早食いが太ると言われる理由は?治すのに効果的な対策法18選

ご飯を食べる女性健康

早食いは太るとよく言われますが、本当なのでしょうか。同じ量のものを食べても、食べる早さによって太るといわれる理由は、改めて聞かれるとなぜなのかよくわかっていない人も多いと思います。

そこで、なぜ早食いは太るのか、その理由や身体への影響などを解説します。食べるスピード次第で太らなくなるとわかれば、食事の仕方も変わってくるかもしれません。

早食いを防止する対策法もたっぷりご紹介しますので、あなたに合った方法を見つけて下さい。

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早食いが太ると言われる理由は?

お腹をさわる女性

早食いが太るのは、「食べ過ぎてしまう」ということが一番の理由のようです。でも胃の大きさは変わらないのになぜ早く食べると食べ過ぎてしまうのでしょうか。

早食いが太るという研究データ

本当に早食いが太るの?と思っている方に、その実験データをご紹介しましょう。

2002年、公務員の男性3737名、女性1005名について食べる速さをBMIの関連性についての調査結果です。BMIとはBody Mass Indexの略で、体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))で求めます。18.5~24.9が標準とされています。

現在のBMI、20歳時のBMI、20歳から現在までのBMI変化量のいずれも、食べる早さが早くなるに伴い増加し、その傾向は男女いずれも有意であった。また男性では食べる早さが早いほど摂取エネルギー量は有意に多かったので、このことが速食いでの肥満形成に関係すると考えられた。一方、BMIとその変化は、エネルギー摂取量を調整しても認められたことから、速く食べること自体に肥満をもたらす作用があると考えられた。

引用元:「職域集団で探るメタボリックシンドローム対策」Ⅵ.食習慣、ストレスと肥満との関連と対策 1)食べる速さと肥満との関連 豊嶋英明

つまり、食べる量に関わらず「早食いの人ほど太る」ことが実験の結果でも明らかになっているということです。

満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまう

食事を始めてから満腹だと感じるまで、つまり満腹中枢が刺激されるまでおよそ15~20分ほどかかるといわれています。

早食いの人は20分以内にすべて食べてしまいますが、ゆっくり食べる人はそれ以上の時間をかけて食べるので満腹感を感じやすく、全部食べられない=摂取カロリーが少なくて済む、ということです。

これが早食い=大食いになる仕組みです。

噛む回数が少ない

スパゲティーを食べる女性

よく噛んでいると食欲抑制作用のあるヒスタミンなどの物質の分泌が促進されるので、満腹中枢の刺激も早くなり、満腹感を感じやすくなります。

早食いの人は噛む回数が少ないのも特徴です。飲み込むようにして食べているので、満腹中枢が刺激される時間も遅くなるのです。

血糖値が急上昇しインスリンの分泌が増える

血糖値は肥満と大きな関連性があります。私たちが食事をすると血糖値が上がりますが、早食いだと炭水化物のグルコースもすぐに取り込まれてしまうため血糖値も急激に上がります。

これを抑えるために分泌されるのがインスリンというホルモンで、血糖値を下げる役割があります。血中の糖分をせっせとエネルギーに変え、余った分は中性脂肪として溜め込んでいくので、別名「肥満ホルモン」とも呼ばれているのです。

つまり、インスリンが出れば出るほど、脂肪を溜め込みやすい身体=肥満になるのです。

血糖値が急降下
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急激に上昇した血糖値は加工するのも早いのです。インスリンが大量に分泌されていますから、せっせと血中のブドウ糖を脂肪に変え、血糖値が下がりすぎて低血糖の状態になります。

人の身体は胃にものが詰まっているから満腹だと感じるのではなく、食欲中枢(脳)で食欲をコントロールしています。

脳は血糖値が下がると空腹だと感じるので、早食いの人は食事からそれほど時間が経っていなくてもすぐにお腹が減ったように感じてしまうのです。

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早食いによる健康や病気への影響は?

早食いが太りやすくなる仕組みはわかりました。それでは、太るということ以外に身体への影響はあるのでしょうか?

胃腸への影響

胃が痛む女性

早食いの健康への一番の悪影響は胃腸への負担でしょう。以下のような症状が見られる人は、早食いをしていないでしょうか。

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胸やけ

食事の時に空気も一緒に食べてしまうことによってげっぷが出やすくなります。げっぷが出る時に空気だけでなく胃酸も一緒に出てしまうため、胸やけを起こしやすくなります。

逆流性食道炎

早食いの人は大食いの傾向もありますが、この2つは逆流性食道炎の大きな原因になっています。急いでたくさん食べると空気を一緒に飲み込むだけでなく、胃酸の分泌も増やします。

げっぷを繰り返すことにより何度も胃酸が逆流して食道に炎症を起こしてしまうのです。食べてすぐに横になると胃酸が逆流しやすいので、胸やけがひどい時は食後すぐに横にならないようにしましょう。

胃痛・胃もたれ

よく噛まずに食べ物をたくさん飲み込むと、胃酸が出過ぎること、消化に時間がかかり胃に負担をかけるために胃が痛くなることがあります。

また、消化しにくく食べ物が胃の中にとどまる時間が長くなることで胃もたれも起こしやすくなるのです。特に夕食の場合は、寝ている間に食べ物が消化しきれずに、朝起きた時に胃がもたれて食欲が起こらない、ということもあります。

おならが増える

早食いの人は食べる時に一緒に空気も飲み込んでしまっているので、おならが増えます。

下痢・便秘

食べ物が胃で消化しきれないまま腸に進んでいくと腸での消化にも時間がかかり、腸に負担がかかります。消化不良による下痢を起こしやすくなり、腸の機能が低下します。そうすると今度は便秘になりがちに。

早食いの人は下痢と便秘を繰り返していることが多いので、とにかく腸に負担をかけないようにすることが大切です。

腸閉塞

下痢や便秘など、腸に負担のかかることを繰り返していると腸の機能はどんどん低下してきます。そこに早食いや大食いでどんどん食べ物を詰め込んでいくと、食べ物が腸の中で詰まってしまい、腸閉塞を起こすことがあります。

このように、食べ物が原因で起こる腸閉塞を「食餌性イレウス」といいます。

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口の中への影響

口を開く女性

早食いの人は噛む回数が少ないので、唾液の分泌が少ないのです。唾液は口の中の健康を保つために必要なもの。唾液が少ないことの影響はこの2つです。

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虫歯になりやすい

唾液には殺菌成分もあり、虫歯の原因となるミュータンス菌の増殖を抑える働きがあります。小さな虫歯であれば、歯の再石灰化を促し、自然治癒することもあるのです。

早食いの人は唾液が少ないのでミュータンス菌が活発になり、虫歯になりやすいのです。

口が臭くなる

唾液の少なさは口臭にも影響します。口の中が乾いていたりネバネバしていると嫌気性菌が活発になり、口臭が出てくるのです。この嫌気性菌は酸素が嫌いで口臭の原因となる臭いの成分を作り出します。

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血管への負担

血糖値の急上昇は血管にも大きな負担をかけます。血中に糖が大量にある状態で血管が弱っていけば当然身体によくありませんよね。心筋梗塞や脳卒中など循環器系の病気のリスクが高まります。

糖尿病

血液検査

血糖値の急上昇と急降下を繰り返しているとインスリンの分泌が追いつかなくなり、膵臓が疲労してきます。インスリンがきちんと分泌できなくなるのが糖尿病ですから、早食いを続けていると糖尿病のリスクが高まります。

めまい・ふらつき

血糖値の急降下以外にも、血液が胃腸に集まることで低血圧になる「食事性低血圧症」というものがあります。食事をすると大量の血液が胃腸に集まり、消化するためのホルモンが分泌されて血圧が下がります。

高血圧と違って早期の治療は必要ないとされていますが、急に血圧が下がることによってめまいやふらつきが起こりやすくなります。早食いの人はこの症状が出やすいといわれています。

美容面への影響

肌を触る女性

早食いは病気のリスクが高まるだけでなく、美肌や美髪作りにも影響が出るのです。

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ニキビ・吹き出物

早食いの人は腸内環境が悪いことが多く、老廃物がたまった腸の中では毒素が発生します。毒素は血液中に溶け出し、全身を巡り、最後は皮膚から出てきます。それがニキビや吹き出物の原因になります。

薄毛・はげやすくなる

まさか、早食いで薄毛になるなんてと思うかもしれませんが、早食いによって髪に栄養が行き渡らなくなり、薄毛になるというのです。

今は男性ばかりでなく女性でも薄毛に悩んでいる人が多いですよね。特に40~50代の更年期にさしかかる年代だと、ホルモンバランスの影響もあり髪の悩みを抱える人が増えてきます。

栄養が髪に行き渡らなくなる原因は肥満です。早食いだと太りますよね。太っている人は脂肪で覆われているので冷え性=血行の悪い人が多いのです。

血行が悪いというまでもなく身体の隅々まで酸素や栄養素が行き渡りませんから、髪や頭皮も栄養不足となり、薄毛はもちろんのこと、ぱさついたり枝毛や切れ毛が増える原因になります。

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早食いと精神疾患の関連性

ストレスを抱える女性

早食いは統合失調症などの精神疾患とも関係があります。ただし、早食いだから統合失調症になる、ということではなく、抗精神病薬を服用することによって食欲が増進されてしまい、適量がわからずにどんどん食べてしまうという傾向があるようです。

自分では適量、適切な食事時間を判断することが難しいので、家族や友人にそのような人がいれば、ゆっくり食べられるようにサポートすることが必要です。

早食いを治す為の対策は?

食事をする女性

早食いを防止するためにはどうすれば良いのでしょうか。18の方法をご紹介します。早速今日から、出来そうなものからぜひやってみて下さい。

よく噛むこと

1口30回以上噛むことを心がけましょう。30回といわず、40回でも50回でもかまいません。たくさん噛むほど満腹中枢を刺激しやすくなり、早食いを防げます。

1口50回も噛むと、いつもの半分くらいの食事量でもお腹がいっぱいになってしまいますのでぜひ今日からでも試してみて下さい。

一口ごとに端を置く

箸

面倒でしょうが、一口食べるごとに箸を置きましょう。口にものが入っているうちは箸を持たないようにします。

その間、飲み込むか飲み込まないかのうちに次のおかずを手にすることがありませんので、必然的に食事の時間が長くなります。

食事に集中する

一人で食事をしている時、食事以外のことをしていませんか?テレビ、パソコンを見ながら、本を読みながらなど「ながら食い」は太ります。

ながら食いなら時間もかかっていいのでは?と思いますか。いえいえ、逆です。食事以外のことに意識が向いているので、食べ物をろくに噛まずに飲み込んでいます。

食事の時は食事に集中する!これが噛むことに意識を集中し、満腹中枢を早く刺激することに役立ちます。

食事の時間を計ってみる

時計

早食いかもしれないと思う人は、一度普通に食事をしてその時間を計ってみましょう。一人で食事をすると、意外と早く食べ終わってしまうものです。それが5分、10分しかないなら、20分以上になるように時間をかけて食べるようにします。

たくさん噛んだり、一口ごとに箸を置くなどすれば、すぐに20分はクリアできますよ。

食事の時間を長く取るようにする

朝ギリギリの時間に起きたりするとどうしても早食いになりますよね。早食いになる原因の一つに「時間がない」ということもあるでしょう。

ここは食事の時間をしっかりとりましょう。お昼や夜も30分~1時間くらいきちんと食事をする時間を確保したいものです。

小さいスプーンを使う

一口分の量が少ないと、自然と食事の時間が長くなっていきます。カレーライスなどはドリンクの様にあっという間に食べてしまう人もいますよね。

そんな人ほど、ティースプーンなど小さなもので食べてみて下さい。食べるのはとても面倒ですが早食いは防止できます。

利き手でない方の手で食べる

左手で箸

食べづらいので必然的に食べるスピードが遅くなります。箸が難しければスプーンやフォークでもかまいませんが、利き手でない手で食べるというのは思いのほか難しいものです。

おそらくいつもの倍以上の時間がかかるでしょう。

味噌汁、スープを先に飲む

汁物を先に胃に入れることで満腹感が得られます。特に空腹の時に温かいものを飲むと、それだけで胃が落ち着いて満足します。できれば野菜をたっぷり入れた具沢山の味噌汁がいいですね。

汁物が無い時は温かいお茶などを飲むといいでしょう。

食物繊維の多い食材を摂る

筑前煮

食物繊維の多いものを取ると、胃の中で膨らんで満腹感を得やすいので早食いを防止できるでしょう。

食物繊維を多く含む食材 [surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]
  • ごぼう
  • 切り干し大根
  • 玄米
  • こんにゃく
  • 大豆類
  • 海藻類
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早食いの人ほど食物繊維の摂取量が少ない傾向にあるそうです。食物繊維をもっと取り入れれば噛む回数も増えて満腹中枢を刺激するのも早くなります。

ナッツなど歯ごたえのあるものを食べる

サラダもナッツや木の実、種類など歯ごたえのある素材をプラスすることによって食べるのに時間がかかるメニューになります。

低GI値のものを食べて血糖値をコントロールする

玄米やサラダ

GI値とは、Glycemic Index(グリセミックインデックス)のことで、食品を摂った時の血糖値の上がるスピードを数値化したものです。

GI値が高いほど血糖値が上がりやすいので、低いものを選んで食べるといいでしょう。血糖値の上昇が緩やかなら、下がる時も緩やかです。空腹感を感じにくくなります。

基本は白いものより、【黒いもの、甘くないもの】です。

うどんよりそば、白い食パンより全粒粉のパン、白米よりも玄米です。野菜はにんじん、トウモロコシ、じゃがいもなど甘味のある野菜ではなく、緑色の野菜を摂るようにしましょう。

骨つきの魚など面倒なものを食べる

さんまや鯵の塩焼きなど、尾頭付きの魚は骨を取るのが面倒ですよね。ブリの切り身などは箸で切ってそのまま食べられてしまいますが、骨がついていると取り除きながら食べるので自然と食べるスピードが落ちていきます。

食材は大きめに切る

かぼちゃの煮物

根菜類などは大きめに切ると食べるのに時間がかかるので、早食いを防ぐことが出来ます。

下記のような根菜類の野菜は一口大ではなく、それ以上の大きさ出来る方が食べづらいので食事に時間がかかります。

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  • かぼちゃ
  • 里芋
  • じゃがいも
  • 大根
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食前にするめを食べる

ものすごい空腹の状態で食事をするとどうしても早食いになりがちです。食事の前に食べるのはガムでも煮干しでもいいのですが、たくさん噛むことによって空腹感が紛らわせられるので早食いを防止できます。

一皿料理ではなく定食を

定食

例えば、下記のような単品の料理は、早食いになりがちです。

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  • 丼もの
  • パスタ
  • カレーライス
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ゆっくり食べるには品数の多い定食がおすすめです。カロリーを考えると和食が良いですが、洋食でもスープにパン、メインディッシュとなるべく皿数を増やして食べるようにすれば大丈夫でしょう。

会話をしながら食事を楽しむ

一人で食事をしているとついつい早食いになってしまいますが、家族や友達と会話を楽しみながら食事をするようにしてみてはいかがでしょう。

人と会話をしている時に自分一人だけガツガツと早食いするわけにはいきませんから、自然とゆっくり食べるようになります。

早食い防止アプリを使う

何でもアプリで対応できる時代になりました。早食いを防止するためにもアプリが役に立ちます。缶で食べるためのリズムを教えてくれるアプリです。

オーラルダイエット
出典:play.google.com

食生活を改善する電子フォークを使う

食事時間、1分間にフォークを口に運んだ回数、フォークを口に運ぶ間隔を、食事のたびごとにデータとして記録され、食べ方が早すぎるときにはライトとバイブレーションでお知らせしてくれるすごいフォークです。

hapifork
出典:amazon.co.jp

まとめ

早食いをすることで得することは何一つないと言い切ってもいいでしょう。今回ご紹介したように、太るだけでなく健康や美容に様々な悪影響が出てきます。

ちょっとしたことで早食いは防止できます。年齢とともに段々やせにくくなりますから、食事の仕方一つでやせられるならこんなに楽なことはないでしょう。

今日から時間をかけて食事をし、食べることをもっと楽しみながら太りにくい身体も手に入れましょう!