできるので、ポリフェノールをたっぷり摂ることが出来るでしょう。
植物油
亜麻仁油、シソ油(えごま油)などにもオメガ3系脂肪酸が豊富に含まれていますが、熱に弱いという性質があるので、加熱しない料理に向いています。
日焼けを悪化させる危険な食べ物は?
逆にこれを食べてはいけない!という日焼けに良くない食べ物にはどのようなものがあるかをご紹介します。
柑橘類はNG
日焼けを予防したいということは、これから出かけるという時に食べるわけですが、柑橘系を日中食べることはあまりおすすめできないのです。
柑橘系の果物にはソラレンという物質が含まれています。これを摂取すると紫外線を吸収しやすくなるといわれているため、シミが出来やすくなる危険があります。
- オレンジ
- みかん
- グレープフルーツ
- レモン
ソラレンは摂取後だいたい2時間程度で血中濃度がピークになるといわれています。ですから、朝食でこれらのものを食べるのは控えた方が良いでしょう。
他にもある、ソラレンを含む食べ物
ソラレンを含んでいるものは柑橘系だけではありません。以下のフルーツや野菜も摂らないように気をつけましょう。
- キウイ
- アセロラ
- きゅうり
- セロリ
- パセリ
- シソ
- パクチー
朝からフルーツや野菜サラダをたっぷり食べたい人は、食材選びに気をつけてください。
添加物が多い加工食品
下記のような添加物がたっぷり含まれた食品は、日光に過剰に反応しやすくなり、シミが出来やすくなるといわれています。インスタント食品や冷凍食品はなるべく避けた方が良いでしょう。
- 人工甘味料
- 合成着色料
- 防腐剤
まとめ
紫外線を防いで日焼けを予防するには、もはや化粧品などの外側からのケアでは足りません。同時に細胞レベルで予防していくために、食べ物もしっかりと選んで摂っていく必要があります。
今回ご紹介した食品は普段の食事の中でも食べやすいものばかりなので、ぜひ日焼け防止に取り入れてみてください。
食品から摂る以外に、最近は飲む日焼け止めも注目されています。