ダイエットをしてから肝臓の数値が上がってしまった!そんな人はいませんか?「体重は痩せたのになぜ肝臓が悪くなるの?」と思ってしまう方が当たり前だと思います。
実際にダイエットをした後に肝臓が悪くなっている人は近年急激に増えているんです。ではそれは一体何が原因なのでしょうか?
ここでは、ダイエットが肝臓に負担をかけている理由を説明し、肝臓に負担を与えないダイエットの方法を紹介したいと思います。ダイエットのカギは「肝臓の健康」です!
ダイエットで肝臓が悪くなるメカニズム
ダイエットをしたのに肝臓が悪くなる人が多いのは、ズバリ「脂肪肝」が原因です。脂肪肝???と思われると思いますが、実はこの脂肪肝は痩せている人・太っている人関係なくなってしまう恐ろしい病気なのです。
ここでは、脂肪肝とは何なのか、またなぜダイエットをした後なのに脂肪肝になるのかそのメカニズムを説明します。
肝臓とは
肝臓はよく「沈黙の臓器」としても有名ですが、実は色々な働きをしている臓器なのです。
解毒作用
血液中の老廃物や薬剤など私たちの体に有害な物質を無毒化してくれる働きをしています。特に最近注目されている疲労物質「アンモニア」は肝臓で無毒化された後、腎臓で尿にかわり体外に排出されます。
エネルギー源
脂肪はエネルギー源をグリコーゲンと呼ばれる物質に変換し蓄えています(私たちの体の石炭やガソリンのようなものです)。そして、血液中にエネルギー源であるブドウ糖が足りなくなるとグリコーゲンを分解しブドウ糖にし血液中のブドウ糖の量を調節する働きをしています。
代謝
エネルギー源とも関係がありますが、私達が食べた炭水化物や脂肪分は腸内で吸収され、血液中に放出され太い血管を通り(肝門脈)肝臓に運ばれていきます。そこで、肝臓はその糖分(炭水化物)や脂質(脂肪分)をコレステロール・中性脂肪・リン脂質などの貯蔵物質に変換して肝臓内に貯蔵します。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ebebea”]炭水化物・脂肪分→(腸内)吸収・分解→(血液中)糖質・脂質→(肝臓内)グリコーゲンとして貯蔵→コレステロール・中性脂肪・リン脂質に作り替えられまた貯蔵[/surfing_su_note_ex]この中の中性脂肪が血液中に同じように運ばれてきたタンパク質と合成され、リポ蛋白という物質に変換されます。このリポ蛋白が体中をめぐりエネルギー源として消費されていきます。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ebebea”]中性脂肪+タンパク質(血液中)=リポ蛋白→筋肉や他の臓器に運ばれエネルギー源となり使われる[/surfing_su_note_ex]脂肪肝とはなんでしょうか?
脂肪肝とは、肝臓を作っている肝細胞の一つ一つに脂肪が含まれている状態です。脂肪がぎっしりと肝細胞に詰まってしまうと肝臓の正常な働きが弱くなり、最後には肝臓自体が機能しなくなってしまいます。
脂肪肝の怖いところは、外見では全く分からないということです。例えば、痩せ型の女性でも脂肪肝のために実際には中性脂肪やコレステロールの値が高く治療が必要という人も多いです。
また、脂肪肝は肝硬変、肝臓がんへ移行する率が高く、心臓病やその他の病気にも密接にかかわってくるため早めの対策が必要になってきます。
ダイエットが肝臓に負担を与える理由
では、実際になぜダイエットで脂肪肝になってしまうのか、その理由の主な3つを見ていきましょう。
タンパク質の低下
上記でも述べましたように、肝臓内に蓄えられている中性脂肪はタンパク質と合成して初めて体内のエネルギー源として使用されます。しかし、ダイエットなどでタンパク質をあまりとらない食生活をしていると、中性脂肪ばかりが肝臓内に溜まるようになってしまい脂肪肝になってしまいます。
そのため、食事を制限したからと言って脂肪肝にならないわけではなく、却ってその制限により脂肪肝になってしまうのです。例えば、アフリカやその他の難民キャンプの子どもたちはタンパク質不足のために脂肪肝の子どもたちが多いです。
脂肪分の取りすぎ
話題の炭水化物ダイエットやその他の単品だけを食べるダイエットをしている人たちは、どうしても脂肪分の量がタンパク質の量よりも多くなってしまいます。
そうなると、脂肪分は腸内で分解されてもそのまま肝臓に溜まってしまうため、脂肪肝の原因になってしまいます。
運動不足
リポ蛋白質は体中に存在しますが、エネルギー源として使用されなければまた、肝臓に貯蔵されてしまいます(これは、本来ならば私たちの体内の賢い機能なのですが)。そのため、運動不足は脂肪肝の主な原因になります。
体内の働きは私たちが思っている以上に精密で複雑な働きをしているため、このほかにも様々な理由があるのですが、主にこの3つが脂肪肝になる理由です。
肝臓に負担がかかっている時のサイン・症状
肝臓は体内の色々なところと密接に関わっているため、肝臓の機能が低下している場合には様々なところに色々な症状が出ます。
一番分かりやすいものは、とにかく「疲れやすい」ということです。朝起きた時から「だるい・疲れている」体が動かないという人は貧血の場合もありますが、肝臓の機能低下も疑ったほうがいいでしょう。
その他には、以下のような肝臓の機能低下による症状が現れます。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 身体がだるい :起き上がれないくらいだるくなります
- 過度の眠気 :特に食事後に酷くなります
- 黄疸:人差し指で腕などを押し、すぐに放すとその部分が黄色になり残ります
- 夜中に大量の汗をかく:冬でも敷布団が濡れるほどです
- 乳房肥大:女性のように胸が大きくなります
肝臓に負担がかかることで起こり得る病気
色々な病気が考えられますが、主な病気はこちらです。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 肝炎
- アルコール性肝疾患
- 動脈硬化症
- 肝硬変
- 胆石
- 胆道閉塞
- 肝臓への血流の欠如
- 心不全
- 神経痛
- 糖尿病
- 肝臓がん
その他にも、感染症やアレルギーなどが酷くなったりと人により様々な病気が引き起こされます。
肝臓に負担を与えないダイエットの方法
肝臓に負担を与えないダイエットの方法はどのような方法がいいのでしょうか?ポイントとなるのはこの6点です!
脂肪分を控える
炭水化物を控えだすとどうしても高くなってしまうのが脂肪分です。そのため、脂肪分をとにかく控えるようにしてください。「脂肪分と言われても分からない!」と言われる人も多いと思うので、参考までに以下のことを気を付けて下さい。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]例:お肉の脂身、固形の油(マーガリン、バター、ショートニング)など
例:亜麻仁油、オリーブオイル、えごま油、グレープシードオイル、ココナッツオイル(例外ですが、常温では固体です。しかし中鎖脂肪酸と言われ体に残らないオイルなので大丈夫です)
[/surfing_su_note_ex]タンパク質を食べ物から摂取するようにする
タンパク質をよく食べ物から取るようにしてください。サプリや粉末では、取りすぎしまったり消化が良くないので腎臓に負担がかかる場合があります。
また、腎臓に持病がある場合にはタンパク質のとりすぎは負担をかけてしまうため、主治医の先生とよく相談して取ってください。タンパク質が多く含まれる食品は下記のような食品です。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]- 大豆食品
- 青魚(サバ、サンマ、イワシなど)
- 白身魚(タラ、カレイ、ヒラメ、スズキなど)
繊維質をバランスよく摂る
繊維質は腸内で行われる余分な脂肪分や糖質の吸収を抑えて、体外へ排出してくれる働きを持っています。そのため、サプリメントや繊維質の多いごぼうなどを積極的に取るようにしてください。
また、食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、どちらもバランスよく取ってください。繊維質の多い食品は下記の通りです。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]例:豆類、きのこ類、いも類(こんにゃく)、切り干し大根、小麦ふすま
腸のぜん動運動を盛んにさせたり、満腹感を出してくれます。
例:海藻類、バナナ、りんご、レモン、オクラ、納豆
水に溶けルセン氏の仲間です。血糖値の急激な上昇(糖尿病になりやすい)を抑えたり、脂肪分を体外に排出してくれる働きがあります。
[/surfing_su_note_ex]有酸素運動を行う
食事面では気を付けていますが、知らないうちに食べ過ぎていることもあります。そこで大切になってくるのが運動です。有酸素運動は体の細胞に酸素を取り込みエネルギーを燃焼させるため脂肪肝には大変効果があります。
例:ジョギング、ウォーキング、マラソン、体を20分以上動かすこと
運動は体の調子が悪う動かせないという人には、ストレッチがおすすめです。体を伸ばすことで血行が良くなり体の隅々まで酸素が行き渡るようになり代謝がよくなります。
鉄分のとりすぎに気を付ける
鉄分は女性にとって大切と言われていますが、長期間の鉄分の取りすぎは肝臓に負担をかけるため毎日鉄分のサプリなどを飲んでいる人は、生理前後の1週間サプリを取ったらあとは取らないで生活するなど工夫することが大切です。
貧血気味の人は担当の医師に相談してみてもいいかもしれません。
ストレスや睡眠不足を解消する
ストレスや睡眠不足が続くと、肝臓は休みなくフル回転している状態です。また、ストレスが溜まりすぎると味覚や満腹中枢も鈍くなり味の濃い物や食べ過ぎなどの原因になり、肝臓に負担をかけてしまいます。そのため、ストレスはあまり貯めこまず、できるだけ解消するようにしてください。
仕事のために睡眠不足の人は、昼休みなど10分ほどのお昼寝でも肝臓が休まりますので、試してみてください。
まとめ
ダイエットの後痩せたはずなのに、肝臓の調子が悪くなっている人は脂肪肝の恐れがあります。脂肪肝はそのままにしておけば、肝硬変や肝臓がんなど深刻な病気を起こす前兆にもなってきます。
そこで、ダイエットをする際には、肝臓に負担をかけないダイエットを推奨します。