更年期障害によいといわれて注目を集めているエクオールですが、サプリメント以外で摂る方法はあるのでしょうか。
食べ物で摂れればそれが一番楽ですが、どうすれば摂れるのか、また、体内で増やすためにはどうすれば良いのかなど、女性に役立つエクオールについてまとめました。
エクオールを含む食品ってあるの?
大豆イソフラボンが女性に良いということはよく聞きますが、エクオールは何に含まれているのでしょうか。
エクオールが含まれる食品はない
実は、エクオールを含んでいる食品はないのです。食べ物から直接エクオールを取ることはできないのです。
というのも、エクオールは大豆イソフラボンに含まれる「ダイゼイン」という成分が腸内細菌の働きによって代謝され出来るものだからです。
ですから、食品から摂るには大豆イソフラボンを沢山摂ることが大切です。
エクオールを増やすためには
エクオールを増やすには、大豆イソフラボンが含まれる大豆製品を食べる必要があります。
- 豆腐1丁 100mg
- 油揚げ1枚 100mg
- 納豆1パック 50mg
- きな粉大さじ1 15mg
- 豆乳コップ1杯 80mg
製品によって量の違いもあるので若干誤差がありますが、これらの食品でこのくらいの大豆イソフラボンを摂ることが出来ます。
大豆製品は日本人の食卓に馴染みのあるものばかりなので、毎日続けるにもあまり苦にならないでしょう。
ラクトビオン酸とは酸性のオリゴ糖の一種で、カスピ海ヨーグルトに含まれています。このラクトビオン酸はエクオールと相性が良く、エクオールの変換を促進するといわれています。
また難消化性のオリゴ糖なので、腸の善玉菌の餌になり腸内環境を整える働きもあります。
大豆製品と一緒にカスピ海ヨーグルトを摂ることでエクオールの産生を促し、更年期障害の緩和に役立つでしょう。
エクオールは腸の中で作られます。「エクオール産生菌」と呼ばれる菌がダイゼインを代謝してくれるので、この菌が活躍できる環境を作ることが大切です。
いくら大豆イソフラボンを沢山摂っても、腸内環境が悪かったらエクオールを作ることができません。
腸内環境を整えるためには乳酸菌や食物繊維をたっぷり摂りたいところですが、それを叶えてくれるのが納豆です。
納豆は発酵食品であり、食物繊維も含まれています。しかも大豆からできていますから大豆イソフラボンも含まれています。
エクオールを作れる人、作れない人がいるってホント?
エクオールが体内で作られることはわかりましたが、すべての人がエクオールを作ることが出来るわけではなさそうです。
エクオールを作れる人の特徴
エクオールは「エクオール産生菌」がないと作ることができません。つまり、このエクオール産生菌が腸の中にあるかどうか、それによってエクオールが作れるかどうかが決まります。
エクオール産生菌はこれまで10種類ほど見つかっています。この菌を持っている人がエクオールを作れる人です。
しかし、日本人のおよそ半分しかエクオール産生菌を持っていないといわれていますから、2人に1人しかエクオールを作れない、ということになります。
関西の人は7割以上がエクオールを作るための腸内細菌を持っていないという実験結果もあります。
エクオールを作れるかどうかの検査
エクオールを作れるかどうかは普段の生活の中ではわかりません。
もし更年期障害が気になっていて、大豆イソフラボンを積極的に摂っていてもなかなか効果を実感できないという場合は、もしかしたらエクオールを作れないのかもしれません。
エクオールが作れるかどうかは、検査をすると分かります。
エクオール検査ができる婦人科はまだそれほど多くありません。東京では「浜松町ハマサイトクリニック」が初めて検査を取り入れたクリニックとして知られています。
料金は、エクオール検査のみなら4860円、更年期かどうかの診断も含めると9800円です。
公式サイト:浜松町ハマサイトクリニック
どこでも出来るわけではないので、かかりつけの医療機関でエクオール検査をやっているかどうか問い合わせてみてください。
ちなみにエクオール検査は病気の検査ではないので、全額自己負担となります。
近くにそのような医療機関がない、という方は検査キットを使ってみましょう。婦人科や薬局で取り扱っている場合もありますし、インターネット通販で購入することもできます。
「ソイチェック」という検査キットを使い、採尿したものを郵送すると検査の結果が2週間ほどで送られてきます。
料金はだいたい4000円ほどで売られています。
公式サイト:ソイチェック
エクオールを作れない場合はどうすればいいの?
もしエクオールが作れないとしても、あきらめないでください。エクオールはサプリメントで摂ることが出来ます。
エクオールのサプリを摂取
エクオールのサプリメントはいくつか販売されているので、自分にあったものを選ぶことが大切です。
更年期障害を緩和するには1日10mgは必要といわれています。毎日このくらい摂ることで、効果を実感できるといわれていますが、沢山摂れば摂る程よいというものではありません。
サプリメントは1日の摂取目安量を守ることが大切です。
サプリメントを選ぶ時は、次のポイントをチェックしてください。
- エクオールが1日10mg摂れること
- ラクトビオン酸も摂れること
- 飲みやすい分量、大きさであること
- 定期購入などで少しでもお買い得になること
エクオールだけでも必要量摂れれば十分ですが、できればラクトビオン酸も一緒に摂れれば効果が高まります。
更年期障害の症状の度合いに個人差があるので、効果を実感するのにも差があるのですが、早い人で2週間くらい、だいたいの人が1~2ヶ月くらいで症状が緩和されているようです。
サプリメントは健康食品なので、いつ飲まなければいけないというようなタイミングは決まっていません。
ただ、続けていくことが大事なので、朝起きたら飲む、食後に飲むなどタイミングを決めておくと良いでしょう。
エクオールを作れる人でもサプリは役に立つ
エクオールは体内で作れても、溜めておくことができません。また、せっかくエクオールを作れても、作るために必要な大豆イソフラボンを毎日摂っていなければ意味がありません。
毎日自炊をするのが難しかったり、大豆製品が苦手な人はエクオールをサプリメントで積極的に摂るといいでしょう。
エクオールのサプリを利用されていた方の体験談
サプリを飲み終えた頃妊娠が発覚し、それと同時に肌トラブルも改善したため、現在は飲んでいません。
ただソイチェックの結果、私は体内でエクオールを生成できないタイプということが分かったので、出産後時期を見てまたエクオールサプリの摂取を始めてみたいと思います。
その頃から今までの悩みだった腹痛もお通じがよくなったことでなくなっていきました。特に副作用もないため、このまま続けていこうと思います。
多少なりともブランクはありますが、利用期間は1年以上ほど経ちました。副作用は特にはないように感じます。
生理痛は特に変わりないように感じるものの、心は前よりものすごくイライラしなくなった気がします。
一つ目は、急な汗が顔から出るようになって、人前に出た時急にそうなったらどうしよう?と心配になったことです。そしてもう一つは、イライラよくするようになり、子供にあたってしまうようになったことです。
そこでエクオールを飲んでみたところ、1ヶ月ほどで、その症状が和らぐのを実感しました!本当に、自分自身でどうすることもできなかったので、エクオールを飲んで本当によかったです。
1ヶ月ほどで症状は和らぎましたが、2ヶ月ほど飲み続けました!副作用がなかったのが、嬉しかった点です。
ひと月では劇的に変化は感じられませんでしたが、便通がよくなったという点では実感がありました。
大豆成分を摂取しすぎても?という不安もあったので日常の食事では大豆製品は控えるようにしていましたが、食べたいものに制限をするのもストレスになるので、そこは加減しながら、数ヶ月間上手に付き合いました。
継続期間は個人差があると思いますが、心身の健康につながり体調の改善を実感することがあるかもしれないので、試してみる価値はあると思います。
エクオールのサプリは大豆イソフラボンから作られている成分で作られており、女性ホルモンと似た働きをしてくれるとの事だったので選びました。
1日3カプセルを飲むだけの手軽さで飲み始めてからホットフラッシュが少し治まってきたので本当に良かったと思っています。
病院で「処方」はされない
エクオールのサプリメントはあくまでも「食品」なので、病院で薬として処方されることはありません。
ただし、保険の適用はありませんが、病院でもサプリメントを取り扱っているところはあります。ホルモン補充療法や漢方などを使う前に試してみたい人は、かかりつけの病院で聞いてみるといいでしょう。
エクオールを過剰摂取することで何かリスクはあるの?
エクオールを摂りすぎた時に副作用などはあるのでしょうか。
エクオールの過剰摂取による副作用
エクオールは体内で作り出すことの出来る成分ですから、エクオール自体に副作用はありません。
ただし、サプリメントで摂る場合に、推奨されている量を超えて取ることは過剰摂取になってしまいます。
エクオールの摂り過ぎは、逆に女性ホルモンのバランスを乱してしまうことがあり、生理不順などの症状が起こる可能性があります。
他にも、膨満感、腹痛、下痢、吐き気などの症状が出ることもあるようです。
このような症状が起きた場合には、いったんサプリメントの服用を中止して、体調が元に戻ってから目安量を守って摂取するようにしてください。
食品と組み合わせるときの注意
例えばエクオールを作ることの出来る人が、納豆を毎日3パック、豆腐を1丁食べて、なおかつエクオールサプリメントも1日10mg摂る、これを毎日続けると過剰摂取につながります。
ちなみに納豆は1パックで50mg、豆腐は1丁で100mgのイソフラボンが含まれています。
ただし、大豆イソフラボン自体は食品とサプリメントを合わせて1日100mg程度まで摂取しても大丈夫だとされています。
また、現実問題として毎日それだけの大豆製品を摂るというのも難しいでしょう。
ですから、エクオールを作れる人は、大豆製品を沢山食べた日にはサプリメントを控えるなどの調整をしていけば過剰摂取になる心配はないでしょう。
婦人科系の疾患がある人は注意
エクオールはホルモン補充療法とは違います。あくまでも「食品」なので、漢方薬やピルと併用しても大丈夫だといわれています。
ただし、症状によって思わぬ体調不良につながっても困るので、念のためにどのようなサプリメントを摂るのかを主治医に相談の上、摂取するようにした方が安心です。
大豆アレルギーの人は注意
エクオールサプリメントは健康食品ですから安全性の高いものですが、大豆のアレルギーがある方は向いていないでしょう。
また、サプリメントにはエクオール以外に成分が含まれていることが多いものです。
腸内環境を整えるために乳酸菌やビール酵母などが配合されているものも多いので、他の成分にアレルギーを持っていないかも確認してサプリメントを選ぶようにしてください。
まとめ
大豆イソフラボンがいいと聞いて一生懸命大豆製品を食べていたのに、一向に効果がなかったという方にはエクオールはまさに救世主。
更年期障害の症状を緩和するためにホルモン補充療法などにはちょっと抵抗がある、という方は、まずエクオールを作れるかどうか検査してみませんか。
検査をした上で、エクオールが作れれば、大豆製品を摂るとともに腸内環境を良くしていけば良いですし、作れなかったとしてもエクオールのサプリメントを摂取すれば更年期障害を緩和していけるでしょう。