手っ取り早い疲労回復の手段として、エナジードリンクを飲んだことがある方も多いのではないでしょうか。また、眠気覚ましのためにコーヒーを飲むこともありますね。
しかしこれらの飲み物には副作用が大きく、体質や体調によっては効き目が薄いこともあります。
リスクなく疲労を回復させるために、押さえておきたい栄養素や、おすすめドリンクレシピを紹介します。
疲労回復の効果が期待できる栄養素は?
疲労と一言で言っても、肉体的な疲れもあれば、精神的な疲れもありますね。それぞれの項目ごとに期待できる栄養素を紹介します。
肉体的な疲労
スポーツの際に食べるハチミツ漬けのレモンをイメージしていただけるとわかりやすいのですが、レモンなどが持つクエン酸には疲労回復に大きな効果があります。
人の体は、疲労したときに糖分を使ってエネルギーを回復させますが、この働きを促すのがクエン酸です。エネルギー回復を促したいときは、クエン酸の含まれた飲み物がよいでしょう。
ウナギや甘酒などに含まれるビタミンB1は、疲れたときほど多く消費されます。ビタミンB1が不足していると疲労を感じやすくなるため、日ごろから意識して摂っておきたい栄養素です。
精神的な疲労
パントテン酸はストレスへの抵抗力を高めてくれる栄養素で、精神的な疲労を感じる際におすすめの栄養素です。
パントテン酸を多く含むハチミツはストレスへの抵抗だけでなく、健康や美容にもプラスの効果ばかり。砂糖のかわりにハチミツを使ったり、クエン酸を含むレモンを組み合わせて取り入れたりと、小まめな摂取がおすすめです。
イライラしているときの飲み物として思い浮かぶのが牛乳ですが、牛乳に含まれるカルシウムが精神疲労を和らげる効果があります。
気持ちを安定させたいときや、イライラが収まらないときにカルシウムを摂るのがよいでしょう。
カルシウムと同じく、マグネシウムも精神疲労の緩和や安定に効果的です。その他ホルモンの活性化にも効果が期待できますので、体を内側から元気にしたいときにぴったりですね。
ゴマや豆類や抹茶といった食品に含まれており、飲み物としても取り入れやすいものが多いです。
疲労回復におすすめの飲み物は?
先でお伝えした栄養素を含む、疲労回復におすすめの飲み物を紹介します。あわせて手作りのレシピも紹介していますので、ぜひ作ってみてくださいね。
クエン酸
市販の飲み物
そのままでは飲みづらい黒酢を、梅の果汁とあわせてることで飲みやすくしている製品です。23kcalという低カロリーながら、しっかりとクエン酸を摂ることができます。
レモン飲料といえばC1000ですが、その中でもクエン酸が豊富に含まれているのがこちらのドリンクです。すっきりとした炭酸がジュース感覚で飲みやすく、定期的に飲みたい飲料です。
手作りレシピ
ポッカレモンを使った、レモン果汁たっぷりのジュース。ハチミツでパントテン酸も一緒に摂ることができる、手軽なレシピです。
寒い時期には熱湯で作るホットバージョンもありますよ。
レモンのクエン酸と同時に、牛乳でカルシウムが摂取できる一石二鳥レシピ。レモンや牛乳の割合は好みで変えても美味しいです。
上記だけでなく、ポッカの公式サイトにレモンを使ったドリンクレシピがたくさんあります。もっと違ったレモン系のドリンクを作りたいとき、ぜひ参考にされてみてくださいね。
たくさんの梅と、大きな保存瓶でまとめて作る梅シロップ。2週間ほどでジュースとして飲むことができ、約1年ほど飲み続けることができます。
たっぷりの梅とお酢でまとめて作る梅シロップ。お酢を使うので初めてでも失敗しづらいのが特徴です。
2週間も待てない!という方におすすめなのがこちらのレシピ。炊飯器を使うので一晩で梅ジュースを作ることができます。
ビタミンB1
市販の飲み物
サラサラした飲み口で甘さ控えめ、飲みやすさ抜群の甘酒です。美味しい甘酒でビタミンB1を摂りたい方におすすめ。
米麹の粒がしっかりとした、のどごしのいい甘酒です。店頭や自動販売機で見かけることも多く、購入のしやすさも魅力ですね。
1本93kcalと低カロリーながら、自然な甘さが飲みやすい甘酒。森永の甘酒と同様、購入しやすく手軽に飲める一品です。
イオンブランドのオリジナル商品。甘酒が苦手だけどビタミンB1を補いたいときにおすすめです。
手作りレシピ
森永のココアと甘酒で作る、甘酒が苦手でも飲めるレシピです。ココアがお好きな方は、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
好きなフルーツを潰し、甘酒と混ぜて作るだけの手軽なレシピ。ジュース感覚で甘酒を飲みたいときにおすすめです。
アボカドには豊富なビタミンB1が含まれており、ブロッコリーには美肌に嬉しいビタミンCが含まれています。ビタミンB1で疲労を回復しつつ、ビタミンCで肌トラブルの改善が期待できる嬉しいレシピ。
手に入りやすい食材の中で、比較的多くビタミンB1を持つのがパイナップル。たっぷりパイナップルを使った手作りジュースで、しっかりとビタミンB1を摂ってはいかがでしょうか。
パントテン酸
市販の飲み物
ほっと飲料シリーズ「はちみつゆず茶」と「はちみつかりん」にハチミツが使用されています。こちらのシリーズは粉末でお湯さえあればすぐ飲めるため、デスクワークのお供にぴったり。
寒い時期にしか販売していない事がほとんどですが、秋冬には定番の飲料です。ハチミツの甘さとゆずの酸っぱさが絶妙なバランスで、パントテン酸を摂りつつ温まることができます。
手作りレシピ
パントテン酸と同時にクエン酸も補えるドリンク。クエン酸のかわりにレモンでも美味しく、好みの味に調整しやすいレシピです。
自宅に赤ワインがあるときにぴったりなレシピ。ちょっと変わったハチミツレシピを楽しみたいときにいかがでしょうか。
ゆずとハチミツで作る、はちみつゆず茶。お湯で割ってホットでも、炭酸水で割ってアイスでも美味しく飲むことができます。
カルシウム
市販の飲み物
コンビニで手軽に買える、ビタミンやミネラルがたっぷりなドリンクです。果物がベースで飲みやすく、デスクワークや休憩時のお供にぴったりですね。
ブルーベリーがベースとなった、カルシウムをはじめとする栄養素が豊富な飲料。濃厚な味わいと爽やかな酸味が特徴的です。
きな粉と黒糖で飲みやすくアレンジされた豆乳です。きな粉にもカルシウムやビタミンB1が豊富に含まれているため、疲労回復にぴったりな飲み物です。
手作りレシピ
きな粉と砂糖で作る、シンプルながら美味しいレシピ。沸かしたてのお湯を使うと、きな粉がしっかり溶けるのでおすすめですよ。
きな粉とヨーグルトを一緒に使った、カルシウムたっぷりなドリンクです。暖かい時期や、ジュース感覚で飲みたいときにぴったりですね。
自宅でスムージーを作る際に、ベースを牛乳や豆乳にするだけでも十分にカルシウムを摂ることができますよ。また、トマトジュースと1:1の割合で割って飲むと、トマトミルクスープとしても楽しめます。
マグネシウム
市販の飲み物
手早く豆乳を摂りたいときにおすすめの飲料です。しっかりした大豆がクリーミーな味わいとなっており、無調整豆乳でもダントツの飲みやすさ。大豆の風味が苦手な方は、同じメーカーの調整豆乳がおすすめです。
手作りレシピ
黒ゴマの香りが豊かな混ぜるだけのドリンク。
黒ごまきな粉を使ったお手軽レシピ。黒ゴマと豆乳を使っているのでマグネシウムが豊富で、バナナが飲みやすく味わいを調整してくれます。
黒すりゴマ、豆乳、ハチミツで作るまろやかなスムージー。飲みやすいだけでなく、パントテン酸も同時に摂れるのが嬉しいレシピですね。
アレルギーなどで飲み物の制限がある方におすすめなのが、以下で紹介する疲れが取れる水の飲み方です。
- 1日に1.5リットル飲むことを意識する。
- 水は常温で。冷えた水は体を冷やし、筋肉を硬くしてしまうため避けた方がよいでしょう。
- 20分~30分置きに、コップ1杯(約150ml)を飲んでください。
慣れないうちは1日に1リットルでも大丈夫です。少しずつ量を増やして、できれば1日に2リットル飲めるようになるとよいですね。
疲労回復に避けた方がよい飲み物は?
疲労回復に効くように見えて、実は避けた方がよい飲み物があります。それは、つい頼ってしまいがちな栄養ドリンクやカフェインを含む飲み物でした。
エナジードリンク・栄養ドリンク
体が疲れているけどがんばりたい…そんな時に飲みがちなエナジードリンクや栄養ドリンク。しかし、それらが疲労回復に効果的であるという科学的な根拠は、今のところありません。
ではなぜエナジードリンクや栄養ドリンクを飲むと、エネルギーが回復したように感じるのでしょうか。それは、多量に含まれるカフェインによる覚醒効果と、疲労が回復する飲み物だという思い込みによる効果があるからです。
疲れが回復するからといって毎日のように飲んでいては、カフェインの過剰摂取に繋がってしまいます。最悪、カフェイン中毒に陥ってしまい、痙攣や歩行困難に陥ることも。
できる限りエナジードリンクや栄養ドリンクを飲むのは避けて、上記でお伝えした栄養素を含むドリンクを飲むようにしましょう。
カフェインを含むもの
眠気覚ましのコーヒーや紅茶も、エナジードリンクや栄養ドリンクと同じように定番ですね。しかし、カフェインを含む飲み物は、疲労回復のつもりがかえって体への負担を大きくしているのをご存知でしょうか。
摂取したカフェインはアデノシン受容体と結びつき、アデノシンそのものは行き場を失います。このアデノシンというのが、体内の疲労を察知した脳が、体へ眠気を出すよう指令を伝える際に働く物質です。脳から体へ「疲れているので眠るように」という指令を伝えるための係です。
先にお伝えしたように、カフェインと受容体が結びつき、アデノシンが行き場を失うと、アデノシンは本来の働き=眠気を出すことができなくなってしまいます。そうなることで、人は「カフェインを摂れば眠気が覚める」と思い込んでしまうのです。
本来なら眠って休まなければならない体は、カフェインによる妨害のため休まず動き続けます。眠気が覚めたように思えても、実際には疲労はたまり続けているのです。
しかも、カフェインは一定量の摂取を続けていると、その効果が薄くなってくるもの。カフェインによる目が覚める効果を期待してコーヒーを飲み続けていたはずが、かえって疲労をため続けてしまっているのです。
以上のことから、カフェインを含む飲み物は疲労回復には向いていないと言えます。疲れたときは5分でもいいので休憩を挟み、ノンカフェインの飲み物でリフレッシュするのがよいでしょう。
まとめ
疲労回復にはやはりハチミツレモンが定番ですね。疲れたときは10分ほど仮眠を取るのが理想的ですが、忙しい日々ではゆっくり休憩するのも難しいもの。
ハチミツや豆乳などでエネルギーを補い、できる限り栄養ドリンクやコーヒーは飲まずに過ごしていけるとよいですね。