働く女性の中で、デスクワーク中心の仕事をしている人の割合は、なんと約50%にもなります。
そんなデスクワークをしている女性には、「太ってきた」「痩せない」などという悩みを抱えている人がとても多いようです。
確かに、立ち仕事と比較すると、デスクワークの消費カロリーはかなり少ないといえます。ですが、諦める必要はありません。
デスクワークであっても、ちょっと意識を変えるだけでダイエットはできます。それも、ジムなどに通うのではなく、仕事をしながら簡単に取り組めるのです。
ここでは、痩せたいと思っているデスクワーカーさんに、とっておきの「痩せるコツ」を公開します。
痩せるために確認しておきたい3つのポイント
「デスクワークをするようになってから太ってきた」と感じる人が多いように、デスクワークが太りやすいというのは事実です。
なぜなら、デスクワークのデメリットには、太りやすくなる条件がそろっているからです。
ということは、つまり、痩せるためには、デスクワークのデメリットを改善すればいいのです。
- 消費カロリーが少ない⇒消費カロリーを増やす
- 血行が悪くなる⇒血行を促進する
- 体が冷える⇒体を温める
とはいっても、「具体的にどうすれば良いのかわからない」という声が聞こえてきそうですね。
では、デスクワークのデメリットを改善する方法を具体的に上げてみましょう。通勤中や仕事中などのシーンに分けて、ダイエットが成功するコツを説明します。
通勤中に痩せるコツ
一日の消費カロリーを増やすダイエットチャンスは、通勤時間にあります。
階段の利用
何も考えずにいつも、エスカレーターやエレベーターを利用していませんか。ダイエット面から考えると、それはすごくもったいないことです。
今すぐ、階段の利用に切り替えましょう。階段の上り下りは、ウォーキングの2倍、ジョギングと同程度のカロリー消費だといわれています。
通勤中にエスカレーターやエレベーターの利用をやめて、常に階段を利用するようにすれば、確実に消費カロリーを増やせます。
車内でのエクササイズ
電車やバスに乗っている時間が長ければ長いほど、座りたいと思いますよね。ですが、通勤時間をダイエットに有効活用するには、立っている方が圧倒的に効果があります。
電車に乗っている間にエクササイズをすれば、わざわざジムに通う必要もありません。5分、10分の短時間の乗車であっても、積み重ねることで、必ず効果が現れます。
お腹周りの引き締めに効果があり、ヒップアップにも期待できます。「電車の1区間を続けてみる」など、休憩を入れながら自分でルールを決めて行うのがおすすめです。
- つり革を持って、背筋を伸ばして立つ
- お腹に力を入れて、お尻をキュッと締める
- 腹式呼吸を意識しながら、30秒キープ
- 力をゆるめる
- 繰り返す
デスクワークでは、特に下半身にお肉がついてしまいがちです。ドローインは、お腹痩せの効果が抜群なエクササイズです。そして、短時間でどこででもできるので、通勤中にピッタリです。
電車やバスが揺れるときには、周りの迷惑にならないように、つり革を持ちましょう。
- 肩幅くらいに足を開いて立つ
- 頭、背中、お尻、かかとが一直線になるように姿勢を正す
- ゆっくりと大きく息を吸い込みながら、お腹をへこませる
- へこませたまま、今度はゆっくりと大きく息を吐きながら、さらにお腹へこませる
- 限界までへこませたら、そこで1~2分キープする(呼吸を止めない)
- 通常の呼吸で30秒休む
途中でお腹がふくらんでしまわないように注意して、3セット行うことができれば終了です。
絶大な効果が期待できるドローインは、通勤中だけではもったいないエクササイズです。仕事の合間や休憩時間にもぜひ取り入れてみましょう。
もし、どうしても座りたいときには、座った状態でもエクササイズを忘れないようにしましょう。
- 両ひざが離れないようにしっかりとくっつける
- くっつけた両ひざを押し合わせる
- 10秒間キープ
- 力を抜く
繰り返し行うことで、普段、なかなか使わない太ももの内側の筋肉を効果的に引き締められます。
仕事中に痩せるコツ
通勤中だけでなく仕事中も、ちょっと意識を変えたり、簡単なエクササイズを取り入れたりするだけで、ダイエットにつなげられます。
太らない座り方をする
デスクワークで太ったという人の中には、座り方に問題のある人がたくさんいらっしゃいます。正しい姿勢で座れば、自然にインナーマッスルが鍛えられて、脂肪燃焼しやすい体になります。
仕事に夢中になったり、パソコンの画面を一生懸命に見続けていたりすると、つい猫背になってしまいます。
猫背は腹筋を使わないため、お腹や背中の筋肉が衰えて脂肪がつきやすくなり、ウエストラインも崩れてきます。
骨盤をしっかりと起こして、座骨の上に体重をかけて座るようにします。そうすると、自然に腰から背中が真っすぐに伸びます。
さらに、お腹とお尻も引き締めるように意識してみましょう。
姿勢をよくすることで、インナーマッスルの強化につながり、また、血行も促進されるため、代謝アップにもなります。
背筋が伸びると、背もたれにもたれかかることはなくなります。今まで、いつも背もたれにもたれかかっていたのなら、骨盤は常に後ろに傾いている状態になっていたということです。
この姿勢では、骨盤がずれてお腹が前に出て、下腹部の筋肉も使わないため、脂肪が溜まる一方です。
肩の力を抜いて軽く胸をはり、あごを引いて、体全体が前を向くようにします。
あごを前に突き出して座ると、頭の重さが頸部から肩に乗ってしまうので、肩や背中にコリが生じ血行が悪くなります。
足を組むと、骨盤の開きやゆがみの原因になり、また、血液の循環が悪くなるため足のむくみにもつながります。
骨盤のゆがみや血行の悪化は、代謝を低下させるため、太りやすくなります。
ひざを揃えて足の裏は床につけ、常にひざがくっついている姿勢をキープするように心がけましょう。
そうすることで、下半身の筋肉を使うことになり、シェイプアップにつながります。
正しい姿勢で仕事をするためには、ひじとひざの角度は90度くらいを保つようにし、ひざの位置は腰の位置より少しだけ低いのが理想です。
ひざの角度がほぼ90度になるように、イスの高さを合わせましょう。
体を冷やさない
デスクワークの人は、知らないうちに体が冷えてしまっていることが多く、動くことが少ないため、特に、下半身が冷えています。
足を動かさないことで血行が悪くなりがちなところに、冷えがさらに血液の循環を妨げて、脂肪を溜め込みやすくしてしまいます。
ひざ掛けやストールなどを使って冷やさないようにし、温かい飲み物を飲むようにしましょう。
仕事中にできるエクササイズ
一日の消費カロリーを増やすためには、活動量を上げる必要があります。
次に紹介する「ながら運動」なら、わざわざ運動の時間を作らなくても、デスクワークをしながら簡単に活動量を増やすことができます。
また、筋肉を鍛えることで代謝アップになり、痩せやすい体になります。
仕事をしながら太ももを上げるだけの、超簡単なエクササイズです。太ももの筋肉を鍛え、下半身の血行も良くなるため、冷え性の改善にもつながります。
- イスに浅く座って、背筋をのばす
- 足裏が床から10cmほど上がるまで、片方の太ももを上げる
- そのまま10秒間キープする
- 足を下す
- 次はもう片方の足といった要領で、交互に行う
ひざから下をシェイプアップし、下半身の血液循環を促進します。足のむくみや冷えの改善にもなります。
- 姿勢を正してイスに腰かける
- かかとをつけたまま、両足のつま先を床から上げる
- 3秒ほどキープしたら下す
- 繰り返す
この運動は、ふくらはぎの筋肉を鍛えます。ふくらはぎは、下半身に溜まった血液を心臓に押し戻す役割をするため、ふくらはぎを動かすことで血液の循環が良くなり、代謝アップに効果があります。
- 姿勢を正してイスに腰かける
- つま先は床につけたまま、かかとを上げる
- 3秒ほどキープしたら下す
- 繰り返す
休憩時間に痩せるコツ
1時間に1回は席を立つ
デスクワークは、ついつい続けてしまいがちですが、1時間に1回は休憩を入れて、体を動かすようにしましょう。
階段を使って違う階のトイレに行ったり、トイレに行くついでに足のストレッチをしたりして活動量を増やしましょう。
席に戻るときにも、最短距離を歩くのではなく、少し遠回りしながら戻ると、歩数が増えて消費カロリーを増やせます。
太らないお菓子を食べる
「休憩時間にリフレッシュ」とばかりにお菓子を食べていたのでは、摂取カロリーオーバーになります。ですが、完全にお菓子を絶つというもの、それはそれでストレスになってしまうかもしれません。
おすすめは、太らないお菓子の食べるということです。
摂取カロリーが100~200kcalのおやつにします。
ナッツやチーズ、スルメやドライフルーツなどがおすすめです。チーズなどのタンパク質は、脂肪を燃焼させる働きがあり、腹持ちがいいのが特徴です。
カカオ含有率の高いビターチョコも、疲れや眠気を取り除く働きがあり、リフレッシュには適しています。ただし、食べ過ぎないように小分けにするなど、工夫をしましょう。
太らないためには、血糖値の急上昇を避ける必要があります。空腹時におやつを食べてしまうと、急激に血糖値が上がってしまい、脂肪の増加につながります。
昼食と夕食の間に、少量のおやつを食べることで血糖値をうまくコントロールでき、夕食の食べ過ぎも防ぐことが可能です。
そういうことから考えると、間食は、15時~16時くらいのタイミングがベストです。
また、脂肪を溜め込むタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」は、15時頃がもっとも少ない時間帯とされているため、この時間帯ならおやつを食べても脂肪にになりにくいといえます。
おやつを食べる時には、飲み物も一緒に摂るようにしましょう。満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防げます。
また、温かい飲み物を飲むことで、代謝アップにも期待できます。甘いジュースや炭酸飲料は避けて、緑茶、ハーブティ、ブラックコーヒーや紅茶などがおすすめです。
日常生活でのポイントや注意点
デスクワーク中のダイエットと合わせて、日常生活を見直すことも大切です。
夕食の時間が遅いと太りやすくなります。寝る時間の3時間前までには、夕食を済ませておきたいものです。
夕食の時間が遅いと、お腹が空き過ぎて、ドカ食いになってしまう可能性も高くなります。それを防ぐには、夕食を2回に分けるのが効果的です。
勤務時間によって、どうしても夕食が遅くなる場合、夕方に休憩をとって軽く食べておけば、帰宅後の夕食で食べ過ぎることがなく、血糖値の急上昇を抑えることもできます。
最新の研究によって、睡眠が肥満に影響するということが明らかになっています。
その研究によると、7~8時間の睡眠をとっている人が一番肥満率が低く、睡眠時間が5時間以内の人は肥満しやすいという結果が出ています。
(参照:公益社団法人生体制御学会:睡眠と健康)
長く起きている方がエネルギーを消費しやすいように思えますが、睡眠時間が短いと、「レプチン」と「グレリン」という2つのホルモンのバランスが崩れます。
そうなると、食欲が増加したり、高脂肪・高カロリー食を好むようになるため、太りやすくなってしまいます。
毎日大さじ一杯(約15ml)の食酢をとることで、内臓脂肪が減ることが化学的に証明されています。
(参照:ミツカン 肥満気味の方の内臓脂肪の減少)
酢の物やマリネなど、お酢は簡単に食事に取り入れることができます。美味しく食べて痩せるなんて、これほど嬉しいことはありませんよね。
まとめ
もし、あなたが「デスクワークのせいで、最近太ってきた」と感じているのなら、今が意識を変えるチャンスです。
今日、ここで紹介したことは、やろうと思えば誰でもできる簡単なことばかりです。あとは、あなたが「よし!」と気持ちを切り替えて、今日から実行するかどうかにかかっています。
ただ、即効性があるわけではないので、大切なのは継続することです。継続すれば、いつのまにか習慣になり、習慣になれば、太らない体に変われるはずです。
健康のために、美容のために、ぜひ、チャレンジしてみてください。